表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
ソロ神官のVRMMO冒険記 ~どこから見ても狂戦士です本当にありがとうございました~  作者: 原初
四章 初イベントと夏休みの終わり編

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

229/250

リバイブ・オブ・ディスピア 決戦1

遅くなりました!

さて、ラストバトル開始です! 

「「「「「「うぉおおおおおおおおおおお!」」」」」


 号砲、絶叫、雄叫び。

 土埃を巻き上げ、靴音を高らかに鳴らしながら、闘志を漲らせたプレイヤーたちが、アンデッドで構成された軍団に向かっていく。

 それを迎え撃つは、不気味で恐ろしい死霊たち。瘴気をまき散らしながらプレイヤー軍へと襲い掛かった。

 両軍が、激突した。

 

「はぁッ!!」


 剣士が裂帛の気合と共に叩き込んだ斬撃が、ゾンビを両断する。


「喰らえッ、【フレイムアロー】!」


 魔法使いの放った炎の矢が、浮遊するレイスを貫き消滅させる。


「おらぁ! 効かねぇぜ!」


 騎士が突進してきたスケルトンファイターを大楯で受け止める。


「【ヒール】、【エリアヒール】! 回復は任せて。皆ダメージ気にせず突っ込んじゃえ!」


 僧侶が癒しの魔法で傷ついた仲間を回復し、激励を飛ばした。

 リューの演説のおかげか、プレイヤー軍の士気は高い状態で保たれていた。

 スケルトンやゾンビといった下級モンスターを蹴散らすような勢いで打倒し、デュラハンやナイトメアといった単独(ソロ)での対処が難しいモンスターは複数人で対処する。

 前衛、後衛、遊撃と、自分に割り振られた役目をしっかりとこなしていく様子は、まるで一匹の生き物のよう。全員の意識が同じ方に向いているからこそできた芸当だった。

 しかし、死霊軍もただ倒されていくだけの木偶ではない。


「ぐっ……! こいつら、数が多いッ!」

「囲まれないように注意しとけよ! 孤立すると袋叩きだぞ!」

「んなこと言われても……うぉおおお!? やべぇ!?」


 死霊軍の脅威は、まず何よりその数だ。

 スケルトンやゾンビといった下級のアンデッドは、とにかく数が多い。無限に湧き出てきているのでは? と嫌な想像が浮かぶくらいに多かった。

 そして、その数の多さを活かした物量戦術は、厄介の一言に尽きる。一体倒してもすぐさま次が襲い掛かってくるのは精神的に辛いし、目の前に集中させられる事で連携が分断される。もっと単純に、囲まれてしまえばいかにステータス的に勝っていようと、大きなダメージを覚悟しなくてはならない。

 さらに、


「うぅうう! いやぁあああああああ!!? こないでぇええええええええ!?」

「うおっ、おい! 落ち着けぇ!」

「ぎゃぁああああああああ! ゾンビぃいいいいいいいい!?」

「ホントに落ち着け……って、あぶねぇ!?」


 目に涙を浮かべ、恐怖で顔をひきつらせた一人のプレイヤーが、滅茶苦茶に武器を振り回す。それが周りにいた別のプレイヤーに命中しそうになるが、間一髪そのプレイヤーが回避に成功したおかげで大事には至らなかった。

 死霊軍の脅威その二。見た目が怖い。

 スケルトンは動く骨格標本。動くはずのない骨の集合体が、カタカタとしゃれこうべを鳴らしながら襲い掛かってくる。

 ゾンビは腐乱死体。ぐじゅぐじゅになった肉は、どす黒い赤と黄色の液体でてらてらと濡れており、崩れた場所からは白いモノがちらりと見えている。なんて嬉しくないチラリズム。ポロリ(目玉)もあるが、アンラッキーでしかない。

 レイスは浮遊霊。半透明で足の無い人間が宙に浮かび、青白い顔は悲しみや憤怒で元の造形が分からないほど歪んでいる。時折漏らす声も、聞いているだけで背筋が凍りそうなほど不気味なものだった。

 画面越しにやるゲームなら大丈夫でも、こうもリアルに迫ってこられると、お化けの類が平気な者でも辛いモノがある。苦手な者なら一時的狂気に陥ってしまうくらいはするだろう。

 物量によるごり押しと、ビジュアルでの精神ダメージ。いやらしい、と評したくなる。

 だが、死霊軍の恐ろしさはそれだけではなかった。


「ガァァア……!」

「うわぁあああああ!?」

「また一人やられた!? くそっ、このデカ物が!」


 三メートルはあろうかという棍棒を振り回すのは、全長が五メートルを超えるジャイアントゾンビ。スピードはなくとも、一撃の威力は絶大。スケルトンやゾンビに群がられていると回避も難しく、『ミンチよりひでぇや』となるプレイヤーもいる。


「グルゥ! ガゥっ!!」

「くそっ、すばしっこい!」

「攻撃が、当たらねぇ!」


 俊敏な動きでプレイヤーたちを翻弄するのは、上位アンデッドであるグール。獣のような挙動で動き回るため、近接攻撃は疎か魔法攻撃すら命中を困難にしていた。


「…………!」

「だぁ!? 上から魔法撃ってくんのずりーぞ! 降りて来いよオラァ―!」

「…………」

「無視してんじゃねッ!? どわぁーーー!?」


 悠々と空を飛び、上空から魔法を雨のように降らせるリッチ。やはり制空権を握っているのが強かった。さらには攻撃魔法だけでなく、弱体化魔法や状態異常系魔法も使用してくるため、厄介極まりない。


「グルゥアァアアアアアアアアアアアッ!!」

「ぎゃー!」

「お助けー!?」

「アレは無理だろ流石にぃいい!!?」


 説明不要の強さ。とりあえず対峙した瞬間に死を覚悟する暴君、ドラゴンゾンビ。圧倒的なステータスと巨体、瘴気ブレスといった強力無比な能力の数々。果敢に挑む者もいるが、現状まるで敵っていない。

 一進一退の攻防。しかし、やはり数の力は大きいのか、次第に戦況は死霊軍へと傾いてくる。

 『戦いは数』。その言葉の真意をプレイヤー軍が痛いほど味わっていたその時。

 彼らの希望が現れる。


 ヒュー、ドォーーンッ!!


 風切り音の後に、爆音が鳴り響く。

 それは、プレイヤー軍の後方から飛来した砲弾が、ジャイアントゾンビに命中した音。

 閃光と衝撃をまき散らした砲弾は、ジャイアントゾンビの頭部と上半身の半分を吹き飛ばし、粒子に変換した。


「はーっはっは! どうだ! 【クラフト】特製の特殊爆弾の威力は!」

「うるさいですよ、ギルマス」

「はーっはっはっは! さぁ野郎ども、もっとだ、もっと撃ちまくれッ!!」

「……はぁ。聞いてませんね、コイツ」


 砲撃は、防壁の上から放たれたモノだった。ずらりと並ぶ大砲の列。その中央では、【クラフト】のギルドマスター、ガンダールヴが高笑いをしており、その横でファイストがため息を吐いていた。

 さらに、

 

「――【ディバインスラッシュ】!」


 一刀両断。

 神聖なる光を纏った斬撃が、驚くほど精密にグールへと襲い掛かり、頭頂部から股にかけて一直線に斬り裂いた。思わず見惚れてしまいそうな一撃に、周りのプレイヤーの動きが一瞬停止する。

 それを成したのは、白銀の鎧に身を包んだ【ワールドフロンティア】のギルドマスター、レイ。その後に続いて、彼の仲間たちも戦場に参戦する。

 さらに、


「――――ふん、魔法でこのオレに挑むなど、愚かが過ぎる」


 尊大なセリフと共に、無数の魔法が空に向かって放たれる。

 炎弾の群れ、真空刃、雷撃の槍、土くれの砲弾、光の剣、闇の渦。多種多様な魔法は嵐のようにリッチの群れを飲み込んだ。

 無詠唱(ノータイム)で放たれたそれは、【ソロモン】のギルドマスター、マギステルの絶技。『魔導帝』たる彼の力の一端だった。

 さらに、


「おらぁああ! 【ソル・レイ】!」


 閃光がドラゴンゾンビの胴体をを貫き、


「いくっすよ、【フレイムガトリング】!」


 小さな赤い弾丸が、ドラゴンゾンビの翼をボロボロにし、


「……【フロストプリズン】」


 極寒の冷気が、その巨体を氷漬けにした。

 息もつかせぬ連撃に、成す術もなく討たれたドラゴンゾンビ。そのあまりに鮮やかな一連の出来事に、ドラゴンゾンビから逃げ回っていたプレイヤーたちは皆一斉にポカーンとした表情を浮かべた。

 そんな彼らを、優しい光が包み込む。それが回復魔法の光であることに、気付いたプレイヤーたちが後方を振り返れば、【ヴァルハラ】のギルドマスター、アテネが親衛隊に囲まれながら笑顔で手を振っていた。


「おーおー、のっけからクライマックスすぎねぇか?」

「まぁ、楽しいからいいんじゃないっすか?」

「ん、マオの言う通り。弱すぎてもつまらない」


 片手を庇のようにして死霊軍を眺めるアポロ、カラカラと笑うマオ、マオの言葉に頷いて見せるサファイア。

 その後ろに、【フラグメント】の面々が並び揃う。


「さぁて……【フラグメント】総員、行くぞぉ!!」

「「「「「了解!」」」」」


 アポロの言葉を皮切りに、行動を開始する【フラグメント】。

 トップギルドの参戦に、プレイヤー軍から歓声が上がった。

さぁ、発売まであと一週間。頑張って連続更新するぞー!


感想、評価、ブックマ、誤字報告をしてくださる方々、本当にありがとうございます!

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ