2. 蠢く闇
朱色の下弦の月がまるで
口端を吊り上げ血に塗れた笑みか
血の色に染まった睨む目かの様であった。
其んな夜。
家々の屋根を飛び移る影……
否、黒ずくめの怪人物が在った。
其処へ。
「待ちなさい!」
声を掛けるはミスティであった。
身に着けるは革鎧、とは言え
硬 革の 鎧であり。
迚も身軽に動けるものではない筈、だが。
建物の屋根に立っていた。
「……」
怪人物は。
横目でちらりと見る位はしたが
ほぼ無視して遠ざかろうとする。
「待ちなさいっての!」
更に言うミスティに向かって
怪人物は何かを投げる。
長いもので両端に塊が付いた。
「ボーラ」という道具であった。
何かに当たると絡み付く、
簡易も簡易だが拘束具である。
ミスティは慌てず騒がず。
左掌を突き出す。
「絞殺植物!!」
ミスティの掌から緑色の光の粒が射出される!
ミスティは機械の腕な訳でも掌に射出口が有る訳でもないが!
というより
光の粒は直線的に飛ぶ!
物体ではなさそうであった。
「ボーラ」と光の粒がぶつかり合うと!
ばしゅっ
光の粒が弾けて触手?が数発生し!
「ボーラ」と絡まり合って共に地に落ちた。
「奇っ怪なっ?!」
つい。 であろうか。
怪人物が零す。
「此んな美人捕まえて
奇っ怪とは何だあ!!」
ミスティはずれた反応をするが。
「其ういう事じゃあないだろうw!」
ミスティに突っ込むのは。
「……くっ!」
怪人物の前に現れ
ミスティとで挟み打ちと成ったオニールであった。
オニールは。
空中に浮いている。 否。
下からの風に嬲られている。
外套が激しく靡いていた。
「扨怪人物さんw?
大人しくしてくれたら
お互い楽なんだがなw?」
オニールの白兵槍にはカバーが掛かっているが。
其のまま構える。
「私の手柄を取るなあ!」
ミスティは
オニールに向かっては騒ぎ出す。
「おい……!
んな事言ったら
誰とも連携出来ないぞ?」
オニールはジト目には成るものの
怪人物からは目を離さない。
「――っ!」
びしゅっ
怪人物は再び「ボーラ」を投げる!
しかも!
前後に、正確に!
何という技量であろうか!
しかし!
「絞殺植物!!」
ミスティはやはり光の粒をぶつけ合って相殺し。
とっ
オニールに至っては
単に屋根に降りるだけ。
「ボーラ」は接近したら
風に吹き散らされた。
が。
「っ!」
怪人物は徒手で
オニールを攻める!
「おっとw!」
がしっ
オニールは。
白兵槍の突起に
怪人物の手を引っ掛けて
止めた。 否。 極めた。
関節技だ!
白兵槍はゲリラ戦用の武器であり。
槍でありながら接近されても弱みに成らない。
多機能で
鍛錬が足りなくても其れなりに使える、と
非常に優秀な武器であった。
立っての関節技は捕縛する程の効果は無いが。
しゅるっ
其れにしても怪人物はするりと抜け出し。
一転、ミスティに向かって行く!
ミスティは落ち着いて。
指は伸ばして両腕を交差させると。
ターンする!
詰まり!
真っ直ぐ立った体を軸に
くるっと回る!
「木の葉の……舞!!」
再び正面を向くと同時!
ミスティは両腕を大きく振り払う!
すると!
周囲に木の葉型の緑の光が数十発生し!
プロペラ回転、詰まり平面の中心を軸に
水平に回り!
広範囲にだが明らかに全て怪人物に向かって飛ぶ!
「ぐっ!」
流石に怪人物は避け切れずに
幾つも受ける!
が!
傷は付かない。
当たっても見た目には跡も残らなかった!
「カッター」とは言ったが言葉の綾か。
しかし。
当たる毎に
怪人物は明らかに失速し。
頽れた。
「おいおいw!
失速する場所に因っちゃ
危なかったぞw?」
余り深刻でもなさそうに
オニールは言う。
「俺が見ていない所じゃあ
どう成るか分からなかっただろうw!」
詰まり。
オニールが居れば
怪人物が地上に落ちても
どうにか出来ると。
自負している様であった。
「此んな所でウロウロしているヤツが悪い!」
ミスティは冷たく言い放つ。
「其れは其うなんだがなあ……w!」
オニールは苦笑いだ。
説得は諦めている様だった。
オニールというのは
有りそうで無いヘンな名前です
オニール「行き成りご挨拶だなw?!」
ミスティ「屁理屈屋なら拘りなさいよ」
オニール「だから屁理屈って……w!
まあ読者様の世界じゃあ
「オ」は名字に付いて
「ジュニア」の意味を表すのだなw!」
ミスティ「詰まりやっぱりヘン! って事ね!」
オニール「舞台は異世界だからなw!
誰も気にしていないからなw!」
ミスティ「まあオニールなんかどうでも良いけど。
何だかメタな話をお喋りしてみました!」
オニール「投稿時刻を調節する為だなw!
弱小作家は気にしなきゃあなw!」
ミスティ「其れにしても
30に満たない部分数で
何千何万何十万もブクマ数が有る作品は
何なのかしらね?」
オニール「マーケティング、に長けている作家様
なのだろうな?
良く言われる事だが
無名な者が幾ら頑張ってもたかが知れている!
のだよな。 悲しいが」
ミスティ「内容なんか大したモノ
まず有りゃしないのにねえ?」
オニール「おおいw! 敵を作る言動は止めようぜw?」
ミスティ「だってどう見たって異能力だの魔法だのって
作者がリアルを知らないの誤魔化す為みたいなモノ
じゃない!
例えば……!」
オニール「実名はヤバいからw!
例え作品名でも出しちゃいけないからw!」
ミスティ「はぁー……!
そろそろ時間ね?」
オニール「じゃあお開きだw!
行ってきますw!」
ミスティ「アンタが言うのか!」