5年生
引っ越した後、彼女は2つ変わってしまった。
彼女は私と同じくらいあった長い髪をバッサリと切ったらしい。
長いと兄を思い出すらしい。
もう1つ。
彼女は苗字を変えた。兄のような事件が起こらないようにと父方の苗字に変えたらしい。
あれから数年・・・
優花は約束していた通り、夏休み、春休みなど連休に本家に戻ってきてくれた。
彼女はアッチであったことを楽しそうに話してくれる。
私達は小学5年生になった。
「あれ?」
私はいつも通りに家に帰ると、門の前に本家の車が止まっていた。
後ろから
「どした?」
裕也と一緒に帰って来た続の姿があった。
私は本家の車を指差すと続、裕也の顔色が変わった。
「な・・・まだ本家の人間は帰ってくるはずないだろ。
何かあったんだ!」
本家の人間は大きな会社をいくつも経営しているため夜遅く、いや帰ってこない事が多い。
私達は急いで家に帰ると、玄関に・・・
「これ・・・優花の靴?」
紛れもない優花の靴があった。
まだ連休になっていないのにおかしい。
私達は優花の部屋にランドセルを背負ったまま向かう。
ガラッ
「「「!?」」」
私達の眼に飛び込んで来たのは、虚ろいだ目をして死体のような優花の姿だった。
彼女の手首には包帯が巻かれている。
「おい・・・・何があった?」
「死に・・・・たい。」
「え・・・・?」
優花が「死にたい」と一言いい、口を閉じた。
続は彼女を揺するが反応しない。
優花は私達が見えていないように・・・・




