リバイヴ・オブ・ディスピア 視察
更新遅れてごめんなさい。
あと、今回の話はかなり短いです。
いやもう、マジでごめん。ペルソナ3にドはまりして劇場版ずっとループしてた。
アウラたちによる、アザミナへのお仕置き(なんて可愛いものじゃないが)が行われていることなど露とも知らず、リューはイーリスと一緒にお昼ご飯を執務室で食べていた。メニューは、リューがラザニアでイーリスがお子様ランチ。両方ともアッシュの作ったものである。
「はむはむ……。美味いな……アッシュの上達速度がすさまじい」
「むぐむぐ……。んー! このランチプレートも絶品です! アッシュ様はとてもすごい料理人なのですね!」
ソファーに並んで座った二人は、出された料理を絶賛する。リューはアッシュの成長速度の著しさに素直な感心を示し、イーリスは純粋に美味しい料理に顔を綻ばせている。
ちなみにだが、イーリスにはお子様ランチのことはランチプレートと偽って伝えている。そのままの名称を伝えると、またもやふくれっ面を披露しそうだったからだ。
ただ名前をいくら変えても、アメリカの国旗の旗が刺さったバターライスに、コーン入りのナポリタン。ポテトサラダにハンバーグ、さらにはプリン付きという完璧なお子様ランチを嬉しそうに食べている時点でイーリスはやはり……いや、これ以上は何も言わないでおこう。
食事をしながら、リューはイーリスに話しかける。
「イーリス様、午後はどうしますか?」
「そうですね……儀式の時間短縮のためにも、《神聖魔法》の訓練でもいいのですが……」
イーリスはそういうが、リューの目にはあまり乗り気でないように見えた。
「何かやりたいことがあるなら、付き合いますよ? 俺は一行に構いません」
イーリスの内心を察したリューが、笑顔でそう告げる。その言葉に、イーリスは安心したような笑みを浮かべた。
「ありがとうございます。それでなんですけど……私、視察と言いますか、頑張っている異邦人の皆さまに、お礼を言いに行きたいんです。本当なら聖女である私が、皆さまをお守りしなければならないというのに、皆さまが私を守ってくれています。そのことに対して、一度きちんとお礼がしたいのです」
「ふむ……」
イーリスの言葉を聞き、リューはなるほど、と口元に手を当てた。
それを見てイーリスは、自分の提案がダメと思われたのではないかと、不安そうに瞳を潤ませた。
「だめ……ですか?」
「ああ、いえ。だめとかそういうわけではなく。ただ、イーリス様らしい優しい意見だなと思っただけですよ」
イーリスのそんな不安は、リューの穏やかな笑みと、自然に口に出された賛辞によって空の彼方へと吹き飛んでいった。残ったのは、とても機嫌のよさそうなイーリスだけである。
「えへへ、ありがとうございます。そう言って貰えると、嬉しいです」
「イーリス様に喜んでもらえて、俺も嬉しいですよ。視察は普段からよくするんですか?」
「そうですね……孤児院に行って子供たちと交流したり、各町の教会に赴いて説法をしたり、冒険者ギルドに行って治療を行ったり……まぁ、そんな感じです」
「へぇ……それは、聖女としての仕事の一環なんですか?」
「いいえ、私がやりたいからやっているだけですよ。司祭様なんかはよく、『聖女様がそのような些事をなさる必要はありません!』って言ってます。まぁ、教会の人にワガママを言っていますし……しょうがないですよね」
その司祭様とやらの声真似のつもりか、セリフの部分の声を低くしていうイーリス。おどけた行為だが、笑顔の表情からは、一抹の寂しさと、自分を卑下するような雰囲気が感じられた。
聖女の仕事は多忙であり、やらなくてはいけないことは山ほどある。さらに、義務ではなくとも教会としてやって欲しいこととなると、その数倍どころの騒ぎではない。
それでも、イーリスは忙しい合間を縫って視察を続けている。
聖女は神の代行者として人々を救う存在。なら、ただ教会にこもっているだけでなく、自ら救いをもたらすために他所に赴かなくてはならないと考えている彼女にとって、人々との交流は聖女としての責務と同じくらい大事なモノなのだ。
しかし、彼女がそう思っていても、それを理解してくれるものが彼女の周りにはいなかった。周りは、イーリスのやっていることを無駄とまでは言わないが、あまり意味のないモノだと思い、イーリスへ苦言を呈している。
そんな周りの態度を受け続けたイーリスは、いつしか自分の行為を大切と思いつつも、どこか卑屈に捉えようになっていた。
だが、ここにいるのはイーリスのことを『聖女』ではなく、ただ『イーリス』として見ている存在。そんな彼が、寂しさを見せた彼女を放っておくわけがなかった。
「しょうがない……か。俺は、そうは思いませんけどね。イーリス様がしていることは、些事なんかじゃない」
「でも……私はそう言われて……」
「他人に言われたことなんて、気にしなくてもいい……といったところで、納得しないでしょうから、実際に行ってみましょうか、視察に」
「ふぇ?」
リューはそう言うと、もう少ししか残っていなかったラザニアを掻っ込み、ごちそうさまと手を合わせてから立ち上がった。
そして、あっけにとられているイーリスに悪戯っぽく微笑みかけると、彼女に向かって手を差し伸べた。
「イーリス様がしたいことに付き合うと言ったでしょう? それに、実際に行ってみればわかると思いますよ。イーリス様がしていることが、些事なんかじゃないってことが」
二日目後半戦! 神官は聖女様の好感度をどこまで上げるのか!? こうご期待!
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