おまけ
「……やっぱり聞かなかったか。」
少年は行方不明事件となって騒がれている記事が書いてある新聞を読みながら呟いた
「半分はあの子の自業自得だしね……この神社に向かうたび死相が濃くなったから忠告してあげたのに」
少年はため息をついた。
――そして思いついたようにあの弾釣神社に向かった。
「それじゃあ……君が恨みを忘れて安らかに眠れる日を祈るよ」
ヒグラシの鳴き声が聞こえる中、誰もいない神社の前で少年は誰かに話しかけるように独り言を呟いた。
「……あの金髪の子は残念だったけど、気弱そうな子は辛うじて聞いてくれたから良かったな。」
弾釣神社を後にした少年はそう呟きながら弾釣神社がある坂を降りて行った。
「由征……」
少年の本名を呼ぶ声が聞こえ、その方角を見ると少年より体格のいい短髪の少年が立っていた。
「雄一郎……どうした?」
「どうしたじゃねえよ、お前が勝手にいなくなったから探せって言われたんだよ」
「ふふ、それはごめんね……」
「お前心臓弱いんだからあんま遠くに行くなっての! さっ、帰るぞ!」
短髪の少年が少年の手を引く。
「わかったわかった……」
少年はクスクス笑いながら短髪の少年が手を引く方向について行った。
END