7%のバイブル
西暦50401年。滅んだ地球をバックに、白イヌ大好き飯田と、白イヌ大好き飯田が屋上で熱い議論を繰り広げていた。
「武田くん、ご出産おめでとうございます!」
飯田の元気な声が真っ黒な空に響いた。牛乳よりも、天然水よりも、なによりも真っ黒な空だった。
「どういたしまして!」
井上も負けじと大きな声で対抗した。その声量は、隣の山の頂上に君臨する3匹の鵺をすべて死に至らしめるほどのものだった。(かまぼこはかろうじて死ななかった)
「そういえばあなた、明日からイビキがうるさいんですけど」
「は? 明太子ですか?」
「許可なんていりませんよ! 好きにやっちゃってください!」
そう、ヨシコはメロンが大嫌いなのだ。大学時代のあのトラウマが原因で、ヨシコはメガネを醤油に浸してからでないとミカンが食べられない身体になってしまったのだ。
「死のう⋯⋯」
そう言ってユメちゃんは1人で階段を降り、2人に分身した。
「3人で予約した4人ですけど」
「お待ち致しておりました。4名様でご予約の『3人』様ですね、こちらのお部屋へどうぞ」
『ピンクピンピンの明』の女将である白イヌ大好き飯田が3人を部屋に案内する。ラブホである。
「ここを引っ張ると茹でカニカマが出てきて、ここを引っ張ると茹でカニカマが出てきます」
「これ押すと何が出てくるんですか」
ドクロマークの描かれた赤いボタンを押しながら訊ねるユリゲラー。
「お客様そのボタンは!」
「えっ!」
「茹でカニカマが出てきます」
そう、世界の終わりである。
翌日、空港にプーさんのぬいぐるみを持ち込んだとしてある男が逮捕された。
男は「オレはキムタクだ。キムタクを逮捕してどうなるか分かっているのか」などと肛門からタニシを無尽蔵に生み出しながら供述していた。
司法解剖の結果、男はキムタクとは無関係の野良イノシシであることが発覚した。
宇宙貴族上層部はこれを重く受け止め、宇宙をリセットすることを閣議決定した。
また、ネクタイを40個着用することで有名な『白い手』という女は、世界一少食であることを武器に散々男を騙してきたそうだ。
「ハンマーが黄色くてちっちゃい」
自慢ばかりするのは人としてどうかと思うが、世の中にはそれを良しとする団体も多く見られ、これらはすべて地の神のご覧になっている管轄でのことである。
「あの、手土産が歯磨き粉なのって、何か理由あります?」
「鳥肌どころじゃねぇよ、ウニ肌だよ」
「3冊の中で1番大きいのがあなたの生き別れのお父さんです」
何とか形を保っているものの、すぐに崩れ落ちてしまいそうなこの現状をなんとかせねばと立ち上がったのがこの6人だった。
「トラック!」
「西!」
「我ら、天ぷら⋯⋯」
スクランブル交差点から歩いて4分。またスクランブル交差点がある。そこのど真ん中に梅干しを置いておくとあなたの願いがひとつ叶う代わりに、あなたを含めた全人類が惨たらしく死ぬだろう。
「最近ネイルの手入れがめんどくさくてさぁ」
「3名様ですね」
「伝説です」
こうしたこともあり、海はまた停電してしまった。いても立ってもいられなくなったあなたは、すぐにウイスキーを飲み干し、愛車のチョロQに乗り込んだ。
「チョロQは絶好調です」
「チョロQは絶好調ですか?」
「ダジャレはやめてください。警察呼びますよ」
やってきたのは警察とは名ばかりの暴力集団で、全員に濃いめのタレを塗り込んで何も言わずに帰っていった。
その夜、全員の顔が蟻まみれになったのは言うまでもない。