第百二十七話 出会ってしまう者たち
超兵器の装甲強化計画は迅速に行われた。
ただし、避難先でのオーロラ鋼の大量生産はやはり難しかったらしく、最前線のごく一部の超兵器にのみ装備されることになった。
後にオーロラ隊と呼ばれる精鋭の誕生である。
いよいよ三日後、敵に攻撃されるに任せている八番街の再開発を決行するんだけど……。
その前に、ドルドとバルジドの工房の全面協力記念および、ドワーフたちの合流祝いと志気高揚を兼ねて、お祭りを開くことになった。
祭りといっても急な話だったので、家族や近しい者と一緒に、おのおのの家で食事をするだけのささやかなものだ。
僕らはドルド一家と一緒に、バルジド親方の家に招待されてる。
そこで手みやげとして、お茶を持っていこうという話になったんだけど。
「ドワーフのお茶って変な味だねえ」
「そうね。何か少し酸っぱいっていうか。苦いし、渋いわ」
そのお茶を試飲しながらの、マルネリアとアンシェルの率直なやりとりが発端だった。
「ねえ、アルルカ。これ原材料は何なの?」
「え、フンコロガシだが」
ブホッ!
誇張抜きでみんながお茶を吹いた。
かろうじて我慢できたのは、この世界の森羅万象を愛でるリーンフィリア様のみ。
「ど、道理で、独特な味ですね……」
すごい引きつった笑顔になりつつもそう言えたのはマジで博愛。
「何てもの飲ませてんのよ爆弾石娘!」
「まずーい」
「…………おいしく、ない……」
一方、天使以下の方々からは非難囂々で、アルルカは驚きでずり落ちかけた眼鏡を直しながら必死に釈明することになった。
「い、いや、言い方が悪かった。フンコロガシが集めてきたフンの中に、原料となる香草があるんだ。この風味は彼らが集めてきたものでないと出ない。滅多に飲めない高級品なんだ」
「たとえ貴重でも、こんなのおいしいお茶とは呼べないよ。ちょっと待っててください。もっとおいしいお茶を飲ませてあげますよ」
なんか究極のメニューに挑みそうなこと言ってんなこのエルフ。
そう言って彼女が取り出した茶葉からは、それはそれはかぐわしい香りがした。
アルルカはいれられたお茶を一口すすり、
「!? 何だこの異次元のおいしさは!? かすかに酸っぱくて、でもそれ以上に甘くて、飲むたびにいちいちしかめっ面にならずに済むぞ!?」
おいィ!? やっぱりドワーフもあのお茶まずいと思ってるんじゃないか!
「これを持っていこう! バルジド親方の奥さんもきっと喜ぶぞ!」
「あー、ごめんよアルルカ。これ、最後の茶葉だった。里に戻れば腐るほどあるんだけど」
マルネリアが麻袋を逆さに振りつつ、残念そうに詫びた。
今から〈ディープミストの森〉に神殿を飛ばしても、帰ってくるのは一月以上後だろう。
バルジドの家での食事会は明日。到底間に合わない。
みんな、ドワーフ茶を飲んだみたいに渋い顔になった。
そんなにイヤなら、お茶持っていくのやめるという選択肢はないんですかね……。
「アディンたちなら、もっと早く戻って、こられるかも……」
パスティスがぽそりと言うと、アンシェルはため息をついて、
「風に乗れる渡り鳥でさえ十日かかる距離よ。サベージブラックたちの巨体じゃ無理無理」
「でも、アディンたちは、魔法、使えるから……」
「あ、〈ヘルメスの翼〉か!」
僕が思わず手を打つと、パスティスは嬉しそうにうなずいた。
沈鬱そうに頬杖をついていたアンシェルもはっと頭を持ち上げ、
「そうか。それにあの三匹は呪文を共鳴させて、効果を増幅させられる……騎士!」
「ラージャッ!」
我々は急遽、現地へ飛んだ!
※
「メディーナ」
素っ気ない呼びかけに、柔らかい葉のシーツの上からもわかるしなやかな肢体が反応した。
「おい、メディーナ」
「……寝てまーす……」
ベッドの主は抵抗の意志を示すと、シーツ下で緩慢にうごめいた。その様子は無邪気であり、同時に艶めかしくもある。
「起きろメディーナ」
「や~……」
「バカ言ってないで早く起きろ!」
「いや~。ねえマギア~。起きてほしかったらわたしにちゅっちゅして~。昨日みたいに、ベッドの中でキャッキャウフフしたら、わたしすぐに起きられると思うの~」
「……っ! こ、このバカ! そ、そんなことしてないだろ! 頼むから早く起きろって!」
慌てる声の一つ一つを楽しむように、彼女は子供っぽい駄々をこね続ける。
「いや~。起きれない~。マギアがあっためてくれないと寒い~」
「出直そうか?」
おろおろするマギアが可哀想すぎて、思わず僕がたずねると、瞬間、葉っぱのシーツ下から一切の反応が消えた。
が、やがて、しゅううううと包み蒸しされたような湯気が上がりだす。
メディーナはベッドの底から消え入りそうな声で、しかし精一杯真面目ぶりつつ、
「マ、マギア、そこに誰かいるの?」
「……ああ。女神の騎士殿たちが、来てるんだ……」
「そう……」
そして、
「…………わたしが里長です…………」
しくしくと泣きながらそう言った。
今日も〈ディープミストの森〉は平和だ。
半泣きのままシーツから出てこないメディーナにマルネリアが事情を話し、大量の茶葉を分けてもらった。
「マギア、昨日はお楽しみだったんだね~。あ、昨日“も”かにゃ~?」
「あ、あ、あんな寝言を真に受けるヤツがあるか! あいつがねぼすけなだけだ! わたしは毎日、隣の家から起こしに来ているだけ!」
「ほんとぉ? 隣の家のベッド見たけど、マギアが使ってるにしては綺麗すぎるんじゃないかなあ~? いつもどこで寝てるのぉ?」
「~~~~ッ!」
ついでにマギアを煽ってた。
ええと、一応この世界って、危機に瀕してるんですよね?
ミリオにもちょっと挨拶してから、すぐに出発。アルルカのことを話したら、「よりフクザツな関係になれますね!」とか異様な反応を示してたし、長居は無用だ!
ちなみに、トリニティエコーによって強化された〈ヘルメスの翼〉は、天界で退屈していたアディンたちの鬱憤晴らしもあって、とんでもない超高速の世界に入門したよ。
振り落とされたら、間違いなく死ぬな……。
※
何とかお茶も間に合い、食事会当日。僕らはバルジド親方の住まいにお邪魔した。
戦闘街伝統のトーフ長屋は、親方だろうと職人だろうとみな同じ質素な作りだ。
「よく来てくれたねえ女神様方! ドルド親方とアルルカもね! 金物くさいところだけど、ゆっくりしていっておくれよ!」
と、声の大きなやたら溌剌とした美女が、バルジドの奥さん、ランラシド。
妙に若く見える理由は、ドワーフ族の女性の特徴の一つで、人間で言うところの二十代後半から三十代半ばくらいの外見の時期が長いからだとか。あと、男性ドワーフが老け顔すぎるからその対比で。
「今日は呼んでくれてありがとうランラシド。これはエルフの里のお茶だ。騎士殿たちが大急ぎで取りに行ってきてくれた」
「へえ! それはありがとうね。食事時にみんなで飲もうか」
アルルカが渡したエルフの茶葉を、驚き喜んで受け取ってくれた。
実際飲んだ時の彼女たちの反応が楽しみである。
「おいおい、懐かしいもん飾ってんじゃねえか」
居間に上がったドルドが見上げた壁には、ドワーフの町には珍しい、一幅の絵画がかけられていた。
「ん? ああ。まあ、珍しいエルフの置き土産だからな。ランラシドが避難するとき、一緒に持ってきてたらしい」
バルジドがさして興味なさそうに説明する。
「へえっ。エルフの絵描きが来たの?」
同族のマルネリアが興味を示すと、ランラシドがニヤニヤしながら横から口を挟んだ。
「そうだよ。うちの旦那と、ドルド親方の若い頃の絵だ。ムキになって張り合ってる様子が可愛いだろ?」
『えぇ!?』
僕らは揃って声を上げていた。
「こ、これがこいつらなの?」
アンシェルが絵と親方衆を何度も見比べながら聞く。
油絵らしき技法で描かれた絵画の中では、上半身をはだけた丸顔の少年と、少し尖った感じの少年が、並んで金槌を振るっていた。説明通りなら、丸い方がドルドで、尖っているのがバルジドだろう。タイプに違いはあるとは言え、どちらも正真正銘の美少年だ。
描いたエルフもそれを意識してか、背景の暗さに対し、彼らの白い肌を妙に艶めかしく浮き上がらせている。
この絵と現在の本人を交互に見比べたら、途中で五回くらい変身を挟んでないと、同一人物と納得できないだろうな……。
「ちなみにタイトルは、“時よ止まれ”らしいよ。どういう意味か、あたしにはよくわかんないけど」
ランラシドの言葉に、あぁ……と、パスティスをのぞく女性陣が一斉にうなずいていた。エルフの人も時の流れを嘆きながら描いたんだろうな、きっと……。
ショタ好きの紳士淑女の皆様には大変残酷なエリアとなっていることを、『Ⅱ』開発チームに代わって僕が深くお詫びします。
「まあ、んな絵はどうでもいいんだけどよ。アランのヤツはまだ帰ってきてないのか?」
バルジドのその一言で、みなの興味の対象が動く。
それは何気ない話題の転換だったけど、ある人物にとっては運命となる瞬間だった。
「遅いねえ、あの子。ひょっとすると、ワッケンところだけじゃ足りなくて、他の人んちにももらいにいってるのかもね。いちごジャムの材料」
《!!!!!!!!!》
何かが、強烈に反応した。
「ただいまー」
噂をすれば影。玄関の扉が開かれ、甘いマスクの少年がカゴに赤い実を満載にして現れた。彼がアランに間違いない。
直後。
《いちごジャム!》《いちごジャム!》《いちごジャム!》《いちごジャム!》《いちごジャム!》《いちごジャム!》《いちごジャム!》《いちごジャム!》《いちごジャム!》《いちごジャム!》《いちごジャム!》《いちごジャム!》
うるせえええええええええええええええええええええええええ!!!!
何だ急に牙剥いてきた! これまでにないラッシュ!
「へえ……砂漠にイチゴがなるのですね」
「そうだよ女神様。〈ブラッディヤード〉名物のブラッディベリーだ。ここで甘いものと言ったらこれくらいしかなくてね。でもジャムにするとうまいんだ。そうだ、よかったら一緒に作るかい? なに、すぐにできるよ。むしろ、もたもたしてるとすぐに固まっちまう難儀な性質だからね」
「おもしろそうですね。やります!」
「リーンフィリア様がやるならわたしもやるわ」
「じゃあボクも」
「あ……。じゃあ、わたし、も……」
「わ、わたしはやらないぞ」
唯一アルルカが抵抗したけど、ランラシドに引っ張られていった。戦うのがドワーフ男の仕事なら、そいつらにうまいものを食わせるのがドワーフ女の仕事だとか何だとか。
「女が台所に引っ込んだなら、俺たちはこっちで酒瓶でも開けようや」
「おーい、騎士殿。こっちに来て、これまでの戦いの話を聞かせてくれ。新しい素材のヒントがあるだろうからよ」
「俺も聞かせてほしいです、騎士様!」
僕は男衆に捕まった。むさい、むさい、美少年、に鉄臭い鎧が加わって、一言では言い表せない謎のパーティーを形成する。
しかしそれよりも、さっきからずっと主人公がいちごジャムを連呼してるのがやばい。
これ、今までと雰囲気が違う。何が起きようとしているんだ……?
オッサンたちの粗野な笑い声の隙間を、台所からの女性陣の楽しげな会話が埋めることしばし。
扉を透過して漂ってくる焼きたてパンの香ばしいかおりに、ドルドたちの酒の勢いもだんだんと鈍ってきた。
これは……! 確かに気になる! ちくしょう、腹は空かないのに、なんか腹減った!
「待たせたね! できたてのほやほやだよ。召し上がれ!」
大きなトレイに山盛りになったパンが目の前にどんと置かれ、ドルドたちに歓声を上げさせた。真っ赤な手作りジャムの入った瓶が六つ並べられ、肉厚なサボテンのステーキ、海魚のソテーなどの郷土料理が続く。
その中で、僕らが持ってきたお茶も高貴な存在感を放った。
アランの話では、フンコロガシのお茶はドワーフの中でも年寄りしか好まず、しかも「まずい」としかめっ面になるところまでが伝統だという。
それ、ひょっとして元は罰ゲームだったんじゃないかな……。
「後はあたしがやっておくから、ほらっ、女神様たちも食べて食べて」
そう言って、ランラシドは台所に戻っていった。
食卓の上は豪勢なことになっている。ここが何もない砂漠であることを忘れそうだ。
「相変わらずランラシドの作るメシは旨そうだな」
「実際旨えんだよ。あいつのメシを三日食ったら、もう他のものは食えない。そういう女さ」
特に合図もなく、ごく自然に料理に手をつけ始める親方衆。
大雑把だけど、それが気持ちいい。リーンフィリア様たちも無礼講で参加する。
つうか、アルルカがさっきからすごい勢いでエルフのお茶を飲んでるんだけど。何か変な化学変化とか起こしてそうで怖い。それにそんなに飲んで、料理が入るんだろうか?
飲食のできない僕は今回も置物化。
平穏な食事風景を楽しむように眺めるだけ、だと思っていたんだけど――
「……!? これはっ……」
「何ッ!?」
パンを鷲づかみ、ジャムをたっぷり塗りつけて口に放り込んだ、親方二人の顔つきが変わった。
どうした!?
「うめえぞこのジャム!? 何だ!?」
「この味はあいつのじゃねえぞ!? お、おい、これは誰が作った!?」
「あっ、それはわたしです」
名乗り出たのはリーンフィリア様だった。
どうやら台所《いちごジャム!》好評だっ《いちごジャム!》他のメンバ《いちごジャム!》うんうんうなずい《いちごジャム!》うるさいぞジャムおじさん!
「同じ作り方をしてるはずなんだけどねー。なんだか女神様のだけ、妙においしくなるんだよー。ちぇー」
マルネリアが不満を述べつつ、それでもリーンフィリア様のジャムをパンに塗ってかじり、笑顔になってしまう。何だその特殊効果。
「さすがリーンフィリア様だわ。きっと心の清さが料理にも表れるのね」
礼賛するアンシェルはいつものことだけど、
「おいしく、作れるように……なりたい……」
「……………………」
逆にパスティスとアルルカはそれを見てどんより曇りだした。
この二人、というより、アルルカは特にうまくいかなかった様子だ。
まあ……家でもごはん作ってるのドルドだしね。
同じ作り方をしてこう明暗が分かれるんだから、やっぱりコツとかあるんだろうか。
「ベリーを平らにのばす。それだけです」
ムフン、と得意げに鼻を鳴らす女神様。おおタイラニーよ、料理にも応用ができるとかホントに神ですか。
「うめえ、うますぎるぜ女神様!」
「ジャムに関しては、うちのカカアより上だな。タイラーニ、タイラーニアーレ!」
「え、えへへ……」
いつも以上に持ち上げられて照れている女神様カワイイ。
こう、得意になりすぎないとこに、リーンフィリア様の奥ゆかしさとか、いじらしさがあると思うんだ。
その様子を目玉に焼きつけながら、僕は何気なく、彼女が作ったジャム瓶を手に取った。
《…………》
途端、主人公が黙った。
!?
瓶を置き、別のジャムを取ると、
《いちごジャム!》《いちごジャム!》《いちごジャム!》《いちごジャム!》
また騒ぎ始める。
色々試してみたけど、リーンフィリア様のジャムだけ反応が違う。
まるで、渇望していたものが手に入って満足した赤ん坊のように、静かになる。
ひょっとして、こいつがいつも言ってるいちごジャムって、リーンフィリア様が作ったジャムのことだったのか?
シークレットボイスのどうでもいい真実が今、判明した。
「騎士、様。何、してるの……?」
パスティスが、先ほどの暗い表情を引きずりながら聞いてくる。瓶を何度も持ち替えている奇行を完全に見られたらしい。
「騎士様も、女神様のジャム、気に、なる……?」
「あ、ああ、うん。みんなおいしいって言ってるしね。僕は食べられないから、惜しいなあって」
「が、頑張る……!」
「え?」
「わたしも、お料理、頑張る、から。もし、食べられるようになったら、わたしのも、食べて、ほしい……。それまでに絶対、上手に、なる、から……」
健気な決意を込めた色違いの双眸で、パスティスはじっと僕を見つめてきた。
これ、間違っても「いいえ」選べない択ですわ。思わず親指を立てて返す。
「わかった。楽しみに待つよ」
「う……うん!」
と。
「うんんんん? なああああに二人で約束してるの? ボクも交ぜてくれないかなあ?」
へにょんという、装甲越しにもわかってしまう柔らかさが、僕の肩にしなだれかかってきた。
酒瓶を片手にしたマルネリアだ。衣服がいつも以上にゆるゆるになり、ぼんやりした目がさらにトロンとなって僕を見つめる。こいつ、空きっ腹に流し込んだな!?
「あっ! き、騎士様? においはわかるんですよね? さあ、どうぞ!」
それを見たリーンフィリア様が、なぜかジャムを塗ったパンを僕の面当てにぐいぐい近づけてくる! やめて女神様! 鎧汚いから! あもりにも不衛生すぎるでしょう!?
痛ッ……!?
不意に足下に痛みが走る。
見てみれば、パスティスの尻尾が足首に巻き付いて、締めつけて……つうか先端でゴリゴリ鎧削ってない!?
「爆……爆……! 今こそ……石よ……応えよ……!」
アルルカは何ブツブツ言ってんの!? 今こそ何だよ! 眼鏡光ってるよ怖いよ!
「こりゃあいいぜ。やっぱり戦士は、家に帰ったら働きを労ってもらわねえとな」
「騎士殿は戦士の鑑だ。次の戦いのいい景気づけになる」
おやじィ……! 僕を肴にしている場合か!? この状況は……
「リーンフィリア様のジャムはふぅ……。おいひいんぬ……」
そこの天使さァン! 落ちてないで早く助けテ! 君が蹴っ飛ばしてオチつけてくれないと、人様の家でやってはいけない爆発オチが来そう!
「騎士殿、はい、お口あーんしてえ」
そんな脅威が迫ってきていることなど気づきもせず、ろれつの怪しいマルネリアが、兜の牙模様をなぞった。
カツッと小さな金属音を響かせ、謎のあごギミックが開く。
「よくわかんないけど、ここに流し込めばいいんじゃないのお?」
「なっ……。ちょっと待って! それ前に試して、違そうって話になったでしょ!? 放り込んだものがどこに行ったかもわからなくなって……」
慌てて開いたあごを戻そうとする僕の手を、ガガシシッ! と、少女たちが掴む。
「以前はそうでも今回は違うかもしれません。タイラニーの力を信じましょう」
「召し……上がれ……!」
ファ、ファアアアアアアアアアアア!!
みんなの目がやばい! 瞬きを忘れた色のない瞳をしてらっしゃる!
早く! 早くフェードアウトしろカメラ!
この話を早くも終了させろおおおおおおおおおおおお!!
お、おお!?
よ、よし! 終わりそうだ! そのまま! そのまま……!
《やっぱり》《リーンフィリア》《様》《の》《ジャムは》《最高だ》
終わらせろっつってんだろ!
季節に合わせるために急いだ結果、まとまりがない上に長くなってしまった回。
でも前回の話だけはあまりにも・・・。
ええい、みんな幸せになってしまえばいい!
※お知らせ
主人公がまだ爆発してませんが、キリがいいので年内の投稿はこれが最後となります。
里帰りとかあれやこれやで再開は、1/10くらいを予定しています。
多少ずれるかもしれませんが、投稿した際はツイッターか活動報告にて連絡します。
今年もお付き合いありがとうございました。
よかったら次回もまた見に来てください!




