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二十一話

毎日三話更新

 私が目を覚ました時にはすでに雨宮さんの姿はなく、呼び出しがあったのだろう。


 茶色い生地に白い麻の葉模様の着物を着て戸を開けると、式神さんが「おはよう」と声をかけてきた。


 式神さんの方は相変わらず重装備の甲冑を装備していた。やはり、大竹と鬼神のことを警戒しているのだろうか。


「おはようございます。大して疲れている感じはしません。寝ている間も実体化していましたか?」


「あぁ、一度も霊体化していない。おっと信太師匠がお呼びだ」


 座席付きの結界乗り物が空から降りてきていた。


 私と式神さんが座ると結界乗り物はひとりでに動き出し、昨日とは違う方向へ動き始めていて、私と式神さんは顔を見合わせた。


「家を迷彩結界で空中に作っているのもそうだが、信太師匠は用心深い人だな。日ごとに自分の家を移動させているのかもしれないな」


「そうかもしれませんけど……疲れないんですかね?」


 安全の確保はされるだろうけど、家の維持や移動に体力を使わないのか疑問だ。


 しばらくして、結界乗り物が停止すると空間がめくれるように戸が開いた。


「やぁ、その様子だと特に疲れる様子もなく、ずっと式神クンを実体化させたまま一日、問題なく過ごせたようだね?」


「はい。でも一つ報告があります。式神さんに剣術の稽古をしてもらった時に、私は気絶してしまったみたいなんですけど、これは何か関係があることでしょうか?」


 式神さんと信太師匠は視線が合いお互いに目配せをしているようだった。


「あぁ、顕明連を三回振ったんだろう? そりゃあ気絶もするさ。それも含めてワタシの宿題だからね」


 信太師匠は説明もしていないのに明確に状況を言い当てて、博識すぎて怖くなってきた。博士になるような人たちは皆そうなのだろうか。今度、雨宮さんに聞いてみよう。


「まぁ、奥に行って座って話し合おうじゃないか」


 信太師匠は結界敷物を三人分、生成すると「よっこらしょ」と声を出しながら腰を掛けた。信太師匠、じじくさいかも。


 まだ慣れない柔らかな結界の敷物に私も腰かけて、私が思っていた宿題に対しての疑問を確認することにした。


「信太師匠は、どうして私に式神を実体化させ続けられるか確認させたのですか?」


「坂田サンのことはわからないことが多い。正体を一つ一つ絞り適正を見極め、正しく成長を促すのが師匠としてのワタシの役目だからね」


 思ったよりも私のことを考えてくれていることが意外だった。失礼だけど。


「キミのことを見た時から目星はついているんだ。もし予想通りだとしたらおそらく他の博士の人たちだと、キミの才能を正しく理解してくれないかもしれないと思ってね。だからワタシがキミを弟子にしたのさ」


 流石に見込みがあって選ばれたのなら納得がいく。


 身の回りの謎についても気になっていたのだから、学びながら明らかにすることができれば儲けものだ。


「それで、今回の宿題では何がわかりましたか?」


「顕明連を振って気絶するのだから膨大な体力で実体化を維持しているわけではないということかな。次の段階に進もう。この札に手のひらを乗せてみてくれるかな?」


 信太師匠は白紙に手形の図が描かれた大きめの札を家の引き出しから取り出した。


 半透明な結界で作られた棚は中に収納してあるものがわかり、利便性が高そうだった。


 私は言われるがままに、札に手を乗せてみた。

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