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追憶
地に膝を着き、その腕に愛する者の亡骸を抱きながら、騎士は自らの最期を悔いていた。
何一つ、守れなかった。
己の信仰を捧げた神々は喰い殺された。焼き殺された。斬り殺された。踏み殺された。
新たな世界を創らんとする神々に、全てを踏み躙られた。共に抗おうと剣を握ってくれた仲間も、誰よりも愛した人一人ですら、何もかも。
遺されたのは、無力な騎士ただ一人だった。
赤黒く焼け爛れた空は、焦土と化した地平線の境と混ざり合っていた。しかし境界ははっきりとしていた。地平線の果てには、騎士に迫る巨大な影の数々がひしめき合っていたからだ。たった一人の騎士の命を摘み取るためとはとても考えられない数の軍勢が、地平線をなぞる線を成していたのである。
騎士は、愛する者の亡骸を強く抱きしめ、呟いた。
「次こそは、必ず救ってみせる」




