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第38話 ー レベルとは何か


俺達は冒険者ギルドに併設されている食堂に集まった。


「依頼達成期間が、残り2ヶ月と半月となりました。」


「……そうね。」


「……はい。」


これは実質、6分の1が終わった事を意味する。


それにも関わらず、俺達は表層で苦戦していた。


「攻略が遅れている理由は何だと思う?」


「……経験不足。」


「私達がD級冒険者……だからでしょうね。」


俺はその答えに苛立ちを覚え、思わず声を荒らげた。


「断じて違う!!」


「「っ!?」」


2人の肩が跳ね上がった。


「経験?冒険者のランク?……違う、レベルなんだよ。」


「「レベル……。」」



俺はもう既に《32Lv → 33Lv》。


オークくらいなら1人で狩まくれる。


しかし、エリナとノワールのレベル帯ではそれが出来ない様だ。


エリナ《24Lv》


ノワール《19Lv》


これでは駄目だ。


なんたる怠慢、低レベル帯で満足しているのか?


俺は彼女らのレベルに対する執着心が不足していると思う。


レベルは神だ、成長の印。


レベルを上げる事は成長したと言う事、レベルアップ時に感じる脳の奥でバチバチくるあの感覚は成長の実感。


「皆んなはレベルを何だと思う?」


「レ、レベル?」


エリナが首を傾げる。


「えーっと、強さの位を示す数値ですね。」


ノワールは教科書から引っ張り出した様なことを言う始末。


俺は失望した……彼女らはレベルについて何も理解していない。


いや、そうか。


俺はステータス、レベルがない世界から来た異端者。


だからこそ、俺はレベルを特別なものとして自然と認識していた。


だが、この世界の者達にはあって当たり前のもの。


何の有り難みも感じないのかもしれない。


俺は怒りのあまり罵倒した。


「お前らなぁ……!」


思わず拳でテーブルを叩く。


木の皿が跳ね、スープがこぼれた。


「レベルってのは“存在の位”なんだよ!」


エリナとノワールは言葉を失って俺を見ている。


食堂のざわめきが一瞬だけ静まり、周囲の冒険者たちの視線がこちらへ集まった。


構わず、俺は続ける。


「……存在の位?」


エリナが不思議そうに尋ねた。


「そうだ。この世界は、努力も運も、すべて“経験”で刻まれる。

その積み重ねが“レベル”として形になる。

つまり……神が“お前の価値”を数字で示しているんだ。」


ノワールが小さく息を呑む。


フジタカの眼はまるで炎を宿したようだった。


「生きることは、上がることだ。

神様が成長を見える形にしてくれた、そのことに感謝しなければならない。」


沈黙。


エリナは視線を落とし、ノワールは震える手で杖を握った。


「……フジタカさん、それって……信仰みたいですね。」


「信仰でいいさ。」


フジタカは笑った。


だが、その笑みはどこか冷たく、静かな熱を孕んでいた。


「俺は信じてる。金も、人の言葉も裏切る。だがレベルだけは裏切らない。それは――神の言葉だからだ。」


その言葉は、説得というよりも、宣告だった。



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