第16話 ねこになりたい
さて。
僕のいまいちばん知りたい情報は二つ。
身内の安否と、名古屋近辺で無事だった人達のコミュニティ的なものの存在の有無だ。
前者は電話が繋がらない以上、直接行くしか確認しようがない。
実家は電車・車ともに1時間程度のところだが、電車は動いてない上に車は名古屋に持ってきていない。名古屋生活では電車があれば十分だったからだ。
要するに、歩くには厳しい距離ゆえに、今のところどうしようもない。
後者はそもそもそんなコミュニティが形成されているか不確かだが、山田さんところの札幌みたいに音頭を取る人がいれば最低でも連絡網くらい作ってるかもしれない。
しかしながら、山田さんは名古屋を含む都市部とは連絡が取れないようなことを言っていた。自分の例があるので名古屋では電気も通信も生きている地域があることは間違いないので、期待はできないのかもしれない。
何にせよ、実際体を使って行動するにはまだまだ情報が足りないのだ。
人もいない、電話も駄目となれば、インターネットしか情報収集手段が思い浮かばないのだ。
とりあえずインターネットが生きてるうちは頑張って情報収集し、それに限界を感じるか通信が死んだらラジオとか無線機とかの調達を考えようと思う。
僕は思いつく限りのキーワードで検索し、名古屋近辺の無事だった人の発信を探した。
先程のぞいた某掲示板には「名古屋近辺で無事だった人いる?」というスレッドを自分で立てたが、小一時間経過しても全く反応は無かった。
某SNSでは名古屋近辺在住の友人たちは全く更新していないようで、新着の案内は無し。
逆にこちらから「おーい誰かいる?」って発信してみたが、山田さんが「いいね!」を押してくれた以外には反応が無かった。
数年前に出張組だったこともあり、夜は趣味のギター弾き語りでライブバー巡りやガン〇ムバー巡りもあって日本全国に300人くらいSNS友人が散らばっているにも関わらずだ。
全国的にはもうインターネットが繋がらない地域が多いのか、そもそもSNSなんてやってる状況じゃないのか……考えたくないが、全滅してるか。
外の無人状態を思い返すと、その可能性はあるな。
急に孤独感が襲ってくる。
今更思うが、こんな状況で何故僕だけ無事だったんだろうか。
……いや、茶々丸もだ。
もしかしたら、同居人が揃って無事なケースって結構ウルトラレアなんじゃないのか。
この状況は運が良かったのか悪かったのか……。
僕が倒れて茶々丸が無事ってパターンを思うと身震いするな。
その場合、誰かの助けが期待できない現在において、茶々丸の餓死は決定したも同然だしな。……あれ? これインフルエンザで倒れていた時も思ったな。
その当人に茶々丸と言えば、押し入れのお気に入りの場所で昼寝の真っ最中である。
はあ。
僕も猫になりたい。
結局、空腹を強く感じるまでの3時間。
有益な情報は得られなかった。
作者メモ:現在16:30頃




