27. 「魔族」の出現
「クゥロンアー」と名乗ったらしき異形が。
本当に“突然”、出現した。
邪教集団が行っていた「召喚の儀式」が
成功してしまったらしい。
が。
今はソレが何故現れたか等と考察している場合ではない。
生贄にされる所であった警備隊副隊長フラウを背に庇う
新米隊員ミスティは。
其れはもう。
ソレと至近距離であった。
「わたくしはフェネック=ナハト=プリージョンと申します」
警備隊隊長フェネックがミスティ達とは反対側から
ソレに語り掛ける。
すると。
「我々がお招きした方に先に話し掛けるとはキサマあっ!」
「「失せろっ!」」
邪教集団が騒ぎ出す。
ミスティがフラウを介抱している間
他の隊員たちは邪教集団を拘束していたのだが。
半端にして
フェネックはソレに話し掛けたのだ。
当面の敵は邪教集団だったのだが。
其れを放っておいても
先ず「異形」に対処しなくては成らないという判断であった。
代わりに?
大先輩隊員ネッキーが
戯言を並べる邪教集団を殴っていく。
ネッキーは立った状態だと小柄なので
腹を殴るのが主体であったが。
今はネッキーが邪教集団を全員殴り倒してはいたので
頭を殴って黙らせる。
やはり新米隊員のオニールは
殴るのには加われなかったが。
黙々と邪教集団を拘束するのを
今も続けていた。
フラウは。
未だ本調子ではないらしく
緊急事態だというのに
動作は緩慢であった。
其んな中。
フェネックは平静にソレに語り掛ける。
装っているのであろうが。
「此の度は何故
此方へといらっしゃったのでしょうかクゥロンアー殿」
「知らん」
「異形」は素っ気なく答える。
其れでもやはり
「クゥロンアー」というのは名称で間違いない様だ。
其処で。
オニールが口を出す。
「俗に悪魔……魔族と呼ばれる連中は
精神生命体という存在らしいです。
精神生命体というのは……
目に見える姿は蝋燭の炎の様なものだとか」
オニールは語るのだが。
ミスティを窺いながらだった。
ミスティは宗教関係がトラウマなのだが
「悪魔」よりは「魔族」と言う方が多少はマシな様だ。
其れでも其れ等の言葉を聞く度
肩がビクンビクンと跳ね上がるのだ。
咄嗟の時に
命取りになりかねない。
内心冷や冷やであろうが。
オニールは邪教集団を拘束しながら語る。
「炎というものは
可燃物に火花を飛ばして着けますよね。
詰まり。
「召喚の儀式」とは火花を飛ばす様なものなのですね。
火花に当たるものは……
激しい感情でしょう。
しかしコイツ等は其れが分かっていなかった。
結果。 コイツ等は
女性を無意味に殺害していった訳です。
大方。
コイツ等は女性達を寝かせたまま殺したので
感情なんか波立たなかった、という所でしょう!」
オニールの声には。
抑えられない怒りが滲んでいた。
しかし邪教集団は平然と。
「くっ! 生贄は起きていなければいけなかったのか!」
「無駄手間だったな!」
其んな事を言って退けるのだ。
対してフェネックは。
内心は兎も角
理路整然とオニールに訊く。
クゥロンアーとは対峙したままだ。
「結局。
何が切っ掛けだったのかな?」
「其うデスねえ~……?
一瞬。 皆の心が一つになった!
とかじゃあないっすかねw?」
心当たりでも有るのか。
オニールは苦々しい……というか拙かった、という顔をしている。
「感情というものは
個人なら何かを激しく思う、という所でしょうけどw!
やっぱり集団の心の一致っていうのが大きいっすからねw!
「サルのイモ洗い」ってえ思考実験が有りまシテねw?」
「出来るだけ簡潔に述べてくれないかな」
水を差すかの様だったが。
クゥロンアーと対峙するフェネックには焦りが見えた。
オニールは気を悪くする事もなく述べる。
「要は集団に広まった習慣が
出会う筈の無い別の集団に突然伝わるって話です。
斯様に集団心理って不思議だなと!」
「成る程。 炎に例えるのは
言い得て妙、という訳か」
フェネックは理解した様だった。
オニール並みに賢いのであろう。
フェネックは朗々と語り出す。
「火熾しには大別して二つの方法が有る。
可燃物を只管加熱する方法と。
燃え易いものに、
火花を飛ばす方法だな。
集団の心が一致して
火花の役割を果たしてしまったか……!」
フェネックも原因に思い至ったか。
苦笑いする。
所で可燃物を只管加熱する方法というのは
二つの木を擦り合わせる事だ。
燃え易いものに火花を飛ばすというのは
別な方法に分けたかの様だが。
結局は可燃物を更に
瞬間的に高温に成り易くしているという訳で
原理は一緒ではある。
「火打ち石」が道具としては代表であろうし
現代機器でも仕組みは変わらない。
閑話休題。
ネッキーは吐き捨てる様に言う。
「ミスティの所為か」
「何でえええええ⁈」
ミスティは不満の叫びを上げるが。
誰も否定はしない。
しかしオニールは満更悪そうでもない顔で言う。
「悪いばっかりじゃあないさw!
此れで!
アレを「召喚」するのに生贄なんか要らなかった!
って証明出来たんだからなあっ!」
後半には怒りが溢れていたが。
だが其れでも。
邪教集団には反省の色が全く無かった。
ミスティ「一寸……!
又2ヶ月以上更新ありませんなんて出たじゃないよ!
いい加減にしろ作者‼」
オニール「うーむw!
やっぱり新しいパソコンは揮わない様だなw!
他作品もガッタガタだしw!」
ミスティ「言い訳かあっ!」
オニール「いやいやw!
責めるだけじゃあ何も解決しないぞw?
実は
責めればスッキリとかいう愚か者が後を絶たんがw!」
ミスティ「愚かだってえのっ⁈」
オニール「ああ。
誰かの非を責めれば
正義でも為した気にでもなっているのだが
実際解決していなければ邪魔なだけだろ?」
ミスティ「あー其ーねえ?
じゃあ作者がどんどん書けば解決ねえ?」
オニール「まーどんなに言ったって
新パソコン! ウィンドウズ11‼
の使い難さは変わらんから
作者の気分を盛り上げるしかないかなw?」
ミスティ「作者のケツばしばし鞭打って走らせたるわっ!」
オニール「ミスティは結局ソレなのかw!」




