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第20話 ー 北門突破


冒険者達と交易都市ベネルトの兵士達は連携しながら、共に鬼共の進行を食い止めていた。


血飛沫が辺りを舞い、罵声が響く。


森から溢れた炎が風に煽られ、夜空を焦がす。


火の粉が雪のように舞い、者達の上に降り注ぐ。


角笛が二度、短く鳴った。


「盾、詰めろ。槍、間合いを保て」


兵が荷車の胸壁に盾を合わせ、冒険者が肩越しに穂先を並べる。


前へ出た鬼一体を三本の槍で止め、短剣で喉を断つ。列は崩れない。


右手の下水口から小型の鬼が抜けた。


ミナが矢を三本。


目、喉、背骨。


カイが片手剣で押し戻す。


フジタカは炎の向こうを見た。群れを束ねる個体がいる。


「俺が行く」


一歩だけ跳び、槍を滑らせて鎖骨下に差し込む。


捻って抜き、すぐ退く。


空いた間は二列目が埋めた。


地鳴り……オーク達の突進が来る。


「投槍、今! 土壁上げ!」


術師が石畳を盛り上げ、勢いを削る。


投槍が走り、一体が膝をついた。


前列が一歩出て突き、引き、替える。押し返す。


フジタカが滑り込み、顎下を突いて巨体が倒れる。


遠く北門で轟音。鬼の列が一瞬だけ鈍る。


「今だ、押し返せ! 門へ寄せるな」


矢が増え、詠唱が重なり、槍がさらに低く構え直される。


列はそろって一歩、前へ出た。



門柱が折れた。


鉄板がめくれ、空が覗く。


巨人のような鬼ーーC級魔物のオーガが肩で裂け目を広げ、岩をもう一度、叩き込む。石と鉄が悲鳴を上げて弾け飛ぶ。


「北門が破られた!!退け!!」


油壺が飛ぶ。黒い炎が口を開き、門前に火の帯が走る。


オーガは怯まない。踏み抜き、火が跳ね、足に煤が貼り付く。


破られた北門から小型の鬼が侵入を開始する。


ーー戦闘は激化の一途を辿り、市街戦に持ち込まれた。




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