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夜の町
遠くに呼ぶ声がする。
緑おかっぱ髪の女の子ミロクと、白い狼の月の犬は呼ばれる声の方に耳を傾けた。
「あっちに父ちゃんがいるのかな?」
月の犬もニオイを嗅ぎつけ甘い香りを想いミロクに伝えた。
「優しいニオイだね。一緒に行こう」
夜の町はフワフワと歩く人々から光りが滲み出ている。
月明かりと星空の美しさを見るものはいない。
女の子と狼が夜の町を歩いても誰も気にしないのだ。
声がする方へ辿りつくけば月の犬は悲しそうに尻尾を丸めた。
ミロクもがっかりしたようにため息をつく。
「父ちゃんじゃなかったね。」
町の外れの墓石に「バイバイ」と一言交わし
ミロクと月の犬は夜の町へと戻って行った。
ミロクと月の犬は”父ちゃん”を探しているのだ。
誰も気にしない夜、
ミロクは月の犬を抱きしめ永い永い夢を想い。
続く旅に恋をするのだった。




