私達って一体なんだろう・・・?
1ヶ月後、優花とその家族は当主の命令により
田舎のM県にすむことになった。優花の兄と暮らしたこの地から離れたら、いいのではないかと、考えたのだろう。
続も裕也も私も反論したが、分家の意見など耳を貸してくれなかった。
第一、本家から本家の人間が追い出されるなど聞いたことがない。
「・・・・。」
優花は分かっていたかのような顔をしていた。
この事態を予測していたのだろう。頭のいい彼女には簡単なことだった。
そんなことはどうでもいい。
私は何故、この事態を回避しようとしなかったのかだ。
彼女なら回避できたはずだ。それだけの権限がある。
「・・・・・。」
私は優花がM県に発つまでずっと考えた。
どうして、回避しなかったのか
どうして、そのことを私達にいわなかったのか
聞こうとしたが、聞けない。
彼女は私や続、裕也を避けているから。
私達3人は、続の部屋に集まって話し合った。
「なんでかな?」
「知るか、アイツの考えていることなんて予測できるか」
「だよな」
「彼女にとって私達って一体なんだんだろう?
・・・・私達がこんなに苦しんでいるのに、優花は気楽だよね」
つい、私は心にないことを口にだした。
すると、頬に痛みがはしった。
・・・ぶたれた、続に。