君の心は信玄餅で…
あまりにも体が軽すぎて 内臓を落としてしまったのかと思ったよ 落ちてたよ 僕の内臓はペンライトになってたよ 細光りするそれらは 息を吹きかけるだけで縮んで消えて 日曜12時のヤギチャイムが鳴り響いて 気づいたら べっこう飴を耳で舐めていたよ
紫陽花の枝みたいな顔の 喪に服したがりおばさんは 全身が膀胱炎で 両肩にかき氷を乗せていて
親指の爪が 樹皮になっていたよ
英語を勉強しすぎて アルファベットになったよ 毎日変化するよ つなげたら pizza toast になったよ
団子になれなかった米粉みたいな顔の 虹色乳首女が スマホの画面いっぱいに文字を拡大して ルパン三世のタイトルみたいにして 見たこともない広告まみれの小説投稿サイトで ほのぼのエッセイを一文字ずつ読んでいたよ
カビたザクロを頭にかぶった スタートアップトナカイは 優先席にピンクチョコレートを塗りながら 膝に爽健美茶をかけていたよ
レッドブルの缶で 自分の頭を殴りながら 翼を生やそうとしていたよ 翼はレッドブルに生えたよ 缶が飛んでいったよ
おとなが学ぶ みじめな学校では 子供たちが スープカレーの沼に向かって 福神漬けで水切りしているよ
スーモがガリガリに痩せていて 脱毛していたよ首がトイレットペーパーだったよ
マックでバイト中の 靴下を履いた羊が バンズに栗羊羹を挟んでいたよ
エド・はるみが アジフライに襲われていたよ 立てた親指を 生しらすに変えられて とても苦しそうにしていたよ
UFOキャッチャーで 青バナナを取ろうとして 失敗したよ みるみるうちに黄色くなって 中からバリキャリ女が顔を出して 罵倒されたよ
中野ブロードウェイに行ってきたよ 公民館の畳みたいなにおいがしたよ 8割がドラッグストアーだったよ
公園扱いされて 腹の上でサッカーされて お尻に万華鏡を挿入されて 僕はナツメグになったよ 月が輝いていたよ 君が作ったエビ豆腐のように…
イチョウの木の根本から いちじくジュースが涌き出ていて うらやましくて つむじに植えてみたんだ でも僕のつむじじゃあ サンマの絞り汁しか湧かなくて おばあちゃんに相談したら イチョウじゃないよ それはトッポギだよ ってご指摘があって なるほど確かに それはただの白い筒だったよ 仕方ないから穴をあけて ローレライを大音量で吹いて 酸欠になって搬送されることにしたよ
実家に帰ったら 家族がみんな麻生太郎になっていて 全員で手をつないで 輪っかになって 周りをくるくる回られて 僕はコアラに変えられて ユーカリが丘に閉じ込められたんだ
弟が好きだったクリームソーダに漬け込んだ 弟の喉仏は ほろ苦くて 口の中で崩れ去ったよ
優先席のど真ん中に 牛みたいな足をぶらぶらさせながら どかりと座る君は あくびが激しすぎて 顔が裏返っていたよ
ミャンマー料理店に行ってきたよ ダイソーの100円じゃない商品がたくさん飾られていたよ 絆創膏の集団が入ってきたよ みんなリッチな咳をしていて 右膝が心臓になったよ 流し焼きマンボウと 高品質の泥マカロニを食べたよ
頭をパカッと開けて 脳にフレグランスをふりかけて 道行く人に嗅がせていたよ
栃木ヤンキーが 身体中から70本の手を生やして 35人の聴覚障がい者と 手話で会話していたよ
カバの足裏みたいな顔の女子高生が 階段から転げ落ちていたよ
汚いキャバ嬢の風下を歩いていたら 咳が止まらなくなって 微粒子になったよ
どら焼きの皮みたいなほっぺを持つ エクレアヤクザが 塗り絵の サンタさんを黒く塗りつぶして つるつる鼻うがいをしていたよ
ジーパンが破れていたから 救急車を呼んだよ 首都高を アルマジロが転がっていたよ 眼鏡が 大江戸カマキリになったよ 青汁が笑ってたよ トマトにトマトジュースをかけたら 死んだよ 野良犬とホームレスが将棋していたよ ブリトーに眼鏡をかけたら 化石になったよ