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ソロ神官のVRMMO冒険記 ~どこから見ても狂戦士です本当にありがとうございました~  作者: 原初
一章 アヤメ登場編

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サファイア先生の魔法講座

いや、マジですみませんでした。更新が遅れまくりで、本当に申し訳ないです。

ということで、サファイア回が続きます。

「……【アイスジャベリン】」


「グギャァアアアアアアアアアアアアッ!!」


「……【スパイラルアロー】」


「キュゥウウウウウウウウウウウウっ!!」


「………………【フロストストーム】」


「「「「さぁ、覚悟し……ぎゃぁああああああああああああッ!!?」」」」



 凄かった。なんかもう、本当に凄かった。

 サファイアが打ち出す氷や水の魔法が、出てくるモンスターを一瞬で蹴散らしていく。途中で現れたPKと思わしきプレイヤーの集団も、冷気渦巻く暴風に吹き散らされ、前口上を言い切ることなくぶっ飛んでいった。


 これが、このゲーム最強の魔法職の実力。今の俺だと、どうだろうか。……うん、詠唱の短い魔法で牽制されて、中々接近できないところに高威力魔法を叩き込まれて終了、って感じだろう。



「サファイアって、凄かったんだな……」



 思わずそんな言葉が口から洩れた。それを目ざとく聞きつけたサファイアが、こちらを振り返って「ふふん」と得意げな顔で薄い胸をそらした。ドヤ顔がウザ可愛い。

 うん、この様子だと、今朝のご機嫌斜めなサファイアちゃんはどこかに行ってしまったようだ。よかった。


 今、俺とサファイアがいるのは、《イグニスの麓》という名前のフィールド。麓、とついていることからわかるように、近くには結構な高さの山がある。あそこがイグニス山ということなのだろう。

 フィールドは、ところどころ岩肌が覗いている林……といった感じだ。イグニス山は火山のようで、山頂からは煙が出ている。木とかも生えてないし、見た感じは『死の山』って感じ。


 エンカウントするモンスターは、見た目からこいつら絶対岩タイプだろってやつらが多い。サファイアの水魔法はこうかがばつぐんだ。

 まぁ、その冗談は置いといて。全体的に俺と相性のよさそうなフィールドだった。岩石の装甲を持っていたり、そもそも体が岩でできていたりするモンスターたちは、斬撃なんかは効果が薄そうだけど、打撃はよく通りそうだ。


 出てくるモンスターはほとんど……というか、全部サファイアがぶっ倒してるのでかなり暇である。歩きながら景色を楽しむくらいに暇である。



「ところでサファイア。俺たちはどこへ向かっているんだ?」


「ん、もうちょっとでつく」



 サファイアがそう言ってから五分ほどで、目的地に到着した。


 そこは、まさに断崖絶壁。全てを拒むような岩の大壁を、俺は呆然と見つめていた。俺たちが立っている場所から、深い崖を挟んだ先にあるのは、ごつごつとした岩肌を晒す壁。そのてっぺんは目算で50メートルほど上にある。崖の幅は20メートル弱ってところだ。崖には草木一本生えておらず、ところどころに洞穴のようなものが見える。



「これは……凄いな。なんか、圧倒される」


「ん。わたしも最初に見た時はそうだった」


「サファイアはこんなところでいつも魔法の練習をしてるのか?」


「そう。……じゃあ、攻撃魔法のこと、教えるね?」


「ああ、よろしく頼む」



 サファイアはそう言うと、断崖絶壁の方に向き直る。そして、どこからか取り出した、青色の宝玉が付いた長杖を取り出し、構える。



「攻撃魔法。発動方法はほかの魔法と一緒。違うのは、待機時間の時にいろいろと決めることがあるところ」



 そう、落ち着いた声で話し始めたサファイアの体から、蒼と白の燐光が立ち昇り始める。



「まずはエイミング……照準を付ける。単体狙いの魔法の場合は、視界にマーカーが表れるから、それを命中させたいところに合わせる。マーカーは視界に連動して動く。このマーカー操作は詠唱時間キャストタイムの間に『照準』って強く意識すると出てくる。それ以外はオート」



 サファイアは手にもった長杖の先を岩壁に向けた。杖の先の延長線上には、岩壁から突き出るようにして映えている大岩がある。



「照準を合わせたら、次は射程の確認。魔法の種類によって射程は変わるから。【ファイアーボール】と【ファイアーアロー】なら、【ファイアーアロー】の方が射程が長い……みたいな。射程を見誤ると、せっかく発動させた魔法が無駄になる」



 説明を続ける中、サファイアの体から立ち昇った燐光が、突き出した長杖の先に集まり、そこに魔法陣を形成し始める。



「そして威力。魔法にはそれぞれ最低威力が設定されている。詳細検索で見れるのがそれ。何もせずに魔法を発動したときは最低威力で魔法が放たれる。この時に消費MPを増やすことで魔法の威力を上げることができる。『魔法暴走』って呼ばれる技術。MPを注ぎ込む感覚が難しくてできない人もいる。けど、『魔法暴走』させた魔法は再詠唱時間リキャストタイムが伸びるから、考えて使わないといけない」



 珍しい長文セリフをよどみなく口に出すサファイア。そうしている間にも長杖の先に展開された魔法陣はその規模と複雑さを増していく。



「あとは……、魔法の発動方法。大抵の魔法は詠唱時間キャストタイムがあるだけだけど、中には本当に詠唱しないといけない魔法がある。大抵は上位スキルか特殊なスキルで覚える魔法。あと、詠唱時間キャストタイムを待った後に詠唱して発動する魔法もある。最後のやつが一番強力だけど、再詠唱時間リキャストタイムがすごく長い。あとあと、特定の称号がないと使えなかったり、特殊な装備がないと使えなかったりする魔法もある」



 ということは、《信仰の剣》、《信仰の盾》で覚えた二つの魔法は特殊な部類に入るのか……。と、感心しているうちに、サファイアが展開している、激しく輝く魔法陣の光が落ち着く。



「そういえば、さっきから出してるその魔法陣は、いったい何なんだ?」


「ん。これが詠唱時間キャストタイムと詠唱の両方が発動条件となる魔法。そして」



 そこで言葉を切り、崖の方に向けていた視線を唐突に俺の方に向けたサファイア。その口元には、悪戯っぽい笑みが刻まれており……。



「わたしの、最強魔法」


「最強……魔法?」





「ん。見せてあげる。このゲームの、魔法の頂点」





 淡々と、しかし確かな熱をもって放たれた言葉は、自信と自負に溢れていた。


 今、俺の目の前にいるのは、めんどくさがり屋でいつも俺にべったりな蒼ではない。この世界の魔法という分野の天上に坐する蒼き魔法使い、サファイア。


 蒼玉の長杖を構え、濃紺のローブと蒼海の長髪を魔力に揺らし、名前どおりの瞳をスッと細めるその姿を前にして、俺はただただ圧倒されていた。



「『我が求めに応じ力を振るえ白銀の乙女。絶対零度の冷気を纏い、世界を白で染め上げろ。灼熱の焔すら凍結させるその力を今ここに』」



 紡がれる詠唱。言の葉が一つ世界に落とされるたびに魔法陣は震え、その形を変えていく。まるで氷の結晶のような紋章を浮かび上がらせる蒼白い魔法陣は、再度輝きを灯し、ゆっくりと回転を始める。



「『我が命はただ一つ、永遠の停止。それを成すは戦乙女の槍』」



 回転しながら魔法陣は円形から帯状にその姿を変え、螺旋を描き長杖に絡みつく。


 そして、サファイアの口から最後の引き金(トリガー)が引かれた。



「【アウロラの投槍】」



 最後の鍵言。長杖の先に絡みついた魔法陣は、蒼白に輝く燐光を纏ながら一筋の閃光となって岩の大壁へ突き刺さる。

 蒼の閃光が突き刺さった場所を中心に、水晶のように透き通った氷が岩壁の侵蝕する。氷の侵蝕はどんどん広がっていき、やがて視界のすべてが氷に覆われた。

 気温がぐっと下がったせいか、白い靄が発生している。肌に感じる空気もひんやりとしてきた。

 


「……【消滅せよ(ディストラクション)】」



 サファイアがそうつぶやくと、視界一面を覆う氷がどんどんひび割れていく。ピキッピキッと音を立てながら、罅は全面に広がり……。



 パリンッ。



 そんな軽い音とともに、岩壁を覆っていた氷はキラキラと光を反射する小さな欠片となって宙に散った。

 舞い散った氷の破片のせいで、岩壁が見えなくなる。目が眩むような光景がしばしの間続き、やがて氷の破片が重力に従い谷底へと落ちてゆく。


 

「………………は?」



 唖然。


 あらわになった岩壁を見た俺は、間抜けにもほどがある声を出し、目を丸くした。


 いや、そんな反応を晒してしまっても仕方がないだろ。こんなの……。だって、さっきまでそこにあったはずの岩壁が……。



「き、消えてるぅ……?」



 いや、正確には抉れているといったほうがいいだろう。サファイアの魔法によって凍結されていた範囲の岩壁が、そこだけ巨大なスプーンか何かで掬い取ったかのように消えているのだから。



「リューにぃ、驚いた?」


「あ、ああ……。いや、マジでビックリしたぞ……。というか、こんな風に崖がぶっ壊れても大丈夫なのか? 今にも上部分が崩れてきそうで怖いんだが」


「そこは大丈夫。明日になれば直ってるから」


「……そういうところはしっかりとゲームしてるんだよな……」



 俺が呆れたと疲労が半分ずつくらい含まれたため息を吐いていると、てくてく近づいてきたサファイアが、俺の前で何かを期待するような視線を向けてくる。

 まぁ、長年の付き合いから、サファイアがなにを求めてきているのかはすぐにわかる。一応周りに他のプレイヤーがいないことを確認してっと……うん、大丈夫そうだな。というわけで……。



「ん……」



 ポン、とサファイアの頭に手を乗せ、優しく撫でる。くすぐったそうに目を細めるサファイアが小さく吐息を漏らした。

 昔から、サファイアを褒めたりする時はこうやって頭を撫でていた。それが高校生になった今でも続いているというわけだ。いい歳こいて何をしているんだと自分にツッコみたいのだが、求められると断ることができないんだよなぁ。



「凄かったぞ、サファイア」


「んっ!」



 俺が賞賛を素直な言葉と笑顔によって伝えると、サファイアは滅多に見せない花開くような満面の笑みを浮かべるのだった。



 

普通の攻撃魔法→MP消費を増やすと威力と再詠唱時間が増える。最低威力とMPの最低消費量は決まっている。規模や射程などは変えられない。

【ソードオブフェイス】、【シールドオブフェイス】→MP消費は自由。威力射程規模維持と自由に設定できる。けど、設定をいじればいじるほど詠唱終了から発動までの時間が延び、MP消費も増える。再詠唱時間は一定。


要するに、ゲートオブバ〇ロンするのは結構大変ってこと。ロー・アイ〇スはそこまででもないけど。



サファイアの使った魔法、【アウロラの投槍】について。

水魔法派生氷魔法上位魔法《氷精魔法》の上位魔法。蒼の閃光が命中したところを中心に凍結させ、合図で凍結した中身ごと氷を粉々にするという魔法。結〇師の「結、滅!」みたいな感じ(説明が分かりにくくてすみません)。称号【蒼氷の魔女】により解放された偽神魔法(神の名を騙ることでその効力を引き上げた魔法)。アウロラとはローマ神話の曙の女神。「氷関係ねぇじゃん」と思うかもしれないが、この女神さまの名前はオーロラの語源。そこからオーロラ=超寒いところで見れる=ということはアウロラも間接的ではあるが氷に関係してんじゃね?という私の雑理論によってやり玉に挙がってしまった。ローマ神話が大好き、という方々は不快な思いをさせてしまうかも。本当にごめんなさい。



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― 新着の感想 ―
[良い点] ソードオブフェイスやシールドオブフェイスを 誰でも分かるように説明して下さりありがとうございます!(´▽`)!!!!
[一言] 子守(笑)
[一言] ゲートオブ〇ビロンw ローア〇アスww 〇界師ww 思ったけどw思ったけれどもw それはないぜ作者さんw
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