爆弾魔と放火魔
爆弾魔の出現によって仕掛けられた爆薬は、小さな存在だったガラスの箱の中でチクタクとカウントダウンを刻み、後悔と失望で何も残らなくなる可能性があるにもかかわらず、再起不能になくなるくらい深手を負うこともあるにもかかわらず、それでも爆発の瞬間を今か今かと待ち構え、大事に大事に収められている。言葉のエネルギーは測定不能。赤い線も青い線も切ったところで意味はない。
放火魔の出現によって燃え広がった炎は、あいにく水魔法を使えない私にはどうすることもできず、ただもくもくと立ち込める煙に涙を流しながら、鎮火を祈るしか手段はない。トースターの受け皿にたまったカスに見事変身を遂げた私は、ここでやっと冷静な思考の元、誰にも言えない秘密を誰にも言わないでいる。マッチ一本火事の元。火の用心。
今朝のニュースは爆弾魔と放火魔のことでいっぱいだ。
なんと同一人物だという。恐ろしい世の中だ。
私の平穏はたった一人によってこんなにも簡単に打ち砕かれ、希望と不安のカフェオレを楽しむことになる。