いつも通りの日常だったはずだったんだ。
「ねむ‥‥‥。」
そう言いながらトボトボと歩く制服姿の男こと、俺だが、ただいま大変なことになっている。
「センセーの説教、たるいな‥…。」
そう、遅刻だ。
遅刻ぐらい誰でもしたことあるだろって?
いやダメだな、なんせ今は正午。寝坊にもほどがある。
適当な理由をつけろって?
キミ、嘘はいかんよ嘘は。と言うわけでスゴイ憂鬱だ。
あぁ、そうこうしているうちに校門についてしまった。
「あぁ、もうなんか全部忘れて寝ていたい‥…。」
その後、たっぷり一時間拘束されてましたよ、生徒指導室に。あの教頭、絶対に許さぬ。月のない夜道に気をつけろよ‥……ククク。
「…………月のない夜道に気をつけろよ‥……ククク。」
「口にでてんぞ、ココ。」
「んぁ、マジか!?」
「クククとか…………フハハハッ!」
「おうおう何だ友人B。クククをバカにするなよ?フハハハよりよっぽどマトモな笑い方だ友人B。まあガキには分からんか。」
「今、今ガキって言った?‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥ユルサナイ、ユルサナイカラ。」
友人Bの顔が般若になっている。俺は旋律で身震いした。そして、俺の腕に友人Bの腕が巻き付く。
「え、ちょ、何してんの?な、なあやめようぜそんなこと。」
「ユルサナイユルサナイユルサナイカラカラカラカラ。
‥‥‥‥‥‥‥‥ユルサナイカラ。」
「ア、アァーーーーー!う、腕はそっちには曲がらな…………や、やめてーーーー!親指はそんな方向には千切れないから、た、助けて友人Aーーー。「ムリ。」そ、そんな、ひどいよ友人A助けアァーーーーー!」
☆☆☆☆☆☆
「酷い目にあった。」
「ボクは別にガキじゃないし、それに背だって今から伸びるし。」
「そうだなミキ。きっともうすぐ成長期がくるぞ。毎日牛乳とプロテインだってのんでるんだろ?」
友人A、優しい。けどその優しさが可哀想だな。友人Bに。
と、そこで仲良く帰宅中の俺たち三人組に声をかけてくる奴がいる。
「あ、竜也だ。おーい竜也。僕と二人で一緒に帰ろうよ。」
「断る。と言うか、お前周りの奴はどうした?」
「今日はみんな用事なんだって。」
「そうか、じゃあ帰ろうココ、ミキ。」
「え、竜也!置いていこうとしないでよ。ね、二人で一緒に帰ろう?」
「残念だけど今日俺はこの二人と一緒に帰る約束をしていたんだ。あきらめてくれ。」
友人A(竜也)とイケメンの会話が続く。
と、突如俺に、いや、俺達とイケメンを浮遊感が襲う。
ハッと下を見た瞬間、下にポッカリ空いた穴に四人が落ちたーーー。
『校長、この子達どうします?』
『そうだねぇ、まさかアイツの暴れた余波が今更こんな場所で起きるとは思わなかったし、アチラとコチラは基本的に繋がりをたってるからね。うん、コチラの孤立した世界に呼ぼう。』
『宜しいので?』
『おいおい、なーにを言ってるんだいキミぃ。元々コッチは世界を追い出されたモノ達のために作られた世界。何の問題もないさ。‥‥‥‥‥‥いや、一つあるな。
彼等の体はコチラの世界と相性が悪いね。
仕方ない、彼等がコチラにいた場合、とした場合の彼等の体を‥………っと、よし、じゃあ頑張れ。お兄さんは応援してるぞ。』
『校長、貴方の姿はおおよそお兄さんには当てはまりません。』
『黙ったほうが良いと思うよ。』
『ハァ……………。』
その声を最後に俺の意識は闇に沈んでいった