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エルマとソレア
「ほら、ソレア。こっちこっち!」
「ははっ、今日も元気だねエルマは」
麗らかな陽光が優しく照らす、ある朝のこと。
キラキラ輝く澄み切った小川で、足をピシャピシャさせながら大きな声で手招きする私。視線の先には、陽光に溶け込む優しい微笑でゆっくりとこちらへ近づく清麗な男性の姿。
さて、そんな美男子たる彼はソレア――緑豊かで穏やかなこの街の市長であり、その寛厚篤実な人柄からみんなから尊敬を受けている。……まあ、みんなと言ってもごく一部には嫌ってる人もいるみたいだけど……でも、どこにでもいるしね、そういう人達って。