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リスタート  作者: 暦海
10/14

やっぱり駄目?

「……ねえ、エルマ。僕の気のせいかもしれないんだけど……最近、なにかあった?」

「……へっ? あ、いやなんでもないよ! もう、なんにもなさ過ぎてびっくりするくらい!」

「……そ、そっか」



 それから、二日後の宵の頃。

 食卓にて、心配そうに尋ねるソレアにブンブンと首を横に振り答える私。……うん、我ながら誤魔化し方がひどすぎる。なによ、なんにもなさ過ぎてびっくりするって。


 ともあれ、どうして彼が心配してくれているのかと言うと、二日前――具体的には、あの日の帰宅以降、私の様子がどこかおかしいからで。




『……あの、すみませんお姉さん。その……もう少しよく考えたいので、また後日お伺いしてもいいですか?』



 二日前、例の薬屋にて。

 少し逡巡しつつそう伝えると、たいそう呆れた様子で承諾の意を示すお姉さん。……いや、そんな表情かおしなくても。あまりにも急な展開でこっちも戸惑ってるんですよ。


 ――ともあれ、期限は三日後とのこと。なので、明日までには決めなきゃならない。……いや、ほぼ決まってはいるんだけどね。二人が出会うあのタイミング以外まずないし。なので、考える期間というかは、心の準備をするための期間で。


 ただ……今更ながら、やっぱり駄目かな? 人の過去を――それも、その人にとって大切な出会いをなかったことにするなんて、流石に――



「――っ!! エルマ!! 手、手!!」


「…………へっ?」



 ――直後、穏やかな空間に似つかぬ断末魔がこだました。

 

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