穴ぼこ神社
イケメン相撲赤ちゃんが こころスープを一気飲みしてたよ まつ毛をちぎって 鼻の穴に埋め込んでいたよ
野口英世の娘みたいな顔のおじさんが トリケラトプスの背中に ドリルで穴を開けていたよ
電車の天井に大きな耳があって すべての音を吸われているよ 無音空間だよ だからパソコンカタカタおじさんの膝をはがして イヤリングにして 耳に投げつけたよ 中耳炎になったよ 膿の滝に打たれて 皮膚が納豆になって…
のどちんこが はまぐりになったよ 足の裏に蟻の巣ができたよ
おっぱいにちくびが3つついている女が のほほんと歩いていたよ
東京に立つビルを 全部スムージーにしたい 溶け合いたい
生後1ヶ月の赤ん坊が 夜の首都高を 三輪車で駆け抜けて 僕はそれを見て すぐさま川魚になって 川になって 眼鏡がうろこになったよ
紫色に光るプラナリアが 流れ星のように 夜空をちぎれ飛んでいたよ
オレンジ舌で 壁を拭いて 壁からオレンジを生やして いちごを投げつけて 闘わせているのだろうか
ヤンキー女を 怖がらせてやろうと思って 自分のほっぺをちぎって鯉に食べさせて ほっぺに空いた穴から黄ばんだ歯を覗かせて ヒューヒュー頬笛を吹いていたよ 泣いていたよ ヤンキーじゃなかったよ 豚だったよ スペインの肥沃な大地で育った イベリコ豚だったよ ジューシーだったよ
茄子味の白髪プリンが 電車を待ちながら死んでいたよ 風下に立つととても臭くて 僕は菊になってしまったよ 天皇に殴られて 蜜をほとばしらせて
訳ありのかつおぶしみたいな 時代遅れのスマホから ありふれた価値観を吸収していたよ 汚れていたよ 背中をヤギにかじられながら 岩手の民謡を歌っていたよ ボサノヴァ調にアレンジして…
宇宙餅に襲われて みかんの束になって 喉仏を奪われて もう 透き通るような声しか出せなくなって
電車の中を そばかすが泳いでいたよ 美白ばばあの顔から抜け出して バタフライしていたよ
髪が鮭ハラスになって シャンプーしたらパサパサになって 夏みかんに食べられて 融合したよ 夏鮭になれたよ
肘の裏が臭うよ キリンジュースみたいな臭いがするよ キリンの心臓を肘に移植したからかな だから指先が黄色いのかな 伸びているのかな
口を開けて寝ている おバカリーマンの口に 板チョコを押し込んだら 耳血を噴き出して 死んだよ
イトーヨーカドーの洗面所で 白菜が手を洗っていたよ
タバコの天ぷらを 内ポケットに詰め込んで いつでも構えられるようにして 油でギトギトの不健康剣道の師範で
ひょうたんから這い出てきたばあさんが 手の甲にできたイボをむしり取っていて 目の表面がボコボコで 白目が沸騰している一方で 黒目はカチコチに凍っていて 混じり合おうとしていたよ 松葉でかき混ぜられてたよ 白チンパンジーによって…
雄モルモットが 自転車を出産していたよ
蕎麦屋が無理をして クリスマスにあやかって 蕎麦に豆電球をつけて 人気が出て 車に轢かれて 死肉を栄養に もみの木が育って ビールをぶっかけられて