第2話
とりあえず、改定を終えたものから順に投稿します。
第二話〜ハイエルフとの再会〜
フローネの王都にホームがあるので、俺たちはホーム目指して歩いていた。
森を出てしばらくしたとき、ふと王都のどこにホームがあるのか知らないことに気づいた俺はゲームにもあった
『検索』という魔法を使い正確な位置を調べた。
その結果、ホームは王都の商業区にあることがわかった。
ゆっくりとデート感覚で歩いている最中に俺はふと思ったことを口にした。
「あぁ、商業区ってことはひょっとして店舗の機能もそのままなのかな?」
「ん?どうしたの、トモ君?せっかくデート感覚で楽しんでたのに〜…何か気になることでもあったの?」
「えっとね、詳しい場所わかんなかったから、検索かけてみたんだけど、
商業区にあったから店舗の機能もそのままなんじゃないかって思ってさ。」
「え……ってことはゲーム時代にトモ君と作ったあのハイエルフが店長代理してるのかな?」
「多分そうじゃないかな……んー、俺たちの拠点はちょっと安全じゃないかもしれない。」
「えぇ!?そう!?最強の称号を持ってるトモ君がいるんだから、そこらの護衛よりは安全だよ〜
それに、愛しの彼氏はその程度で揺らいだりしないでしょ?」
そう言って俺にプレッシャーをかけてくるが、愛のあるものなので甘んじて受け入れている。
……もしこれが、自分の最愛の彼女でなければ「面倒だから自分の身は自分で守ろうね」などと切って捨てることもあったかもしれない。
「まぁ戦闘は嫌いだからそれに付随する称号なんでどうでもいいよねぇ……どのみち寧香と一緒に生き抜くことには変わりないし。それに、個人的には生産の方が好きだし……」
「私も戦闘はあまり好きじゃないかなぁ……。けど、トモ君は私のことや仲間を守るためには手段を選ばないよねぇ〜
あの時は、一瞬で10人以上のプレーヤーを斬ってたもんね。」
「寧香、『大惨事』とか言って周りが囃し立ててたことは忘れろ。あの時はそうしなかったら寧香が怪我しそうだったじゃん」
そんな取り止めのない話をしつつ、通り道を邪魔するモノ達を始末しながら目的地へ向かって歩き続けていた俺たちはようやく目的地がある王都の関所の目の前に到着した。
王都に入る際、関所で身分証明するモノが必要だったが、俺たちはお互いのステータスカードを見せて難を逃れた。
事実としてステータスカードを見せるような人はほとんどおらず、しかも数値が化物級だったため見逃されたのはここだけの話だったりする。
商業区に入って100mほど歩くと明らかに周囲と違う異質な空間があった。
その空間は1mを超える太さの大樹に囲まれており、見た目、大岩と材木、レンガを組んで作られた
こじんまりとした屋敷 (そこらの貴族の屋敷ぐらいの大きさだが)。
暖簾が出ている出入り口と材木の看板が立っている出入り口の二つがあり、店舗と住居の機能がそのまま残っていることが目に見えてわかる光景だった。
二人で目的地に設定した拠点は、ゲームでは序盤から二人で営んでいた総合百貨店『ルーナ』は武器、防具、アイテム、服装を扱い、冒険の拠点にもなる住居兼店舗である。
ここでゲーム時代の『ルーナ』にい関するあれこれを思い出してみることにする。
家屋は3階と地下2階まであり、離れと庭、農場まで完備。
店は一階の半分と地下一階の半分の二階建て。
2階は8部屋と厨房、ダイニング、ブリーフィングルームがある
3階に12部屋、大浴場、脱衣所、洗面所、トイレ、執務室、僚也の部屋、寧香の部屋がある。
一階は檜風呂と脱衣所、洗面所、トイレ、応接室があり、離れに露天風呂(外から全部見えてしまうので、あまり使われていない)もある。
地下一階は衣類(ドレスからネグリジェなどほとんどのものが何百着とある)や薬品などの倉庫と食力倉庫がある。
地下二階は鍛冶場と武器や防具などの倉庫、鍛練場がある。
ルーナの全てのトイレは水洗で、出したものは下水処理、物質分解、化学分解をしてから農場に使用される。
材木に三日月の看板が立っている店舗側の入口の上には『隼のマーク』と『ルーナ』の文字が大きく書かれている。
二人でモンスターを狩りながらエリアを転々とし、集めた素材で僚也が武器とか防具をつくり、寧香がアイテムを生成しそれらを売っていた。
二人のレベルはかなり高く、ゲーム内でも最高クラスだったので、レアアイテムや希少な武器・防具を扱っており、
それらが並べられた店は隠れた名店として上級プレーヤーに有名だった。
最も、中には荒くれ者もおり、しばしば商品を強奪しようと襲ってきたり、金を盗もうと襲撃する人もいたが……
改めて思い出してみると自分たちのことながらかなりぶっ飛んだ性能だったなぁと感じつつ俺は店側の扉を開ける。俺に遅れまいと寧香も慌てて店内に入っていく。
店内には鎧を着込み、マントを羽織った複数の男女がいた。
そのうちの何人かが2人のことに気づき、さらにそのうちの4人が近づいてきた。
「今取り込んでいるんだ、後にしてくれ」
豪華な装飾が施された鎧を来たちょっとやんちゃそうな青年がそう言ってきた。
「「何かあったんですか?」」
「いいから、外に出てろって言ってるだろ!!」
俺たちは疑問に思ったので事情を聞こうとしたが、強い口調で命令してきたのは金髪の青年だ。
こちらもやんちゃそうな青年と同じく装飾過多な鎧を身につけている。
こいつらに丁寧な口調は必要ないと判断した僚也は寧香に目配せをしてから抗議した。
「こっちも今じゃなきゃ困るんだよ」
「うるせぇ!冒険者風情が口答えするんじゃねぇ!!」
「おい、よせよコウ」
俺たちが渋ることにイラついたのかコウは力ずくで押し出そうとしてくる。俺をを殴り飛ばしてやろうと鳩尾に拳を放ってくる。
俺はは特に反応せず「あぁ〜あ、遅すぎるんだよねぇ……」などと思っているだけだったが、寧香からは「トモ君、口に出してどうするの」と小言をそばで囁かれてしまった。
一方、殴りかかってきたコウは口元を一瞬ニヤリと歪ませるが、
「うぉッ!」
俺はは放たれた拳にビクともせず、あろうことか右手の指二本で受け止めている。左手の所在は隣で囁いた愛しい人の両手の中だったりするため、絵的にきまりが悪いが
そんな事は御構い無しに少し押し返してやるとコウは勝手にバランスを崩してその場に尻餅をついた。
鎧と床がぶつかり、とても大きな音が店内に響く。
周りにいた者たちの視線がコウと僚也たちに集まった。
「くっ、てめぇ、何を」
「俺は何もしていないんだがねぇ……少し押されて勝手にバランスを崩しただけだろ」
「冒険者風情が!!騎士団を愚弄するか!!!」
逆上したコウは剣に手をかけ、抜刀した。
「あぁ〜あ、抜いちゃったよ。言い逃れは出来ないからな?覚悟しろよ」
「うるせぇ!目にもの見せてやる!!」
そう言って斬りかかるが、俺は全く動かない。
真剣が目の前に迫った瞬間、俺は右手の指2本で降りかかってくる真剣をはさんで止める。
その一瞬の動きに周りはざわつく。
「冒険者のくせに!!」
「何を騒いでおる!!えぇい、やめんか!!」
「……ッ」
僚也が真剣を挟んだあと、これどうしようかと悩んでいるときに
店内に響く大声にコウは身をすくませ、握っていた剣をおとした。
人垣が自然と割れ、一人の男が姿を表す。やはり無駄に豪華な鎧を着込んだ金髪の男は僚也とコウを睨みつけている。
コウは先ほどと打って変わって静かになっている。
そんな空気も無視して俺は「あぁ……初心者用の鎧に盛大に宝石とかで飾っただけのショボイやつか」とどうでもいい感想を口にした。
「誰も入れるなと言っておいたはずだが!!?」
「申し訳ありません、ジマール様」
すかさず頭を下げるコウ。コウの様子から、ジマールがかなり地位の高い人物なのだろうと僚也は予想を立てる。
平伏しているコウを一瞥もすることなくジマールは僚也に近づいてくる。その目は完全に見下した目だ。
俺は寧香と顔を見合わせると、お互い同じことを思っていたのか寧香の表情が雄弁に
うわぁ、めんどくさそう。こういう人、嫌いなんだよねぇ・・・・権力だけ持ってる有害物質
と語っていた。おそらく俺も同じ表情をしているのだろうなぁと思いつつ、徹底的に排除しようと心に決めた。
そんな僚也の心境も知らず、ドスドスという擬音がつきそうな重い足取りでジマールは僚也の前にたった。
「………………」
「?」
「おい!ジマール様を前に名乗りもせずにつっ立っているとは何事か!!」
どうやらジマールがにらみつつ何も言わずに立っていたのは名乗るのをまっていたからだったようだ。
だが、俺たちはこの手の態度はたいそう嫌っており、場合によってはすぐさま切って捨ててしまってもいいと考えていた。
そんなことをお互い熟知しているが為に寧香は目線で注意をしているが、かくいう当人も注意といっても
「名乗れ」ではなく「切ってしまえ」という視線を送っている。
そんな視線のやりとりを平然と行っていることに気付いていない騎士団の方々は顔を真っ赤にして怒っているものもいた。
「……礼儀を知らんやつだな!おい!!お前、名を名乗れ!!!」
「他人の名が知りたければ、まずは自分からじゃないですか?」
「貴様、ジマール様を侮辱するか!おのれ、許せん!!表へ出ろ!!!」
その台詞を聞いた瞬間に、これ幸いと武力行使を軸に排除する計画を即座に組み上げた。
「ほぅ…見たところあなたがたはこの王都の騎士様のようですね…
そのようなお方が見ず知らずの他人に礼はできぬのですか……
それにあなたがたは見ず知らずの他人にいきなり斬りかかってくるような危険な人物なのですね…
騎士様は他人ならば斬りかかっても問題ないと……
自らの方が階級が高いから蛮行も問題ないと…
それがこの王都の騎士なのですね……
なれば、この場でかかってくるがよい!!」
「貴様、このジマールを愚弄するか!!よかろう、皆の者こやつを斬れ!!」
「「「「「「「ハッ。承知」」」」」」」」
「ふん、いいだろう、全員斬っても問題なさそうだ。」
そういって皆が一斉に斬りかかってくる
それを問題なく躱し、避け、見透かしながら二人は呑気に話し始める。
「あぁ……トモ君、殺さないでね?」
「えぇ〜……寧香、殺さないならどうするといい?」
「えっと……全員意識を飛ばすぐらいで…」
「ん、じゃ気絶ぐらいにしとくか。一人2秒でいいね」
「やっぱ、それを平然と言えるトモ君もだけど、それを簡単に信じちゃう私も一般人の枠には当てはまらないよねぇ……」
「寧香は手を出さないでね」
「はぁい。じゃおとなしくしてるよ。トモ君がんばってね〜」
そう言って妖艶な笑みを浮かべる寧香に少々見蕩れつつ、俺と寧香の邪魔をする目の前の騎士団たちを蹴散らして行くことにした。
「さてと、それでは皆さんちょ〜っと痛いかもしれないけど、死なないから安心してねぇ〜」
そう言った矢先、俺は常人では捉えることのできない速度で一人一人頚動脈に手刀を決めて気絶させる。
全部終わらせるのに1分とかからなかったのは言うまでもない。
寧香が「2秒オーバーだよ」と呑気なことを言っているが、これまた普通ではない。
そんな二人を一般人がもしこの場で見ていたなら「二人とも普通じゃないからな‼︎」と突っ込まれていたことだろう。
先ほどの面々が倒れると見えていなかった棚や、商品が知也の目に入る。
一つ一つ丁寧に見るには多すぎる量なのでザッと見て回った感想は
「へぇ……武器や防具は大体そのままだが、アイテムが一部かけているなぁ…」
というものだった。だが、どれも一見すれば良いものに見えてしまうが、よく見るとそこまで上質なものではない。
一部欠けていたり、質が悪かったりとレベルがいくらか落ちている。
それを見た寧香と僚也は呆れて顔を見合わせ、店の経営状態を心配した。
「私たちの頃より繁栄していなさそうだよぉ……」
と寧香が素直に感想を述べているが、ある人物が発した言葉で遮られてしまった。
「朝からブツブツと何を言っているの?」
「「「へ?」」」
唐突に話しかけられ、なんとも気の抜けた返事をしてしまった二人。
声の方向に顔を向けると蒼色の瞳と目が合った。
カウンターの向こうの扉から出てきたのは銀髪蒼眼のエルフの少女だった。
絹のような光沢を持つ銀髪のあいだから尖った耳が見えているので、おそらく間違いないだろう。
容姿の整っている者が多いエルフの例に漏れず、彼女は50人が見れば49人が見惚れてしまうに違いない美少女だった。
身長は僚也よりも低く、160センチくらい。肌は健康的な透き通るほどの白さを保ち、髪は腰まで届き、
全体的にスラッとした体格をしているが、胸だけはしっかりとその存在を主張していた。
見た目は17か18歳といったところ。
そんな容姿のエルフに僚也と寧香は心当たりが一人だけいた。
そんなエルフの少女はそう言いながらこっちに近寄ってきだが、立ち止まって目を丸くしている。
「もしかして、御主人と御嬢でしょうか?」
恐る恐る聞いてくる少女に俺と寧香はこう質問で返した。
「「もしかして、ハイエルフのセレーネ?」」
「はい、私はハイエルフのセレーネです。ということは、やはり御主人と御嬢ですね?」
「「うん」」
こうして3人は再会した
誤字脱字等ありましたら、報告していただけると幸いです。
改定が終わり次第、次話を投稿していきます。




