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ソロ神官のVRMMO冒険記 ~どこから見ても狂戦士です本当にありがとうございました~  作者: 原初
四章 初イベントと夏休みの終わり編

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討伐! オークキング! あるいは新章のプロローグ

というわけで、夏休み後半編&初イベント編の開始です。


なんか最近ラブコメってるのが続いたんで、今回はガチバトルで。

「ブォオオオオオオオオオオオオオオオオオッ!!」



 轟くような鳴き声が大気を震わせ、ビリビリとした威圧感を放つ。


 それは、王者の咆哮。豚頭鬼オークの支配種族たる豚頭鬼王オークキングが放つ怒りの咆哮だった。



「くくっ、随分とお怒りだな、デカ豚!」



 オークキングの怒りの炎に、油を投げ入れるような挑発的なセリフを口にするのは、紅きメイスと魔法で作り出した大剣という異色の二刀流で取り巻きのオークを血祭に上げている改造神官服姿の少年。

 口元に好戦的な笑みを浮かべながらオークの豚面をメイスで粉砕し、大剣を脳天に突き刺す。十体以上のオークに囲まれながらも笑みを絶やさず、ダンスを踊るように武器を振り回すのは、神官の常識に真っ向から喧嘩を売る神官(笑)であるリューだ。


 リューが行っているのは、冒険者ギルドで受けたBランクへランクアップするためのクエスト、『オークキングの討伐』。

 あの夜から一週間。途中でFEOのアップデートなども挟みながらも、リューは冒険者ギルドでのクエストを精力的に行い、ランクを順調に上げていた。

 『大樹の草原』で受けることのできる討伐系クエストを一日にいくつも受け、それを見事にクリアしていくリューの姿は、カトルヴィレのギルドでは注目を集めていた。最初はリューへ厳しい視線を向けていたあの受付嬢も、今ではにこやかに対応してくれるまでになっている。

 通常、膨大な広さを誇る『大樹の草原』で複数の討伐系依頼をこなすのは難しい。

 『大樹の草原』では、出現モンスターが分類され、分布しており、討伐系依頼の対象となるモンスターを見つけるのが大変だからだ。

 リューはそれを【召喚『地を駆ける走竜』】で解決していた。他のプレイヤーの何倍もの移動速度を誇るこの魔法があってこそ、リューは短期間のランクアップができたのだ。

 恐竜のような騎竜を爆走させて草原を駆け抜け、様々な場所でモンスターを狩るリューは、一部で『殺戮ライダー』と呼ばれていた。


 そんな『殺戮ライダー』さんが今日の殺戮ターゲットに選んだのは、オークキング。

 全長五メートルほどの巨大なオークだ。その巨体を金属製の全身鎧で覆っており、長さ三メートルにも及ぶハルバートを片手で持ち、もう片方の手には壁のような金属盾を装備している。

 オークキングの咆哮には一定のMINDが無ければ恐慌状態になってしまう効果と、どこからともなくオークを呼び寄せる効果がある。オークキング自身がレベル60の大物であり、取り巻きのオークが増えるとその脅威度はさらに上がっていく。

 

 だが、オークの王を相手どるのは、敵の強さが上がれば上がるほど戦闘意欲を高めていくへんた……へんじ……戦闘狂のリュー。取り巻きが増えれば増えるほど殲滅速度も上がるというわけの分からない状態になっていた。



「問題はねぇが……。そろそろ、あのデカ豚の相手をしたいなァ!」



 そう叫んだリューは、手近なオークの頭蓋を砕き、その隣にいたオークの腹に蹴りを入れて後方のオークごと吹き飛ばした。さらに大剣を横薙ぎに振り回し、自分の半径三メートル圏内からオークを一時的に排除する。

 


「『我がうちより目覚めよ。我が使い魔。その名はアヤメ』!」



 早口の詠唱。唱え終わると同時にリューの足元に魔法陣が表れ、そこから巫女服姿のケモ耳幼女にてリューの使い魔、アヤメが姿を表した。



「アヤメ。今から俺はあのデカ物をぶっ飛ばしてくる。その間、この豚共を相手しといてくれるか?」


「………………(こくこく)」


「足止めをしてくれてりゃそれで十分だが……。別に、倒してしまっても構わんぞ?」


「………………(びしッ)」



 任せて! とでも言いたげにサムズアップするアヤメに、笑顔で頷き返したリューは、その笑みをすぐに好戦的なギラギラとしたものに変え、「【ハイジャンプ】!」と跳躍のアーツを発動し、オークの群れを抜け出し、オークキングの方へ向かっていった。





 

「………………(きっ)」



 残されたアヤメは鋭い目つきで周りのオークたちを睨みつけると、両手の手甲のセットスキル、《深紅の鋭刃》を発動した。刃渡り50センチほどの深紅の爪が片手に三本づつ生えてくる。


 そして、その爪を見せびらかすように揺らし、体を低くして構えをとる。飛びかかる寸前の肉食獣のような迫力を放つアヤメは、全身に真紅の《錬気》を巡らせると、オークの群れに襲い掛かった。


 

「ブッ、ブオオオオオオオオッ!?」



 飛びかかったアヤメは、迎撃に動こうとするオークの群れより速く、真正面にいるオークの顔面に正拳の勢いで突き出した真紅の爪を突き立てた。


 そして、そのオークがHPを全損させ消える寸前に、爪を引き抜きオークの肩を蹴って次のオークへと向かっていく。


 真紅の爪が振るわれるたびにオークの悲鳴が響き、小さな拳が叩き込まれるたびにオークが粒子へと変わる。


 ものの数分で十数匹はいたオークが殲滅されてしまった。倒れ伏し粒子に変換されるオークたちの中央に佇むアヤメは、その恰好も相まって、神の……死神の使いのようだった。


 そんなアヤメに、三体のオークが近づいてくる。ただのオークよりも上等な装備を身に着けた、オークの上位種だ。


 それを前にしても、アヤメは眉一つ動かさず、それどころか展開していた爪を消して見せた。


 『お前らの相手をするのに、こんなものはいらねーのよ』。そんなセリフが聞こえてきそうな態度で、アヤメは腕を突き出し、挑発的に指をくいっ、くいっ、とする。



「「「……ッ!! ブ、ブォオオオオオオオオオオオオオオオオッ!!!」」」



 三体のオークは激昂する。怒りの雄叫びを高らかに上げ、各々武器を振り上げ、足音を荒く立ててアヤメに襲い掛かっていく。


 それを迎え撃つアヤメ。その紫紺の瞳に宿す輝きは、彼女のマスターによく似た、好戦的な笑みを浮かべていた。





 そして、そのマスターはと言うと……。



「くはっ、くははははははははははッ!」


「ブ、ブォオオオオオオオオオオオオッ!!」



 ギャンッ、ガンッ、と金属同士がぶつかり合う音と、神官の狂気じみた笑い声、そしてちょっと悲壮感を感じさせるオークキングの鳴き声が留まることなく響いていた。


 リューは魔法で作った大剣を消しており、紅戦棍のみを手にして、仁王立ちでオークキングと武器をぶつけ合っている。

 勢いよく振り下ろされたハルバートを側面を叩くことではじき、すぐさま切り返して紅戦棍の一撃を叩き込む。その一撃は盾で防がれるものの、オークキングの足を少しだけ後退させた。


 己が下がらされたことに一瞬憤慨の表情を浮かべた―――豚面では分かりずらいが―――オークキングは、大きく踏み込むと、横薙ぎの一撃を繰り出す。長柄武器であり、オークキングの巨体に合うように長く出来ているハルバートでの薙ぎ払いは、恐ろしい勢いでリューに迫る。


 リューはそれを勢いよくしゃがみ込むことで回避。ほぼ寝転がるような体勢になったリューの頭上をハルバートが通り過ぎる。


 四つん這いになったリューは獣そのものの動きで飛び出し、オークキングへ攻撃を仕掛けていく。まずは下からの不意打ちに近い一撃を懐にもぐりこんで放つ。オークキングの胸の鎧を激しく叩いた。

 その一撃でわずかにオークキングの体が後ろへ揺らいだ。それを見逃すリューではない。すぐさまオークキングの膝に痛烈な一撃を与え、その巨体をさらに揺らがせた。



「ぶっ倒れろよ、デカ物。【インパクトシュート】ッ!!」



 さらに、地面を蹴って飛び上がると、オークキングの膝を踏み台にしてさらに跳躍。衝撃の伴う蹴りをオークキングの首の下あたりにぶち込んだ。



「ブモォ!?」



 オークキングの巨体が、後ろへと倒れていく。地面にその体が沈むと、ズンッ……と重々しい音がし、砂埃が舞った。


 リューは倒れるオークキングについていくように動き、抜群のバランスで仰向けに倒れたオークキングの胸に直立した。


 その口元に浮かぶ笑みが、さらに凶悪に吊り上がる。この状況は、間違いなく好き放題やり放題(ボーナスタイム)


 

「【パワークラッシュ】、【エコーブロウ】、【フォースジェノサイド】ッ!」



 バンッ、ドンッ、ドシャンッ!! 

 戦棍アーツ三連打がオークキングに叩き込まれる。

 その打撃はオークキングよりも、その鎧に深いダメージを与え、ピシリッ、と罅を刻んだ。



「ブモォオオオ……」


 

 「や、やめろぉ……」とでも言わんばかりのオークキングの鳴き声。いや、泣き声といったほうが正しいか。

 泣き言を漏らしているが、それでもオークの王。盾を持つ方の腕を振り回して自らの胸に立つリューを追い払おうとする。

 とっさの回避が不可能だと判断したリューは、「【プロミネイション】」と足裏での防御無視の一撃を置き土産に、自分から飛ばされるように盾での打撃を受けた。


 衝撃を散らすようにゴロゴロと転がりながら吹き飛ぶリューは、回転が止まるとすぐに【ヒール】で減ったHPを回復させる。


 その隙に立ち上がり、どっしりと盾とハルバートを構え、リューを警戒するように鋭い眼差しを向けるオークキング。心なしか腰が引けているのはきっと気のせいだろう。


 

「ふぅ……。うん、アヤメの方も終わりそうだし、こっちも仕舞いにしようか」



 横目でアヤメとオークの群れの戦いが終わりに近づいているのを確認したリューは、そう言って、ちらりとオークキングのHPゲージに視線を向ける。残りは三割ほど。それと自分のMPゲージを確認し、勝利への道筋を頭の中で組み立てていく。


 

「………………よし」



 小さくつぶやくとともに、ダッ、と駆けだしたリュー。愚直に突進しながら詠唱するは、【ソードオブフェイス】。慣れた様子で唱え終え、リューの手に小さめの短剣が、背後には大剣が二本現れる。


 

「ブ、ブォオオオオオオオオオオオオオオオオオオッ!!」



 ビリビリと大気が振動するような咆哮を上げ、リューを迎え撃つオークキング。リューの行動を見極め、ハルバートの一撃を叩き込もうとする。

 

 リューとオークキングとの距離が少なくなっていく。そして、ついにその時は訪れた。



「ブォオオッ!!」



 リューがオークキングの間合いに入る寸前に、オークキングはハルバートを振りかぶり、斜めからの斬撃を放った。

 疾走中のリューでは躱せない一撃。完全に入った、とオークキングは確信した。


 だが、



「【バックステップ】」



 それをあざ笑うように、リューの体が一瞬で後方に移動する。完璧なタイミングでの攻撃に、カウンターのように放たれた完璧な回避。オークキングの渾身の一撃は地面をえぐるだけに終わった。


 そこからはリューのターンだ。


 手にした短剣を操作して空へと飛びあがったリューは、短剣を持つ手とは逆の手を眼下のオークキングへと突き付けた。


 すぅ、と息を吸い込み、紡ぐ。



「『開け、獄門。魔なる者の住まう世界につながる扉は開かれる。そこから現れるは闇の眷属。その力は黒き腕による戒めの鎖。顕現せよ、悪なる者よ』」



 詠唱を読み上げていくと、オークキングの周りに漆黒で描かれた魔法陣が複数、現れる。オークキングを囲うように現れたそれは、魔法陣で作られた檻のようだった。


 自らを囲う魔法陣を壊そうとするオークキングの動きを制限するように、リューが創り出し待機させておいた大剣が蠢く。


 そして、最後の一節が、リューの口から厳かに告げられる。



「【召喚『束縛する悪魔の黒腕』】」



 その鍵言を合図に、オークキングを囲う魔法陣が一斉に黒き光を放つ。


 ……ズルリ。


 魔法陣から現るは、禍々しいオーラを放つ、巨大な腕。



「ブォ!?」



 光を飲み込むような漆黒の巨腕が、驚愕に鳴くオークキングの腕を、脚を、武器を、首を、胴体を。体中を鷲掴み、拘束した。


 【召喚『束縛する悪魔の黒腕』】。


 単体拘束用の召喚魔法だ。座標指定型で相手に動かれると不発になってしまうが、一度捕まえればボスモンスターすらも拘束してしまうという強力な魔法だ。その分MP消費も激しく、リューのMPはすでに一割ほどになっている。



 だが、今のリューにはその一割で十分だった。



「止めと行こうか、デカ豚」



 リューは浮遊させていた大剣をオークキングの足の甲に突き刺す。黒腕での拘束に加え、足を地面に縫い付けられたオークキング。

 これでもう、動くことができなくなった。


 リューはオークキングの首を掴む黒腕に降り立つと、持っていた短剣を手放した。

 

 そして、どうにかして拘束を振り払おうともがくオークキングの顔面を、サッカーボールにするように蹴り飛ばした。



「ブッ!?」


「まずは一発。これはただの挨拶みたいなもんだ。さ、どんどん行くぞ……!」



 サッカーボールキックを皮切りに、幕を開ける一方的な蹂躙劇(ジェノサイド)


 ドゴッ! ズガッ! グシャッ! バコッ! ズドンッ! ギャンッ! ズガガガガガガガッ!!



「ブォ、ブッ……。ブヒィイイイイイイイイイイッ!!」



 メイス、蹴り、メイス、メイス、メイス、蹴り、蹴り、拳、メイス。乱雑に叩き込まれる物理の雨。

 

 しかし、オークキングはボスモンスターの中でも特に高い耐久力を誇る。そのおかげでHPはいまだ尽きないが、なかなか終わらない攻撃の嵐に、情けない悲鳴を上げる。


 しかし、リューが悲鳴程度で攻撃の手を休めるはずがない。



「そらそらそらそらっ!」


「ブ、ブオォ……」



 続く連撃。


 オークキングのHPが二割を下回る。



「……ん?」


「ブ……、ブォオオオオオオオオオッ!!!」



 ボスモンスターの能力アビリティ、HP低下時にパワーアップが発動し、オークキングの鎧が弾け飛び、身体中の筋肉が膨張する。

 

 しかし、黒腕の拘束は軋みを上げるだけ。


 外れることなくその役目を続けていた。



「ブォ!?」


「あらら、残念賞」



 オークキングが全身に渾身の力を籠め、拘束を破ろうとする。



「ブォオオオオ……!!」


 

 ビキリ。


 内側からの膨大な力に、黒腕にひびが入った。


 

「わお、凄いな」



 けれど、



「さて、このままだと魔法破られちまうし……」





「やりますか」



 


 何もかもが、遅かった。


 

 罅の入った黒腕の上で、リューは剣道の正眼のように構え、紅戦棍を振り上げた。


 その顔に浮かぶ笑みは、平時のそれと変わらぬように見える、優しく穏やかな物。


 けれども、その瞳に浮かぶ色は、ゾッとするような輝きを放っていた。



「MP全部もってけ、【エンチャントブースター】。そんでもって……」



 二ィ、と笑みの形が変わる。


 優しい弧を描いていたそれは、不気味な三日月へと様変わりし、そこから、告げられる。




「【ルナティックアウトレイジ】」




 アーツの名は、『狂気的な暴走ルナティックアウトレイジ』。


 それは、「自分のHPを一秒間に1%づつ、残HPが1になるまで消費し、その間、通常攻撃の150%の威力の攻撃を高速で繰り出し続ける」という文字通り狂気的な効果を持つアーツ。


 一度発動すれば止めることはできず、途中で攻撃を喰らえばほぼ確実にアウトという、シビアなアーツ。



 しかし、相手が動けないこの状況なら、それを気にする必要はない。



 リューの体が夜色のオーラに包まれ、狂ったようにメイスをオークキングの頭蓋に叩き込んでいく。


 オークキングはその攻撃を受けながらも、力を籠め続け、黒腕を破壊しようとする。


 

「くはははははははははははははははッ!!」


「ブォォォオオオオオオオオオ……ッ!!」



 リューの笑い声と、オークキングの叫び声が交差する。


 オークキングが黒腕を破壊する前にそのHPを削り切れば、リューが勝利する。

 リューの攻撃でオークキングのHPがゼロになる前に黒腕を破壊すれば、オークキングが勝利する。


 どちらが早いか。これはもう、そう言う勝負になっていた。



 オークキングのHPが五分を切った。


 黒腕の罅が半分以上に渡った。


 オークキングのHPが三分を切った。


 黒腕の罅が全域に渡った。


 オークキングのHPが二分を切った。


 黒腕が、破壊された。



「ブ、ブォオオオオオオオオオオオオオオオオッ!!!」



 リューの乗っている黒腕も含め、オークキングを拘束していたすべての腕が粒子に還った。


 それは、オークキングの勝利を示す。


 黒腕の足場をなくしたリューは、支えをなくして落下する。

 そこを叩いて、戦いは終わる。

 黒腕だった粒子に視界を遮られながらも、オークキングは間違いなくそう確信していた。



「……ブヒィ!?」



 けれども、オークキングに叩き込まれる攻撃は止まない。


 衝撃を感じながら、オークキングは驚愕に身を固めた。なぜ、どうして。言葉にならないそんな言葉が聞こえてきそうなほどに狼狽える。


 オークキングのHPが、一分を、切った。


 視界を遮っていた粒子が晴れる。そして見えた光景は……、



 空中に立ち、紅戦棍を振り上げたリューの姿。



 混乱の極みに陥ったオークキングに、リューの一撃が迫る。それが決まれば、オークキングのHPはゼロになる。文字通り、最後の一撃だ。


 ゆっくりになった視界。迫りくるメイスの片隅で、オークキングはリューが落下しなかった原因を見た。


 リューの足元。そこには、光で形作られた短剣が、足場となり存在していた。


 それは、リューが黒腕に降り立ってすぐ手放していた【ソードオブフェイス】の短剣。

 

 リューは黒腕が壊されることの保険に、身体の後ろに隠しながら足元に短剣を忍ばせていた。



 好戦的な笑みに隠された、小さな一手。それが、ここに来て最高の一手となったのだ。



「……ラァっ!!」



 オークキングの視界が元の速度に戻る。その瞬間、リューのメイスが頭蓋にめり込む。


 その一撃で、僅かに残っていたHPが消え、オークキングの敗北が決まる。



「……ブォ」



 『……参った』。そんな言葉が聞こえてきそうな一鳴きを残し、オークキングの巨体が粒子に変わっていく。



「くくっ。楽しかったぞ、オークキング」



 それを見送るリューは、片目を瞑りながらそう独り言ちたのだった。






「おっ、レベルアップしてる。これで60……。なんか感慨深いな」



 戦闘終了後、ステータスを確認するリューは、レベルアップしたことに喜びを表していた。


 

「………………(ぴこぴこ、ぶんぶん)」



 そこに、見事にオークの上位種を倒したアヤメが近づいてくる。勝利の高揚からか、ケモ耳はぴこぴこと揺れ、ケモ尻尾はぶんぶんと降られている。


 

「アヤメ! 任せてたオークの群れを、よく殲滅できたな。偉いぞ~」


「………………(ふんす)」



 褒めていいことかどうかは兎も角、リューに笑顔で頭を撫でられ、満足そうなアヤメ。そんなアヤメの可愛らしさ満開の姿に、さっきまで激しい戦闘を行っていたとは思えないほどふんにゃりとした表情を浮かべるリュー。



「ああ、癒される……。……っと、そうだ。アヤメもレベルアップしてたな。丁度いいし、SPの振り分けしとこうかね」




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 PN:リュー

 RACE:人族

 JOB:狂戦士ん官(ベルセルクレリック)

 SJOB:錬闘士

 Lv60(10UP)

 HP 1540(250UP)/1540(250UP)

 MP 1910(250UP)/1910(250UP)

 STR 122(15UP)

 DEF 95(15UP)

 INT 15

 MIND 132(15UP)

 AGI 86(15UP)

 DEX 10

 LUK 20

 SP 0

 SKILL:《生命魔法・限Lv19(18UP)》《付与魔法・決戦式Lv21(20UP)》《戦棍士・砕Lv32(31UP)》《蹴闘Lv28(27UP)》《剛力Lv24(18UP)》《昇心Lv20(13UP)》《強身LvMAX》《強速LvMAX》《増命Lv16(12UP)》《増魔Lv23(17UP)》《信仰の剣Lv97(14UP)》《信仰の盾Lv90(18UP)》《夜目Lv63(9UP)》《召喚魔法Lv51(16UP)》《飛行Lv32(25UP)》《剣使いLv20(19UP)》

 JOBSKILL:《血濡れの信仰心(バルバラ・ゲルスト)》《猛り狂え神の子よアディクティバ・ゲルスト

 TITLE:【紅月の単独征伐者】【頭蓋砕き】【神官(爆笑)】【鱗砕き】【ユニークジョブ】

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 N:アヤメ

 RACE:白銀狼

 JOB:魔拳錬士

 Lv51(24UP)

 HP 710(340UP)/710(340UP)

 MP 1040(340UP)/1040(340UP)

 STR 128(43)

 DEF 21(10)

 INT 65(15)

 MIND 54(10)

 AGI 128(43)

 DEX 5

 LUK 30

 SP 0

 SKILL:《拳闘術Lv21(new&20UP)》《魔拳Lv71(50UP)》《純魔法Lv7(new&7UP)》《錬気Lv13(new&12UP)》《回避術Lv19(new&18UP)》《自然治癒力Lv60(40UP》《魅了Lv32(20UP)》《霊体化Lv13(10UP)》《爪使いLv31(new&30UP)》

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[一言] 自ら、負けフラグを建ててそれを容赦なく粉砕する! そこにシビれる憧れる!
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