表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
3/4

3.経験値

これまで数えきれないほど見てきた自分の能力値。

順に上から確認する。

そこにはやはり全ての能力値がオール1と表示されている。

しかし最後にいつもと違う表示があった。


ーーーーー能力値ーーーーー

・力:1

・体力:1

・敏捷:1

・運:1


個人能力「経験値」を獲得出来ます。

獲得しますか?

「はい」

「いいえ」

残り時間:30秒

ーーーーーーーーーーーーー


突然のことに驚いていると、残り時間が刻一刻と減っていく。


「え、あ、え!?」


残り時間が10秒を切った頃に慌てて「はい」を押す。

すると「経験値を獲得しました」の文字とともに、自分の能力値に変化が起きた。


ーーーーー能力値ーーーーー

・力:1

・体力:1

・敏捷:1

・運:1

・経験値:レベル1

ーーーーーーーーーーーーー


「……思わず獲得してしまったけど、これってあれだよな?」


個人能力とは、誰にでも与えられている能力値とは別で、それはある一定の条件と個人の能力、そして運もあるがそれらが上手く噛み合った時に獲得できるもの。

そう授業では習ったが、実際に見たことは当然なかったし、周りに持っている人もいない。


「個人能力って、持っている人はかなりレアって話だったし、そんなもんが何で俺に……?」


しかも経験値って何だ?

経験値が反映されたものが能力値じゃないのか?


「これがあるとやっと能力値が上がるとか?」


それなら個人能力を得てやっと常人レベルってことだ。

普通の人は生きているだけでもある程度能力値は上がるのだから。

それが個人能力を使ってやっと普通の人と同じとは、やはり落ちこぼれということだろう。


「はぁ……こんなの、誰かに言えやしない」


どうせバカにされるだけだ。

そう思うと、せっかく現れた個人能力も全く喜ぶ気になれない。

それどころか、自分の無能さをより際立たせただけだ。


「……でもまぁ、これで俺もやっと普通の人並みには生きていけるわけだ」


そう前向きに捉えると、先ほどまでとは打って変わってかなり未来が明るくなる。

能力値だけでなく個人能力も劣っているが、それでも今までよりは確実に良い。


「よし、明日からも頑張ろう」


そう思うと睡魔が襲ってきて、意識を攫っていこうとする。

俺はそれに逆らわず、そのまま眠りの世界へと落ちていくのだった。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ