プロローグ
この度、三人称小説を書かせてもらいます。色々拙い点があると思いますが、生温かーい目で見守って下さい。
2050年、人類に歴史の転換点とも言える出来事が起きた。
初めにその説を唱えたのは学者だった。
曰く十年後、地球に巨大隕石が接近し、地球は滅びてしまう。と。
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最初は、誰も眉唾物として信用しなかったが、ある日、天体望遠鏡にそれが映った。
ある星にほんの少しの黒い斑点のようなものが見えたのだ。それも少しずつだが、確実に大きくなっていく。
学者はこの現象を調べると、隕石が近づいているとの結論を出した。それもかなり大きい。おそらく木星ほどの大きさだ。更に、このままだと、いずれ地球に大接近し、直撃の可能性が高いと結論付けた。
学者はこれを機密事項だとするように命じたが、人の口に戸は立てられぬという事なのだろうか、ネットに拡散した。最初は信じていなかったものの、徐々に実証が出てきて、ついにはパニックになった。
そして、迎えたその日。その頃はみな、比較的に落ち着き、みんなで最後のひと時を過ごそうと、家族で一緒に家にいる人が多かった。中には、まだ死にたくないと喚き散らし、道路で駄々をこねている大人がいたとかいなかったとか。遂にその日の昼運命の時がやってきた。
ちょうど、学者がその説を唱えて、十年後の出来事だった。
だが、ここで奇跡が起きた。隕石は地球をぎりぎり当たらないくらいの距離でかすめて行った。みんなは泣いて喜んだがここで異変が起きた。正確には、異変の始まりと行った方がいいのか。
隕石が過ぎた後、突如人々は頭に鈍痛がした。それも頭が割れるレベルのだ。
その鈍痛は次の日の昼、つまり隕石が過ぎ去った翌日まで続いた。
鈍痛が引き、人々は皆ほっと息をついた。
だが人々は気付いた。視界に映っている人の半数が、頭の上に獣のような耳を持ち、尻尾が生え、体の体毛が黒から様々な色に変わったと。
まるで獣のようになった人々は混乱し、なっていない人々はその光景を茫然と見ていた。
しかし、何も異変がない人々は……いや外見だけと言っておこうか、気付いた。
自分達の頭の回転や想像力などの思考能力、つまり知力が倍近く上がっているのを。
人々はこの現象を『超改革』と呼ぶようになる。
見た目が違うようになった人々は当然というか対立した。
やがて人々は、獣のようになった人達を『獣族』、知力が上がった人達を『人族』と呼ぶようになった。
そして、対立は国間の大戦争になる程発展した。そしてあわや衝突となる寸前、人々は気付いた。
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この現象が人類だけに起こっているはずが無いと。
その通りだった。犬や猫、猿や鳥、魚や蛇、蛙や虫までもが、凶暴化したり、狡猾になり中には知的生命体と呼ばれるような生物が現れた。
この事態に、各国の首脳陣はすぐに和解、軍を引き揚げさせ、この現象の為の対策本部等を立上げ始めた。
しかし、凶暴になった動物たちを抑えるのはとてもとは言えないが、困難を極めた。
この異常になった動物たちを人々は『侵略者』と呼ぶようになった。
この事態を沈めたのは獣族の人々だった。……いや一部の一族と言うべきか。
彼らは戦線で奮闘し、あわや大惨事になる所まで進んでいた侵略を食い止め、巻き返した。
その戦いに参加していた人々は彼らをこう言った。
曰く、まるで物語の中のような力を使い、われらを守ってくれたのだと。
人々は彼らを『霊獣族』と呼ぶようになった。