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イデオロギーとしての資本主義論~日本の低成長の原因とは

作者: ふりがな


イデオロギーとしての資本主義から書いて行くつもりなので、イデオロギー論が苦手だという人は、ブラウザバックを推奨します。

宗教みたいなものですからね、イデオロギーって。


こんにちは、ふりがなです。

今回は、イデオロギーとしての資本主義論を書いて行こうかなと思います。

私個人は何主義者という事でもないのですが、本来の資本主義論ですね、その紹介です。


日本の低成長の原因の前に、イデオロギーの話をしておきましょう。

イデオロギーとしての資本主義論が盛り上がったのは、やはり冷戦時代でしょうか。

共産主義と対を成す、自由主義陣営の経済体制である資本主義は、その頃イデオロギーとしても受け入れられていました。

実際に、日本国内で盛り上がったのは、冷戦後かもしれません、ソ連が崩壊して、やはり社会主義はダメだったという話になりましたからね。


しかし、イデオロギーとしての資本主義に、果たして正体はあったのだろうかと、私は最近疑問に思ったりします。

さて、次に書くのは、冷戦時代のイデオロギーとしての、資本主義の概要です。


自由市場下で、民間の投資によって、投資の対象となった企業群が、より良い未来を切り開らいていく、それが資本主義である。


まぁ、だいたいこんな感じでしょうか。

繰り返される民間の再投資によって、産業が選択、強化されていき、世の中が良くなって行く。

その社会の発展していく実感があるからこそ、自由主義陣営、イデオロギーとしての資本主義は当時支持されていました。

まぁ、逆だったら、世の中が悪くなっていくという話なので、誰も支持しないって話なんですけれどね。


一方で、極めて政治色だけの強いアンチ共産主義、アンチ社会主義としとての、実態を持たない、なんちゃってイデオロギー資本主義も、世の中には、溢れていたように感じます。

反共産主義だからこそ、正しい的なナニカ、それこそが資本主義なのだという話ですね。

資本主義でなくても、アンチ共産主義なら、どうでも良いのだとした層も、自称資本主義者の中には居た訳です。

この反共産主義としての資本主義の説明は、実際には、イデオロギーでも何でも無いので、省かせて戴きます。


さて、イデオロギーとしての資本主義に対して、批判の題材に上がる物と言えば、それは「格差」でした。

実際、典型的な行き過ぎた格差社会である中国、メキシコでは、人身売買、臓器売買、汚職、麻薬の横行、政治家の暗殺など、民間の投資が、そちらに向いてしまっていて、必ずしも、民間の投資がより良い未来を切り開いていく、とは言えない現実があります。

中国やメキシコを、ただの新興国だと思っている方も多いでしょうが、世界長者番付に載り、1位が出るなど、日本よりも遙かに裕福な層も居たりします。

日本と対等、かつ、究極の格差社会として見た方が実態には近いのです。

その行き過ぎた格差社会は、イデオロギーとしての、資本主義、自由主義の概要にある、より良い未来という前提にさえ反するではないのかという批判ですね、それが「格差問題」です。

日本国内では格差は、まだ、それほど大きな物ではありません。


日本国内での格差問題は、現代では貧困と言われています。

行き過ぎた格差社会の問題など、聞いた事もない人は多いのではないでしょうか。

格差が拡大していくと、ある時点から、必然的に行き過ぎた格差となり、反社会的な投資は成立するようになるのです。


反社会の分野、闇社会へ再投資出来るような環境の成立です。

それは、裏返り資本主義と言えば良いでしょうか。


格差拡大によって、一部の人にとって、人の命がオモチャ感覚で買えるようになってしまった。

だから、倫理に反する投資が成立してしまうようになる。

そのような人の命を軽く扱える社会では、民間の投資が、より悪い未来を呼び込んでしまうようになるのです。


皆さんも、行き過ぎた格差社会を指した場合には、イデオロギーとしての資本主義に、反してる社会なのだと思うハズです。

イデオロギーとしての資本主義は、自由市場下で、民間の投資によって、投資された企業が、より良い未来を切り開らいていくという物なのですから。


繰り返しますが、概要が逆で、より悪い未来となっていくとなると、イデオロギーとしての資本主義は、大衆に支持を受けようが無いのです。


ですから、必然的に、倫理や人権と資本主義は、両立を目指す物で、国家は、より良い未来へと繫がる最低限の倫理的な投資環境を、常に保全しなければならない、という話になるのです。

この手の資本主義における、国家の役割は、今日余り聞くことはありません、それは、あまりにも反社会的な分野の投資を否定するなどという話は、大前提以前の当たり前の話だからですね。

資本主義では、国家は、反社会的な投資環境を、成立させてはならないのです。

この逆は、人身売買、臓器売買、麻薬の製造販売、政治家の暗殺、汚職を、法人として国家が認可し、株式市場に上場させたら、より良い未来が来るとなります。

そんな訳はありませんよね。

論理の左右対称性からしても、倫理、人権と資本主義はセットでこそイデオロギーとして成立すると、まぁ、ここまでは誰でも解る話になるのかなと思います。


お金が全てでは無く、より良い未来を目的とした、投資環境の保全は、イデオロギーとしての資本主義では、かつては大前提となっていたのです。

投資するにしても、どの分野に投資するのか、その選択が重要なのだという話で、倫理、人権とセットでなければ、資本主義はイデオロギーとしては成立しない、でなければ、悪い未来を引き寄せてしまう、これは、イデオロギーとして資本主義を理解していた世代の共通の認識のハズでした。


しかし、本作品はイデオロギーとしての資本主義者なんて、実は居なかったんじゃないかなという話だったりします。

もう時代が違うのだからという事もありますが、どうもイデオロギーとしての、資本主義を理解している層が不在だから、日本の低成長の原因を、資本主義の観点から指摘出来る層は居ないではないでしょうか。

その根拠は、イデオロギーとしての資本主義は、経済システムとしての資本主義としても成立しえるのか、という話に至る学者が、日本国内では少なかったためです。



イデオロギーとしての資本主義論は、経済システムとしての資本主義としても成立するのだろうか?



『反社会的な分野にも、積極投資した方が、より経済成長するのだ』


イデオロギー論としての資本主義を否定し、経済システムとしての資本主義のみを肯定するときには、このような論法が成立します。

実際、似たような主張をする方も昨今は多く居るように感じますが、本当に反社会的な分野へ投資出来るようにした方が、国家は経済成長するのでしょうか?


そして、実際に、反社会的な投資環境を整えてしまった国家、というのを私は知っています。

再投資を繰り返す度に、より儲かるという事で、投資された分野は、それがどのような分野でも強化されていきます、この繰り返しが、経済システムとしての資本主義です。

その、反社会的な分野への投資環境を整えてしまった国家は、いったいどうなったのでしょうか?


例えば、人身売買の企業を法人として認可した場合に、GDPは成長していくでしょうか。

GDPに組み込める分野が増えるので、GDP自体は一時的に増えるのですが、人身売買が儲かれば儲かるほどに、それを犯罪として取り締まっていても、街を歩いていると女子供が浚われてしまうような社会となります。

そのような社会に、まともな将来性はあると言えるのでしょうか。


これは、臓器売買でも同じ事が言えます。

臓器売買が儲かりすぎて、一般の病院に行くと臓器が抜かれている。

中国で良くある事だと話題になっていましたが、そのような社会に将来性はあるのでしょうか。


麻薬の製造販売を法人として認可して、GDPが一時的に増えるとして、国民全員が中毒患者になって、その後、その国のGDPは成長していく物なのでしょうか。


私の知っている、反社会的な投資環境を整えてしまったその国家は、反社会的な分野の拡大によって、借金だけを増やし、なんと、30年近く低成長に甘んじているのです。


30年で、お解りになった方も居るかもしれません。

そう、反社会的な悪い未来を引き寄せる分野とは、ブラック企業で、私の知っている、反社会的な投資環境を整えてしまった国家とは、日本なのです。

日本という国は、労働法の機能不全によって、最低限の投資環境の保全が出来ていませんでした。

よく、デフレがブラック企業を育てたと言う人が居ますが、何故、ブラック企業という反社会的な分野への投資環境は整えられて、ブラック企業への再投資が、日本では行われたのでしょうか。

反社会的な分野への投資環境が整うというのは、デフレであろうがインフレであろうと関係ありません。

投資環境が整えてられている限り、デフレであろうとインフレであろうと、ブラック企業は儲かる投資であれば成長していく物だったのです。

日本の高度経済成長とは、高賃金の産業へのシフトでした。

ですから、真逆の事であるブラック企業、低賃金の産業へのシフトでは、単純に経済はマイナス成長となるのです。

日本のデフレの原因とは、単純に反社会的な分野、ブラック企業への再投資だったのです。

失われた30年で重ねてきた借金の増加分、そして世界のインフレ率を引けば、日本の直近の30年の実態は、正にマイナス成長としか言えません。

何に対して、整合性を取って低成長の原因を探るべきなのか、その正体もわからず低成長を嘆いている人も多いようですが、彼らは本当に、イデオロギーとしての資本主義論を学んで来た層なのでしょうか。

イデオロギーとしての資本主義の観点から、デフレの原因を、反社会的な産業への投資、即ちブラック企業への再投資だと指摘する学者があまりにも少なかったのではないかと、私は感じています。


資本主義下にある社会の未来は、一番投資されてきた分野へと進みます。

その選択先とは、一番利益の出る分野なのです。

それが、日本では、労働法の崩壊という、国家の役割、最低限のより良い未来への投資環境に保全を放棄した結実である、ブラック企業の成長だったのです。


よく、日本の低成長をマクロ経済の不調のせいだと主張する学者が居ます。

彼らは、投資の中身を考える事は無いのでしょうか。

反社会的な分野への投資環境が成立していると、マクロ経済が堅調であればあるほど、財政政策と金融政策が噛み合えば噛み合うほどに、反社会的な分野はより成長し、それがブラック企業の場合には、マイナス成長は加速していくのです。

完全雇用なのに、賃金が上がらない、よって、出口戦略が取れない、これらの原因は、国家の役割の放棄によるものだったのです。

私は、少し前のブラック企業叩きで、ようやく官僚も低成長の原因を認めたのかなと思いましたが、移民による低賃金労働者の補充、即ちは低賃金の産業へのシフトを肯定する報道が、昨今再び増えているように感じます。


国内に、低賃金の産業を増やしていって、日本は経済成長するのだろうか?


この疑問は、正に失われた30年の、日本の低成長の本質を突いています。


高賃金の産業から、さらにその手の低賃金の産業が純増するなら成長はするのでしょうが、実際には高賃金の産業から低賃金の産業へとシフトするのですから、移民政策で低賃金労働者を呼び込めば、日本は間違いなくこれからマイナス成長へと向かうでしょう。

高賃金労働者を呼び込めば、経済成長間違いなしなのにです。


私は、必ずしも、デフレが悪いとは言いませんが、反社会的な分野への投資を継続して、本当に社会がより良くなっていくと信じているこの手の層には、全く否定的です。

もし、反社会的な分野を否定し、より良い社会への投資環境を国家が保全していたのなら、30年前から未来と呼べた現時点は、正に資本主義によって、より良い社会へと変化しているハズだったのです。


資本主義とは、何に投資して来たかで決まる社会体制のことである、この明確で単純な視点と、イデオロギーとしての資本主義の喪失が、両立しなければ、デフレの原因、低成長の原因にたどり着けない論理は成立しえないのです。


日本には、イデオロギーとしての資本主義を理解する資本主義者が、圧倒的に足らなかったのです。

日本は、これから資本主義者をどんどん増やしていかないと、低成長からの脱却は、まず難しいでしょう。

反社会的な分野へ再投資の続く環境、再投資の可能な環境は、必ずより悪い未来を引き寄せ、国家をやがては沈没させる物なのですから、こう考えると、イデオロギー論から見る低成長の原因というのは全くバカには出来ません。


現代日本は、イデオロギー無き国家として、世界を漂流する寸前の国家なのかもしれません。





まぁ、エレファントカーブよろしく、先進国の中産階級は壊滅してきているので、超先進的な未来の選択肢なんて、そもそも存在しないのかもしれません。

となると、日本はほんの少しやり過ぎただけとなりますね。

しかし、上手く行き過ぎた想像を超える未来もあるのかしれないし、悩ましい。

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