優花の考え
あれから、どんどん男子に抜かされた
クラスで一番最後になると、歩きだす
私を抜かした裕也の顔を思い出すと胸がいたい
(大会のこと持ち出すべきではなかったような・・・?)
まずいことをしたなと思い、心の中で裕也に謝る。
体育の授業が終わると制服に着替え、颯爽と保健室に向かった。
昼休みまで保健室で過ごした。
勉強は教科書を見れば大体、理解できるが裕也がノートのコピーしてくれる。
(おせっかい・・・)
と思いながらも受け取る。
「そういえば、もうすぐ夏休みね」
保健室の先生がベットで横たわる私に話しかける。
この先生は高校の男子に人気がある
「そうですね・・・」
「夏休みは体調を崩しやすいから、気をつけてね」
「ふぁ~い」
「ふふ」
口元を押さえ笑う先生。かわいい仕草だ
「連休ということは、静咲さんの親友さんがこっちに帰ってくるのではない
の?」
「え・・・・・あ!?」
「あらら、忘れていたのね」
「うっ・・・」
「親友さんの確か名前は、間宮 優花ちゃんだったけ?」
彼女の名前を聞くと
ドクンッ・・・・
心臓の鼓動が速まる。
黒い闇のようなものが私の中を駆け回る。
「・・・・?
どうしたの、静咲さん?」
「いえ。優花はおもしろいんですよ。
初対面の人には、すごい毒舌を飛ばすけど、交流を深めると裕也みたいに優しいんですよ!」
と笑って話す私。
そう優花は初対面、知らない人には簡単に毒舌を吐く。前にインターネット上で知り合った、狐さんに毒舌を吐いた。
「おもしろい子ね。どうしてこの学校に入らなかったの?」
「えっと・・・色々あって」
「もしかして、受験で落ちたの?」
「いえ、受かりました、特待生として」
「まぁ、すごい子ね」
この学校は相当の学力の持ち主でしか入学を認められない。
そう彼女は本気をだせば、私や続の上をいく人間。
だが、彼女はM県の田舎の学校を選んだ。
ここよりずっと偏差値の低い学校を
「そろそろ、4時間目が終わるのでいきますね」
笑いながら私はベットから降り、ローファーを履く
一礼し、保健室を出た。
優花は何を考えて、この学校を選ばなかったのか。
私や続、裕也にも分からない。