17.練習ー明るいー
17話です。
団技の練習が始まった。
俺達は台風の目。2年生は大縄3年生は綱引きだ。
興味を惹かれたのは2年生の大縄。
高校2年生になって、団技で大縄があるのだ。不思議だと思わないほうがおかしいだろう。
2年生に情報を聞いてみたところ、
・1分間飛ぶ。
・順位はミスらずに続けて飛んだ人数で決まる。一番多いものがその時の記録となる。
・チャンスは3回。一番いいやつの合計で決まる。
・一回に一人とは限らなくてもいい。
大体こんな感じらしい。
最後のルールが厄介で、どういうふうにするのがいいかわからないそうだ。
俺的には無視をしてもいいと思う。そんなことをやって、人数を増やしたって、ミスをしそうになるのなら辞めるべきだ。
そして1年生の台風の目は、普通のルールだ。回って戻ってきて、棒を下にくぐらせてその後上を通して順番交代。簡単に理解できることである。
そんな感じで、少しずつ、体育祭が近づいてきている。あるのは6月の初め。3週間後であり、期末テストの約3週間前だ。テストにはあんまり影響しない、丁度いいくらいの日取りではないだろうか?
何はともあれ、とりあえず順調な毎日である。
我らが白団は、そこまで良い結果を残している…とは言い難い。だが、ビリにはなったことがない。そして、毎回、記録は少しずつとは言え伸びているのだ。
これで十分だ。
団ダンスに変化があった。というか進展だな。
ペアが決まった。水無瀬さんだった。
順番は予想通り出席番号順。そのお陰でこう慣れたのだ。親が母方の姓を結婚時に選んでくれたことに感謝しかない。
水無瀬さんは真面目だから、振り付けをしっかり覚えてきている。だから、踊る時もスムーズにできて、非常に助かっている。さらに、接触があるときは、本当に幸せだと感じれる。
…来年もこのままでいいのに。
つい、黄昏れてしまうのであった。
最近は忙しい。
団技も練習は行われているし、全員リレーも行われる。これの順番を決めるやつがなかなかに難航していたのだ。つい、一週間前に決まった。
そして、団ダンス。はじめの方でとっくに覚えていたとは言え、グラウンドで練習したりと、なんだかんだ大変だ。
あとは…一つ文句を言いたい。
相手は学校側だ。少しぐらい愚痴ってもいいよな?
では…
何で梅雨と被るような時期に体育祭の練習があるんだよーーー!!!!!
それ以外は、まあ許容範囲内だったのだ。
だが、練習が雨により満足にできない、というのは非常に嫌であった。
体育祭までには梅雨はまだ明けそうにないが、最近は晴れ間も増えてきた。梅雨があけるのはそう遠くない頃だろう。
そして…今日、予行練習がある。
いろいろ短縮されているため、1年生は団技は行われず、全員リレーだけすることになっている。2年生は団技はするが、全員リレーはしない。3年生は両方する。それに加えて、団ダンスもあるし、3年生はフォークダンスもある。
十分忙しい日程だ。
まず、3年の団技、綱引きが行われた。
「よーい、はじめ!」ぴぃー。
行われるのは総当たり戦。合計で6試合だ。男女別だから、実際は6試合。そしてこれが意外と時間を使う。
「行っけーいけいけいけいけ白団!」
「「「行っけーいけいけいけいけ白団!」」」
「押っせーおせおせおせおせ白団!」
「「「押っせーおせおせおせおせ白団!」」」
「勝ってーかてかてかてかて白団!」
「「「勝ってーかてかてかてかて白団!」」」
「ファイトーファイトファイトファイトファイト白団!」
「「「ファイトーファイトファイトファイトファイト白団!」」」
「いーけ!」
「「「はい!」」」
「おーせ!」
「「「はい!」」」
「白団!」
「「「ワッショイ!」」」
盛り上がり、全試合が終了。白団は…女子が2位。男子は優勝!
その後もつつがなく進行していった。
全員リレーは、団を更に2つに分けて行われる。そうじゃないと時間がかかりすぎるからだ。
結果は…本番のお楽しみ。
団ダンスも無事に終え、フォークダンスも楽しみ、いよいよ結果発表だ。
白団は…
何もなかった。
想像はついていた。だって、全然活躍していないから。1位を取ったのなんて3年生の綱引きの男子だけ。それなのに、優勝がもらえるはずがない。そして、応援賞は…何でだろうな。頑張ったつもりだったんだけど。
まあ仕方がない。本番でより頑張ればいいだけだ。
そして、全員リレー。ここには改良の余地があると見た。
この前も言った通り、誰かが仕切っているというわけではないから、ここで急に口を出しても、受け入れられると思う。
体育祭まで、あと3日のことであった。