おはよう
ギシッ
俺はすやすやと眠る美月の隣、ベッドの縁に腰掛ける。
「まつげ長いよな」
小さい頃から一緒だし、知ってるけど、いつも眼鏡だからこんなにまじまじと直接見れることはない。
むにっ
「ほっぺもかーわいい」
俺は人差し指を折り曲げ彼女の頬を撫でる。
「ん」
美月が声を漏らすので起きるかなと思ったけどセーフ。こちら側に寝返りを打っただけだ。
セミロングの黒髪は艶があって、しっとりと潤った手触り。手のひらで撫でると気持ちがいい。
「んー」
小さな声とともに手が差し出された。
「あったけぇ」
その手を右手で握ると美月が生きてるって実感した。指の一本一本までかわいい。指先にくちづけ、自分の頬にあてる。
「美月」
つい名前を呼んでしまった。まだ起こすつもりじゃなかったのに。
「あ、らた」
彼女の瞼が小刻みに震え、現れた大きな黒目が俺を捉えた。
「あらた!?」
寝顔を見られていたと言う事実を瞬時に理解したのだろう。布団を勢いよく頭までかぶる美月。
「おはよう美月」
そのまましばらく待っていると、彼女はゆっくりと目の辺りまで布団をおろす。
「おはよう空大」
恥ずかしがりながらも、どこか嬉しそうな美月の声が愛おしい。
「おはよう」
俺はもう一度あいさつすると、彼女の前髪を手のひらで撫で、おでこにキスをした。
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突然で申し訳ございませんが、車が壊れて生活が手一杯のため、2週間ほど更新をお休みします。
活動報告にもう少しだけ詳しく記載いたしました。
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