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ソロ神官のVRMMO冒険記 ~どこから見ても狂戦士です本当にありがとうございました~  作者: 原初
序章 FEO開始編

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20/250

さぁ、将軍様にカチコミましょう

ごめんなさい。めっちゃ遅れました……。


あ、総合評価10000超えましたー。

 本日の昼食。野菜と卵のサンドイッチ。

 「時間をかけずに食べれるものがいい」という太陽の要望に応えた結果、このメニューとなった。いささか手抜き感があるが、調理時間と洗い物の時間が短く済んだので良しとしよう。

 ちなみに、太陽と蒼がゲームにかまけていて昼食の時間に遅れた場合、夕食が水道水だけになるというペナルティが発生する。今日は二人ともキレイに時間通りに食卓に座っていたからな。この調子で生活習慣の改善をしてもらいたいものだ。


 昼食後、食後の休憩を少し取った後、FEOに再ログイン。

 なんだかんだ言って、俺もこのゲームを気に入っているようだ。こうして時間が空くと、ついついFEOのことを考えてしまう。

 そんな自分に苦笑しつつ、安全地帯セーフティエリアから出て『乾燥した荒野』を歩く。時折エンカウントするブラックウルフやゴブリンをメイスの一振りで粉砕しつつ、軽やかな足取りで進んでいく。今の俺は、少し機嫌がいい。


 前回ログアウトする前に、乱獲したゴブリンとホブゴブのドロップアイテムを確認したところ、シルさんの依頼に必要なアイテム、[ホブゴブリンの血液]がしっかりと入手できていたのだ。必要数の五つを超え、合計七つもあった。

 それに、レベルも10まで上がっていた。スキルレベルの方も順調に育っているようだ。順調順調♪


 とりあえず、SPの割り振りだけしておこう。メニューを開いて……ぽちぽち。よし、できた。


 で、こんな感じになった。






================================

 PN:リュー

 RACE:人族

 JOB:神官

 SJOB:闘士

 Lv10(4UP)

 HP 340(140UP)/340(140UP)

 MP 640(90UP)/640(90UP)

 STR 55(5UP)

 DEF 25(10UP)

 INT 15

 MIND 55(5UP)

 AGI 10

 DEX 10

 LUK 20

 SP 0

 SKILL:《治癒魔法Lv8(6UP)》《付与魔法Lv10(6UP)》《メイス使いLv16(9UP)》《格闘Lv5(4UP)》《強力Lv7(6UP)》《強心Lv4(3UP)》《強身Lv5(4UP)》

 TITLE:


 装備

 武器右:初心者メイス

 武器左:鉄のメイス STR+5

 頭:なし

 上半身:新米神官服(上)

 下半身:新米神官服(下)

 腕:なし

 足:ただの革靴

 アクセサリー:なし

================================






 とりあえず、ステ振りは今まで通り、物理火力を上げつつ、死ににくくするために防御力を上げる方向で。

 今のところ、これと言って困ったところはない。STR、DEF、MINDのほかに上げるとしたら……。AGIかな? 行動速度が上昇すれば、殲滅速度も自然と……って、元から回避なんて考えてないから、どっちでもいいか。どうしても必要になったら、その時に上げればいい。


 スキルの育ち具合も上々だ。やはり、使用頻度が最も高い《メイス使い》が、一番成長が早い。《格闘》スキルのレベル上げを重点的に行ってもいいが……。ま、それは追々だな。

 そういえば、太陽に詳細表示ってやつを教わったっけ? スキルの詳細情報を見てっと。……あ、使える魔法が増えてる。それに、武技? ってやつも使えるみたいだな。


 《付与魔法》で新しく覚えた魔法が、【インテリジェンスエンハンス】、【マインドエンハンス】、【アジリティエンハンス】。それぞれ、INT、MIND、AGIを強化する魔法だ。

 そして、《メイス使い》で覚えた武技、【パワークラッシュ】。単純に攻撃の威力が上昇するだけらしいが、シンプルな分かなり使い勝手がよさそうだ。MP消費が結構多いのが難点かな?

 


 さて、ステ振りも終わったことですし、本日の本来の目的に戻りましょうか。


 本日の目的。それは、クエストクリアに必要なアイテムの、最後の一つ。[ジェネラルゴブリンの血液]を手に入れること。

 この『乾燥した荒野』のボスモンスターからドロップするアイテム。手に入れるにはもちろん、そいつを倒さなくてはいけない。


 ボスモンスターというぐらいなのだから、それは強いんだろう。負ける気はこれっぽっちもないが、今までのように簡単にいくとは思えない。

 だが、ゲームというものは、難しければ難しいほど面白いと俺は思う。

 絶対にクリアできるとわかっていてやるゲームも、爽快感を得られるという意味では良いのかもしれない。

 でも、それ以上に、ぎりぎりで手に入れた勝利や、困難を打ち破った時の達成感は、何物にも代えがたい快楽だろう。

 ゴブリンジェネラルをこの手で屠る瞬間を思い描くと、自然と口元に笑みが浮かんでくる。


 くくっ。さぁ、ゴブリンジェネラル。待っててくれよ?

 


 お前を殺すために、今、俺が行くから。
















「グゥワァアアアアアアアアアアアッ!!!」


 

 響き渡るのは、鬼の咆哮。放たれた大音響の音波は、聴覚にダメージを与えるだけでなく、敵対者にスタン状態を発生させる効果を持つ。

 俺のようにMINDの数値が高いと、普通に抵抗レジストできるので、うるさいのを気にしなければ大した脅威ではない。


 正面からの音波をぶち破るように疾走を開始。ゴブリンジェネラルとの距離を詰め、メイスでの殴打を叩き込む。

 斜めから振り下ろした殴打は、ゴブリンジェネラルが持つ大剣に防がれてしまう。もう片方のメイスを振るうも、それはバックステップで避けられてしまった。

 相手の反撃は、大剣の切っ先をこちらに向けた状態での突進。それを大剣の腹にメイスを叩き込むことでそらし、相手の足元に向けて廻し蹴りを叩き込む。


 

「グギャァッ!?」



 突進の勢いをそのままに、俺の繰り出した蹴りにバランスを崩すゴブリンジェネラル。ここでぶっ倒れてくれれば楽なのだが、こいつはそこまで甘くない。

 ゴブリンジェネラルは、自らを振り回すように大剣を横薙ぎに振るった。威力はこもっていないが、体勢を立て直すのと攻撃を並行してくるとは……。


 横薙ぎをメイスの柄で無理やりはじき、一旦後退する。ゴブリンジェネラルの方も、大剣を構えたまま、油断なくこちらを見据えていた。


 ゴブリンジェネラル――長いからゴブ将軍でいいや――と視線を交差させ、俺は唇の端を二ィと釣り上げた。


 さすがはボスモンスター……。ホブゴブなんて目じゃないくらいに強い!


 まず、でかい。二メートル半くらいの身長は、それだけで威圧感が半端じゃない。デカいだけじゃなくて、身に纏っている筋肉の鎧が分厚いのだ。

 装備は、刃渡りが百五十センチほどもありそうな大剣。それを、まるで棒切れのごとく振るってくるのだから、恐ろしいったらありゃしない。鎖帷子のような防具を身に着けているので、防御面の性能も向上しているだろう。

 何より、こちらを睨みつける眼光の強さ。結膜までが赤く染まる目は、何よりも明らかに「殺す」と語っている。


 攻撃は、苛烈にて強烈。一撃一撃が重く、速い。メイスをぶつけても普通に俺のHPにダメージが入るくらいだ。おかげで、《治療魔法》のレベル上げがはかどるはかどる。唯一の救いは、防御にあまり積極的ではないことかな?


 今まで戦ってきたモンスターとは、あらゆる面で一線を画す。初心者ステージのボスにしてはやりすぎなんじゃないかと思うほどの―――強者の風格。


 簡単には倒せない。持てるものをフル活用しないと勝つことはできない。



 …………だからこそ。


 だからこそ、面白いッ! 



 俺は隠しきれない喜悦を表情ににじませ、ゴブ将軍に向けて殴りかかった。

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