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白痴なるもの
その物は線である。その者は点である。そのものは次元である。
そのものは回っている。そのものは自らの端を追い、円を描くように回るが、それが円になることはない。
そのものは次元である。そのものは神である。そのものは神ではない。
そのものはそのものである。そのものはそのものではない。
線だけの次元、1次元に生きるもの。1次元に死ぬもの。そのものはそのものである。
これ以上の説明は私にはできない。いや、本当はこれ以下の説明をしなければならないが、これ以下の説明もできない。『そのものは、そのものである』この言葉ですら、装飾過多だ。
言葉が邪魔だ。言葉を使うとどうしても大げさになっていく。絵なんてなおさらだ。
そのものはそのものである。言葉を使う私に、これ以下の説明はできない。