第二百三十一話 古い天使たち
オメガと思しき四枚の翼は、高空から、目視では気のせいかとも思えるほどゆっくりな速度で地上へと下降してきていた。
〈コキュートス〉の底をのぞき込んだせいで、虚脱状態になってしまったエルフたちが気になったけれど、僕はすぐに神殿へと駆け戻る方を選ぶ。
オメガが……ついに来た。
よりによって、こんな時に。
複雑な街路を走りながら、自然と視界の上側に入る天使の翼に、神々しさとは真逆の恐怖を覚える。
まるで、これから地表をことごとく消し飛ばす隕石が落ちてきているのを見る気分だ。
グレッサリアは静まり返り、審判の日が来たことを厳粛に受け止めるように、通りには人影一つ見当たらない。
唯一の救いは、僕にまだ動かせるだけの手足があるということか。
何かはできるはず。恐れは感じているけれど、見ただけですべての力を失ってしまう、あの深淵の底の虚無よりはまだマシだった。
「ごめん、遅くなった!」
「もう時間どうこうの話じゃないわよ」
中庭から空を見上げる顔ぶれは、マルネリアを除く天界組全員だ。
リーンフィリア様、アンシェル、パスティス、アルルカ、そして竜たち。ディノソフィアはいない。逃げたか。それが正解だろう。
中天の翼は、まだ地上からは程遠く思えた。
間に合った、と思う気持ちに、果たして何が間に合ったのかという問いかけが後から追従して、僕の心をなじるように削った。
間に合わなかったんだ。時間切れだ。
オメガが僕たちに与えた猶予は終わった。
彼女が与えた猶予を、一秒も無駄にせず有効活用できたかと聞かれれば、ノーと答えるしかない。待つだけで何もない日も、楽しいだけの日もたくさんあった。
それでも、船を飛ばし、街を広げ、異国から異種族が集まり、新しい街を形作った。
後は、区画一つ。〈雪原の王〉の所在さえわかれば、それで復興完了だったのに。
もっと焦るべきだった? もっと血眼でヤツを探すべきだった? 天使たちに任せず?
今となっては価値のある思考じゃない。それに、なぜだろう。ここでの日々に、穏やかな日はあっても、無駄な日は一日もなかったような気がする。
ただの言い訳に聞こえるだろうけど、振り返った反省の弁は、なぜかその充実感に押し流されて消えていった。
全部、必要だった。
であれば、今日というこの日もまた。
天使が、街へと降り立つ。
「……お久しぶりです。リーンフィリア様」
童顔なのに妙に大人びた表情を浮かべるオメガは、気味が悪いくらいに慇懃に、リーンフィリア様にこうべを垂れた。
遠い地上からも目視できた翼は、今は肩甲骨に重なる程度のサイズにまで縮小されていた。あれは飛行用――あるいは、自分の到来を知らせるための威嚇用だったのだろうか。もしそうなら、効果は、抜群だ。
「久しぶり、ですね……」
返すリーンフィリア様の声も緊張している。
主である女神様すら委縮させる存在感。やはりオメガは別格。
オメガはどこか乾いた眼差しで僕らを見回した後、再びリーンフィリア様を見据え、微笑んだ。
「ご苦労様でした……」
「え……?」
「呪われた街には不相応なほど、ここは活気を取り戻したようです。もうこれ以上、女神様が関わる必要はないでしょう」
予想していたとはいえ、いざ言葉にされると、言いようのない重みが腹の底にのしかかる。リーンフィリア様がまた口を開いた。
「…………あと三日……いえ、一日だけ、待ってもらえませんか」
「…………」
穏やかだけど、有無を言わさぬオメガの双眸を前に、猶予の延長を申し出たリーンフィリア様の胆力は大したものだった。かつての彼女には絶対に無理な要求だっただろう。
が。
「時間は問題ではありません……」
回答は、彼女が以前、最後に言い残した言葉と同じだった。
「あなたは、知るべきでないことに限りなく迫りつつある。これ以上、この地にとどまることは許されないのです」
「わ……わたしが何を……?」
オメガのマリンブルーの瞳が、リーンフィリア様ではなく、僕を正面に捉えた。
「そちらの騎士が見てしまいました」
「…………!!」
ぶるりと体が震えた。
「騎士……。あんた、何をしたの?」
アンシェルの刺すような視線が飛んでくる。
オメガは知っている。僕とマルネリアがあの物体を見つけてしまったことを。
どういうことだ……?
僕は兜の内側で顔を強張らせる。
オメガが僕たちを見張っていたというのは、いい。
あの巨人の発見と、オメガ来訪のタイミングが重なったのは、偶然ではないってだけのこと。
問題は、オメガの設けたリミットが、本当の意味で“時間”は関係なく、あの巨人を知るまでだった、という点……。
とすると、逆説的に、オメガはあの巨人を知っていたことになる。
オメガはリーンフィリア様にそれを知られたくなかった。
彼女は何を隠そうとしていた? 主人であるリーンフィリア様に、何を?
あの巨人は、何なんだ?
「騎士様?」
押し黙る僕を心配するように、リーンフィリア様が呼びかける。
言わなければいけないだろう。
「マルネリアが……〈コキュートス〉の底に、観測器に一切反応を示さない謎の巨人を確認しました。正体はまだ……不明です」
『……!!』
あれが悪魔の王である可能性を、僕は故意に隠した。マルネリアはすでに別物だと認識しているようだし、この状況下で下手な憶測を述べられるはずもない。
「騎士……あんた、何てものを見つけてるのよ……!」
それがタイムリミットの原因だと察したのか、アンシェルが鋭い声を発する。
返す言葉もない。完全に藪をつついた。まさか、あの巨人がオメガのリミットだとは少しも考えなかったからだ。
あくまでグレッサリアの秘密を解き明かす重要な鍵、くらいとしか。
「聞かなかったことにします……」
意外な声が、この場において誰よりも几帳面で、誰よりも武闘派である天使の口からもれた。
「女神様も、その従僕たちも、何も知らず、何も見なかった……。そういうことにしてあげます。何も知らず、何も見ないまま、今すぐに手勢を解散させ、天界にお戻りください」
「…………!」
寒気がするほど優しい言葉。
ここが、引き返せるぎりぎりのラインということか?
だけど、そうすると、やっぱりあれは白亜飢貌ノ王ではない……。
天界は悪魔の王の所在を求めているし、その発覚は直ちにハルマゲドンの開始を意味する、はずだ。それを見逃すというのだから、あれはやはり別物だ。
しかしオメガは、僕たちの知らないあまりに多くのことを、あの涼しい鉄面皮の奥に隠している。巨人の発見と彼女の発言は、ただちに接続されるものじゃない。間に多くの何かが挟まっている。
もう少し。もう少し時間があれば、それを調べられるかもしれないのに。
「リーンフィリア様……。帰りましょう。天界へ」
僕が何を考えようと、オメガが何を隠していようと、状況は変わらない。何かをこらえるような声で、アンシェルが女神様に手を差し出した。
「騎士も来なさい。パスティス以下の従者は、ここでお別れよ。この街で暮らすなり、故郷に戻るなり好きにしなさい」
突然別れを突きつけられた仲間たちに動揺が走る。パスティスのひどくうろたえた眼差しが、必死に僕にすがりついた。わかってる。素直に従える内容じゃない。けれど、
「アンシェルは……オメガと来てもらいます」
僕が反抗の意を示す前に、奇妙に高揚した声が割り込んで、場にさらなる戸惑いを広げた。
リーンフィリア様と向き合っていたアンシェルは、特に驚いた様子もなくオメガに向き直る。
「オメガは約束を守りました。次はアンシェルが約束を守る番です……」
オメガは笑っていた。純粋に、あまりにも嬉しそうに。
「わたしに……何の用よ」
「知ってるくせに……。オメガはアンシェルがほしいんです。オメガのところに来てください。突撃隊一番隊の仲間として……」
……え!? オメガは、アンシェルを引き抜くのが目的だったのか?
「ア、アンシェルはあなたのように戦える天使ではありません。突撃隊なんて無茶です」
驚いたリーンフィリア様が止めようとするも、オメガの表情は一切揺らがず、ただ苦い顔のアンシェルを一点に見つめて拒む言葉を紡いだ。
「いいえ、リーンフィリア様……。アンシェルは、神槍塵滅隊――通称ゼロ番隊最後の生き残りです……」
『!!!???』
僕たちは頬をひっぱたかれたような勢いで、小さな彼女を見た。アンシェルはうつむき、その目は誰とも正対しようとしなかった。
ゼロ番隊。今の突撃隊の前身だった天界の攻撃組織。オメガが弑天を仕留めた槍も、その部隊の装備だったって話だけど。
アンシェルが、その生き残りだって……?
果たして、短い沈黙の後、彼女は地面に声を絞り落とす。
「わたしはただの臆病者よ。戦場では逃げ回ってばかりで、あの槍だって一度も使ったことなかったわ。刺さったら死ぬまで抜けないって話も、半信半疑だったくらいよ。立派に戦って死んでいったみんなとは違う」
……!! アンシェル、まさか本当に……?
誰もが声を失う硬直した空気の中、ただ一人自由に動けるオメガは、しかしアンシェルの言い分に対し、楽し気に首を横に振る。
「本当の臆病者は、敵に背を向けて無様に逃げ回って、そのまま殺されます。ゼロ番隊が駆り出されるような壮絶な戦場で無事に逃げ回れたのは、敵と味方の配置を正確に把握し、有効な地形を活用する、広い視野と思考があったからです。オメガは……アンシェルは、敵をかく乱するための、もっとも危険な囮役だったのではないかと考えているんですよ……」
「それは……体よく解釈されたものね。くそ真面目なあんたらしいわ」
アンシェルは力なく笑った。
「それなのに」
オメガの得意げな声に、湿った苦みが混じる。
「アンシェルは隊を自ら辞めてしまいました。結果として生き残ったことは喜ばしいですが、どうして? 天使の中でもっとも栄誉あるお役目だったのに……」
「ついていけなかったからよ。わたしに務まる仕事じゃなかった。戦場もどんどん過酷になっていったし……。元々、臨時みたいなものだったの。あと一人足りないから、無理やり組み込まれてただけ。あんたが辺境警備の主任に選ばれるのがもう少し遅ければ、間違いなくそっちに話がいってたわ。憧れてたんでしょ? ゼロ番隊に」
「がっかりしたことは確かです……。でもそれ以上に、アンシェルが隊を辞めて、竜の飼育係なんかになったことの方が残念でした……」
『!!』
空気がまたざわついた。
アンシェルが、竜の飼育係……?
天界の竜といえば、あの腑抜けのリックルだ。
けれど僕の頭は、この時、まったく別の形をした竜を思い浮かべていた。
ケルビム!
アンシェルはケルビム――いや、サベージブラックについて人一倍詳しかった。詳しすぎた。親の体調で卵のヒナの性別が変わることを知っていたり、決闘の合図を一発で聞き分けたり、マッサージのコツを心得ていたり……。
それは単なる学問上の知識というより、身近に接して会得した生きた知恵に近かった。アンシェルがケルビムの飼育係だったとしたら、大いに納得できる。
では、ケルビムを知らなかったというのは、ウソか?
アンシェルは……神々とケルビムが共存していた時代を、どうしてケルビムがサベージブラックになったのかを、知っている……!?
ふと、アンシェルと目が合った。ここ数度の会話で、ひどく疲れているように見えた。たじろぐ僕に、彼女は皮肉げな笑みを浮かべる。僕だけに見える小ささで。
――乙女の秘密に立ち入るんじゃないわよ、騎士。
そんな強がりが、聞こえた気が、した。
「けれども……それも昔の話です。今となっては、ゼロ番隊の生き残りであるアンシェルと一緒に仕事がしたい。オメガにとってはそれだけです」
オメガはそう言い切り、微笑のままアンシェルを見つめた。
アンシェルのなで肩が、小さく上下して、より低くなったように見えた。
リーンフィリア様に振り返り、頭を下げる。
「リーンフィリア様。今までお世話になりました。どうやらわたしは、行かなきゃいけないみたいです」
「ア、アンシェル。そんな……」
うろたえる女神様に、アンシェルはこうべを垂れたまま言う。
「オメガは約束を守りました。今日まで、全部見逃してくれた。多分、天界にも無断で。わたしが一方的にそれを破るわけには……いかないです。あなたに仕えられて、今まで幸せでした。天界に戻られても、どうか安らかに……」
完全な別れの言葉だった。僕は彼女がどんな顔でそれを言っているのか、何一つ想像できない。そして彼女は、その姿勢のまま僕にも言うのだ。
「騎士。あんたの今後がどうなるかは知らないけど、もし次に会うことがあったら……きっと敵よ。遠慮はいらないわ」
「な……!?」
何だ、それ。
何だよそれは。
アンシェルが敵? どうしてそうなるのか意味不明だけど……いや、そんなのどうでもいい!
「何言ってんだよアンシェル! 僕と君が戦う場は、そんなとこじゃないだろ? 好きな人の前で、好きな人について語り合うのが僕たちだろうが!」
僕の声は、彼女をかすかに笑わせたみたいだった。
……でも、結局、アンシェルが去るのを止められない。
オメガは本当に約束を守った。今も最大限の譲歩をしてくれている。
何より、アンシェル自身がそう決めてしまった。
それを拒む言葉が見つからない。
見送るしか、ない。
場を見守るアディンたちも、どこか悲し気に唸るばかり。
何だ、この状況は? 抗おうにも、異様な無力感が手足を鈍らせる。
受け入れるつもりなのか? これを。それは無理だ。許容できない。でも、何と言って抵抗する? オメガはこちらの条件を全部呑んでいる。
どうすれば――
「さようなら、女神リーンフィリア様」
アンシェルがようやく顔を上げ、その笑顔が、涙に濡れているのを見たとき。
一番速く動いたのは。
鞘走る刃の澄んだ音だった。
「……何の真似ですか? リーンフィリア様」
間に距離を置いた立ち位置であっても、明確に向けられた切っ先に対し、オメガは動じるというよりは愉快そうな声音で、真意をただした。
リーンフィリア様は。
アンシェルを左腕で抱き寄せ、右手でムラサメモードのスコップを握りしめたリーンフィリア様は、切っ先同様に鋭くそして一切揺らがない瞳を、オメガへと突きつけていた。
「アンシェルはわたしの世話役です。ほしければ――奪いに来なさい」
リーンフィリア様が啖呵を切った瞬間、体中のすべての戒めが砕け散った気がした。
神様がそう言うのなら、しかたないな! 神様だもんな!
「どうにも……ガラの悪いやり方を覚えてしまったようですね」
一斉に身構えた僕たちを見回し、オメガはニタリと笑った。
「あなたから何かを取り上げるのは、ずうっと昔、いつまでたっても手放さなかったぬいぐるみ以来になりますね……。あの時……それから十日も寂しくて眠れなくなるくせに、取り上げるわたしには涙目以外の反抗が何一つできなかったあなたが、こんな野蛮なケンカの作法に出るとは……。悪い友達でもできましたか?」
「友達なんかじゃないです。腹立たしい隣人なら、いますが」
言い捨てた女神様に、オメガは一層笑みを深くして、
「どうにも……楽しいことになってきまし――」
準備運動するように、首をゆっくりと回した、直後。
僕は、これまで遮断されたように何も感じなかった外界の異変に、ようやく気づく。
微動。騒音。即座に巨震へと変わり――
次の瞬間!
「おらおらおら見つけてやったぜ鹿ァ!!」
「逃げるなー! おとなしく手柄になれー!!」
ほぼ同時に起こった複数のできごとを通じて、僕は悪辣で下品な叫びを確かに聞く。
ひとつ。中庭の外壁を乗り越えて信じがたいほど巨大な獣の顔が姿を現す。
ふたつ。その獣は周囲を取り巻く小さな人影の攻撃に激高し興奮している。
みっつ。荒れ狂う獣の角の先に、一人の天使がいる。
そして。彼女は不敵な台詞の途中で獣の角にどつかれ、弾丸となって神殿母屋に突っ込んだ。
「逃げんなっつってんだろ!」
「しねー! しにやがれー!」
起こった出来事と、それを認識した順列が整わずに、ぽかんとする僕らの頭上から、口汚い物騒な言葉が降ってくる。
のろのろと見上げた空には、無数のアンサラーから放たれる光刃が飛び交い、それを角を振るって吹き散らす〈雪原の王〉の大きな頭部があった。
あ、
ああ……。
「あ、あいつらああああああああああ!!?」
我に返った僕の絶叫は、苛立った〈雪原の王〉が地面を踏み鳴らし、地上神殿を砂場の山のように砕け散らしていく轟音にいともたやすく飲み込まれた。
「うおおあああああ!?」
「きゃああああああ!?」
言葉のやりとりのみの静かな動揺は、今や砕け散る石ブロックが降り注ぐ、露骨なほど明々白々の大混乱へとすり替わっていた。
「退避、退避ー!!」
僕が大声で叫び散らした時、〈雪原の王〉の大きな黒い目が、たまたま正面にいてしまったリーンフィリア様を捉えたのがわかった。
ま、まずいいいいいいいいいいい!
僕がアンサラーを構えた時には、すでに〈雪原の王〉はリーンフィリア様と、彼女が抱くアンシェルへと踏み込んでいる。距離にしてほんの一歩。
振り下げた角が、ブルドーザーのように地面ごと彼女たちをかち上げ――
「のおおおおおじゃらああああああああああああああああああ!!!!」
ない!
突然割り込んだ小さな影が、あろうことかその圧倒的質量差を完全に無視して、巨大な二本の機械腕で角の先端を受け止めた。
後ずさった距離は、わずかに数センチのみ。
ディノソフィア!
こいつ、リーンフィリア様を助けたのか!?
「ハッハァ! 原野の王にも匹敵するか〈オルトロス〉! さすがは超絶小悪魔美幼女わしの造った妖鎧のお兄さんンンンン!!」
闖入者はそれだけでは終わらない。
壮絶な笑みを浮かべて叫び散らすディノソフィアのはるか頭上に、躍り上がる黒い影を見る。
「おおおおおおおオオオオ!!」
全体重、前筋力、全気合を背中から迸るただ一刀に乗せたそいつは、抜刀した瞬間から世界を切り裂いていたと錯覚させる極太の太刀筋を、一切歪みなく大鹿の角へと振り下ろしていた。
まるで稲妻をねじり切ったような轟音を響かせながら、〈雪原の王〉の象徴たる大角は、根元から見事に両断される。
そんなバカげたことを、ただ剣のみで――アンサラーの名を持つ剣のみで為しえるようなヤツは、僕の知る限り一人しかいない。
いななき倒れる〈雪原の王〉が巻き上げた雪煙の中、何色にも染まらない濃厚な黒い影が静かに身を起こす。
スケアクロウ!!!
直後、瓦礫の山と化した神殿母屋が、まるで噴火するように吹き飛び、その下から大きな翼を持った天使を再臨させる。
オメガ。
当然、さっきの角はガード済みで傷一つ負ってない。
三者三様では済まない多色の眼差しが、半壊した神殿の中央で混ざり合う。
僕ら。
オメガ。
ディノソフィア。
スケアクロウ。
そしてDLC天使たち。
白髪の悪魔が口の端を吊り上げて笑う。
「役者は揃ったようじゃな……!」
必要なこと書いてたらすごく長くなってしまいました。
許してヒヤシンス。
先の後手、シリアスさん(二回攻撃)。
天元。




