17. 雌伏の時
警備隊本部隊長室を辞して。
ミスティとオニールは町中を歩いていた。
否、
ミスティは、辛うじて物理的にではないが
オニールに引っ張られていた。
「ほぅら! 隊長はおっかねえぞお!」
オニールは其んな事を言うが。
「……」
ミスティは拗ねた眼差しで見ていた。
喋る程気力は回復していない様だ。
が。
オニールは兎角言い続ける。
「ミスティ此う考えろ!
ミスティが捕まえたアイツが役に立っている!
詰まりもうミスティは貢献しているんだ!
其して!
未だ此うして行動出来ているのは
黙認はされているんだ!
ほら動かれたくなければ
「謹慎」って処分が有るじゃあないか!」
「……」
「隊長だって大変だろうよ?
内部に犯人の一味が居るんだから!
其れを察して
さり気なく支えるのが良い部下ってモンだ!
副隊長の様に!」
「……
フラウさん……!」
副隊長フラウを想い。
ミスティは涙を零す。
「ああ! 絶対に!
助けるぞ!」
オニールとて
其れは最優先に気にしていた。
が。
日中には機会が無いのだった。
なので兎角
オニールはミスティの気力を回復させるのに努め。
其の日の業務が終了、
と成る。
勿論二人は
其のまま帰宅、等はせず。
先ずは同僚と
店で食事、と成った。
「……」
ミスティは何時も以上に黙々と。
食事を口に詰め込む。
「何だいミスティちゃんw!
何時も以上にぶすっとしているなw?」
先輩リモンドが突いてくる。
「へっ! リモンドよう、
ソイツが気になんのかよ!」
大先輩ネッキーが更にリモンドを突く。
「はっはっ……w! 其うなんですかねw?」
リモンドはへらへらと。
ネッキーを躱す。
「止へとけえ! 其んらヤツ!
偏屈もいい所らろうがよ!」
ネッキーは少々出っ歯故。 滑舌が悪かった。
其して全体像は
妙に偉そうな少年、であった。
「あっはっは……w? 其んなんじゃあ……
ないデスよw?」
リモンドは。 何やら嫌そうだ。
「オニールがいい顔しねえらろうしなあ?」
等とネッキーが言うものだから。
皆の目がオニールに集まる。
「あっはっはっは……!
俺こそ! 其んなんじゃあないスよっ?」
罅割れた笑顔、というのだろうか。
本当には笑えないが
無理矢理笑顔っぽくした、
みたいな顔をオニールはする。
「何よオニール! 私に不満でも有るっての?」
ミスティはやはり
オニールには直ぐ反発するのであった。
「普段からミスティの方こそ
腐れ縁とか言うじゃあねえかっ!」
「私から言うのは良いのよ!」
「勝手だねえっっ?!」
オニールの絶叫に。
先輩達皆が笑う。
ミスティとオニールは新人なので
同僚は全員先輩なのだ。
其んなだったが。
ミスティが黙々と食事をしていたのは。
此の後の決戦に備えて。
であった。
ミスティ「あっはっはっはっは? 目出度くコンテスト締め切り!!
間に合わなかったっつうの!!
作者よ! キサマの力は其んなモノかっ!!」
オニール「何処のラスボスだよw!
まあ、初めっから無理そうだったからなw?
本当にラストスパートで
此んなモンかよw! って思ったけどw!
無理は出来ないってモノだなw?」
ミスティ「教鞭で作者を叩いてやろうかしら!」
オニール「何時もながら暴力的だなっw!
幼少時虐待されると其う成るって言うぞっw?」
ミスティ「うっさいわ!
んで? どう始末付けてくれるのかしらっ!」
オニール「此う考えろ!
本来始める積もりでもなかったのが
コンテストを意識したのが切っ掛けと成って
本作が始まった! と!
其して狙うなら
此れからのコンテストでも良いじゃないか! と!
寧ろ期限まで余裕綽々w! なんてなw?」
ミスティ「うわー……! 誤魔化しジンセイ……?」
オニール「其んなんじゃあねえよw!
アレだよw!
満点ではなく合格点を狙う!!
というヤツw!」
ミスティ「其ういうワケで!
今までのコンテストのタグは取っ払って
此れからを考える事にしました!」
オニール「頭の回転ってヤツは切り替えが大事なんだw!」