あれから変わったこと
「疲れた。」
ピアノ教室の帰り道、私は溜息をつく
いつも歩く道が長く感じる。
「はぁ・・・」
あの日から続への想いが強くなってくる
頭の中で何かがグルグルと回る
「いっそ、告白できれば・・・」
何回もそう思うが、この幼馴染という関係を崩したくない。
漫画のように告白できれば・・・楽になれる
しかし・・・
私が告白したら絶対に続は困る
私の自己満足で彼を困らせたくはない
「・・・・。」
また溜息がでる。
優花の事件で変わったことが二つある。
一つ目は
「あ、今帰ってきたの?
おかえり~&お疲れ~」
優花が本家で過ごすようになったこと。
五年生の間だけは学校に行かないらしい。
もう1つは
「おい、勉強中だろ。」
続が五年生の算数の教科書を持ちコチラに走ってくる。
・・・続が優花に合わせて、不登校気味だということだ。
学校に行かない優花のために勉強を教えたりしているらしい。
相変わらず成績がトップのため、親は何も言わない。
「だって続、スパルタだもん」
ぷく~と頬膨らます優花の頭を軽く持っていた教科書で叩き
「来年受験生だろ、我慢しろ」
そう私達、4人は同じ学校に通うため受験する。
私や続、裕也は勉強しなくても通る学校だが優花は五年生の時の勉強が全く理解していない。これは非常にマズイ。
「あの学校、偏差値が高い。 頑張るしかないだろ。」
「はーい」
棒読みで優花は返事をして、去る。
「全く・・・」
溜息を零す続。
だが、私には
(うれしそうだよ・・・、顔に出てる)
うれしそうな顔見て私は心が痛む。




