表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
7/12

革命家たちが踊る夜

 

 この国は死んでいる


 武芸全般納めても、惚れた女と暮らせねえ

 山ほど破落戸ふん捕まえて、どんだけ悪党蹴散らそうとも真の黒幕は高笑い、弱い者から屠られて正直者は馬鹿をみる。


 ーー真面目にやってる奴が上手く生きてけない世の中なんてさ

 どうしたって滅びるしかないよな


「こらノーマン、あんたもう止めときな」

「なんだよ、まだまだいけるぜ。コーディリアのおっぱいまだ3個にしか見えねぇもん」

「このお馬鹿さん、そんだけ酔ってりゃおしまいだよ、お家帰ってねんねしな」

「今日は、潰れるまで呑ましてくれよぉ〜。大事な仕事が破綻したのさぁ」

「なにあほなこと言ってるんだい、そんなのいつもじゃないか。ピーピー泣いてる暇あったら次の仕事探しな」


 そういって赤毛の美熟女は豊満な肉体をくゆらして、氷水でいっぱいにしたジョッキをへたった菜っ葉みたいに突っ伏した男の前にドンと置いた。


「頭っからぶっかけてやろうかしら?」

「おいおい、コーディは相変わらずノーマンにだけキツイなぁ、ほんとにこの街の治安立て直そうにも失敗続きでオレら大変なんだぜ」

「ふん、エドガー隊長は逆に甘過ぎだよ。こいつのじっさまは、あの奴隷島を解放した伝説の大海賊様だったのにさ、子孫がこのざまじゃ面目丸潰れじゃない」

「まぁ、そういうなよ。人は人、自分は自分」

「ノーマンはやれば出来るコなの!」

「なんだ、愛してるから。期待しちゃってるんだ。お熱いことで」

「そ、そんなわけないじゃない!」

「真っ赤な顔して否定されてもなー」


「へい、コーディ。隊長殿たちとじゃれてないでさっさと歌えよ。最近どこも物騒で皆んなささくれだっちまった心を宥めたいのさ」

「おうよ、いっちょスローなナンバーでヨロシク!」


 常連の注文に気を良くして、この城下町で最高の酒場でマスターが奏でるピアノを後ろに歌い出す。

 


 あの日あなたが行ったのは

 戦場に月が降ったから

 あの日わたしが言ったのは

 永遠の別れと知ったから


 寄る辺ないの譲れないの

 うつろぐ恋は侮れないの


 止まらないの救えないの

 張り裂けた夢は戻らないの



 繰り返し歌い終わると余韻を残して静まった店内に小さなたくさんの拍手が鳴り散る。すると、見計らったかのように扉が開き、酒場には不似合いな少年が人目を避けつつスルリと隊長達に近づいた。


「そんな格好で珍しいな、偽装する余裕もない緊急事態か?」

「あれぇ?ヴィンセント?まぁボロ着てても姿勢良過ぎていつも坊っちゃん丸出しだけど夜更けにそれ不味くない?」


 同時に話しかける男達を鬱陶しそうに眉をひそめ、前に置いてあったジョッキに手をかけひと息飲んだ。


「なんだ水か、しけてんなノーマン」

「がっ成人前のガキが言うね〜」

「ノーマンが湿気ってんのはいつものことだ。それよりお前がそんなに取り乱すなんざ、お前のお姫さんになんかあったのか?」

「どーせ、またいじわるしてお前のお姫さまに逃げられたんじゃね?」


 茶化すノーマンの脳天にジョッキを喰らわすと腕を組み睥睨する。


「いってぇ」

「逃げられたんじゃない、消えたんだ」

「はぁ?」

「なんだって?」

「城から出たと言う門番の報告はない、が外に下りたとしか考えられない」

「衛兵の屯所も確認したのか?」

「した、近衛共は全く使えぬ。頼む、其方らしか信用出来る者がおらん」


 そう彼が言い終わらない内にふたりは椅子を蹴り立ち上がった。






ここでは16歳で成人です

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ