彼女の不幸
私達は聞かされた。
優花の姉から。
「いじめ・・・・られたらしい。」
金持ちで車登校のうえ、賞をたくさんとる優花を嫉んだという下等な理由。
毎日毎日無視され、教科書を捨てられ、物を隠されたりしたらしい。
担任の先生はその事を知り、虐めた生徒を厳重に注意した。逆効果という事を知らずに。
虐めた生徒は優花に対するイジメは徐々にエスカレートしていった。
ついに優花は限界に達した。
自分の手首にカッターで切りつけたらしい。バッタンと大きな音を立てて倒れたのですぐに優花の親は異変を感じ、部屋に入ってみると手首から血を流して倒れてる優花を発見。救急車に運ばれ一命は取り留めたらしい。
「・・・・・・静咲、大丈夫?」
優花の姉は話終えると、私の頬に触れる。彼女の手には水がついていた。
私の涙だった。
「あ・・・・・あれ?」
私はゴシゴシと手で涙を拭くが、どんどん溢れ出す。
最後には、
「ひっく・・・・ひっく・・・」
泣き出した。
どうして彼女は私・・・私達に頼らないのだろう?
どうして私は無事なのだろう?
どうして彼女がツライ時に傍に誰もいないのだろう?
どうして彼女は私を救ったのに私は彼女を救えないのだろう?
ただただ私の中でグルグルとその言葉が循環した。




