序章の序章。
世界観だけ作ったものです。
いつかちゃんと作ります
乾いた靴の音が鳴る。
硬い床が心地よい音を奏でる。
私は大丈夫。きっと。
近づいている。
だんだんと。
また。
止まる。
また。
もう少し。
あと、少しで。
助かる。
部屋のドアが開かれる。
ああ、神よ。
前に来る。
どうか、私に……
止まる。
慈悲を。
駄目だ。
ドアが開く。
金属の子気味良い音が響く。
ゆっくりと繊細に。
ガスマスクやらマガジンやらで着飾る彼、あるいは彼女はゆっくりと私に人差し指を曲げて向けた。
「その鉄の塊から出てくるものは知ってるよ。早くやってくれ……」
奴らさえいなければ……
あゝ、死よ。
私に救いを……
もたらしたまえ。
乾いた音が響いた。
「HAL、対象者の排除を完了。これより帰投する。」
「了解、EVE。」
「待て……生き返ったぞ?おい、聞いてない、こんな……クソ、タイプ・IIIだ。だが何故研究者がこいつに……」
「EVE、そこから早く離れろ!現在対策チーム095部隊をそちらに送っている。早く!」
「分かってるさ!そんなのはさぁ!」
「ア゛ア゛ア゛ア゛ア゛、ア゛ア゛ア゛ア゛ア゛」
「なんだよ、全く……!」
人の形を失った肉塊は悲鳴に近い声を上げて突進を始めた。