受け入れ
「じゃあこれで決定!そしたらつぎの受け入れについてだけど、17人受け入れ先が見つからないらしくて、どうする?」
「それだったら。子どもと大人を半分ずつ、受け入れればいいんじゃないですか?」
「でもそれだと、子どもの制御が大変になるんじゃない?」
「じゃないー」
うーん。どうしよう。そう、僕が考えていると、小春さんが
「制御が大変なら、6歳以上の子に限定したらどうですか?」
「それだ!!そしたら、子ども9人、大人8人のの枠を作ってそこに入れてもらおう。」
「僕もそれでいいと思うよ。にぃに。」
「zZZZ」
小夏ちゃんは寝ちゃったみたいだ。僕は、受け入れる人のご飯とか、寝床はどうしようかと思って、話し始めた。
「受け入れの食料と寝床はどうする?」
「食料は受け入れた大人たちに採ってもらいましょう。野菜はこちらから支給で。」
「寝床はどうするの?」
「それについては僕に考えがあるんだけど。
まず、僕達は今まで通りのベットで寝る。受け入れた人たちは、使ってないベットで寝てもらう。
これでどう?」
「それだと、ここを乗っ取られるかもしれないです。」
「うんうん。だったら、
子どもには僕達が使ってるベット以外のベットを使ってもらう。使ってないベットは体調が良くない人の保健室的な感じで貸し出す。それ以外の人は、レジャーシートを広げて、寝てもらう。
のほうがいいと思うよ。」
「そうですね。蓮くんの言う通りだと思います。」
「じゃあそれで行こう。今から、照真さんに連絡してくるね。みんなは、仕事に向かっていいよ。あと、小夏ちゃんは今日は寝かせておこう。」
「うん。分かった。」「はい。分かりました。」
僕は、トランシーバーで、照真さんに連絡を取った。
[もしもし。照真さん?]
[あ、ああ。もしもし?]
[爽です。朝の件についてです。]
[ああ。で、受け入れてもらえるか?]
[ええ。ですが条件があります。朝お願いした人も含めて、17人までなら預かれます。
ただ、6歳以上の子ども9人と、大人8人で、預かります。あとレジャーシートと空のペットボトル、服を何着か、それぞれ一人1セットずつできれば持ってきてください。あと待ち合わせ場所としてはクッマでお願いします。荷物はこちらで用意するのはできないので。それだけです。]
[ありがとう。明日の早朝出発するから、今から5日後くらいにそっちに着くと思うよ。本当にありがとう。]
[ではこれで。また、こっちについたら連絡します。]
[また。]
僕は、交換所の支度をして、今回の交換場所へ向かった。
翌日
今日から、受け入れの準備に入っていった。まず、布団を干して、二へルを掃除した。その後はいつもの作業に戻った。
2日目
今日は貸し出す狩りの道具の手入れをした。蓮が愛用しているのは貸し出さない。
3日目
今日はみんなで狩りだ。イノシシとかの大きな獲物が出やすい、少し行ったところにある山に向かった。みんなで遠出したから、久しぶりにワゴンを2つ出した。折りたたみ式の便利なやつだ。迷彩柄で縁が赤色と青の二種類だ。小夏ちゃんには赤色の方に、乗ってもらって小春さんには自転車で引いてもらった。蓮には青色の縁の方に乗ってもらって、僕が引いて行く。普段人が入っていかない山だから山菜も、キノコも豊富にある。僕は説明しようと移動中、小春さんに話しかけた。
「小春さん。今回は、二人に山菜採りをお願いしたい。ただ、山はゾンビとか、イノシシとか出て危ないから、僕達の目の届く場所で採取して欲しい。あと、キノコは触るだけでかぶれるやつもあるから、軍手をして取ってほしい。もし、襲われても僕達が気づいてないようだったら、後で渡す胡椒の煙幕で撃退して。取ったやつは、山菜とキノコをそれぞれビニール袋に入れてくれればいいから。」
「分かりました。今回は日帰りですよね。」
「うん。そうだよ。」
説明してるうちに、山に着いた。ワゴンは折りたたんで木の根元にカモフラージュしておく。川の上流部までいかないと、山菜が採れないからうさぎとかの小動物を狩りながら進む。ナイフと弓、クロスボウがあれば基本的に大人しい動物は狩れる。あと、水辺には動物が来ることが多いから、草で、足止め用の罠を作ったり、するだけでかなり罠に掛かる。魚は、保冷方法がないし腐りやすいから取ってかない。罠の準備が終わったら、茂みに隠れた。お昼ころまで待ったら、
「あ、にぃに来たよ。」
鹿が罠にかかった。蓮が鹿の注意をそらして、僕が後ろから近づいて、鹿の口を強引に開け、ペットボトルに入れていた川の水を口の中に流し込んだ。その隙に、蓮が顎動脈目指して、ナイフを刺した。血抜きのために、僕がロープで、後ろ足を縛って近くの木に吊り下げた。あと、もう一頭くらい狩れば、初日のご飯は用意できそうだ。1,2時間たった頃、一頭のイノシシが罠にかかった。僕は、クロスボウをセットして、息を殺して近寄った。イノシシの頭が上に上がった。その時、僕はクロスボウを放った。心臓の位置に命中した。イノシシも、鹿と同じように血抜きにはいった。鹿は蓮が解体してくれている。1,2時間したら、解体して袋に入れて下山しようと思う。小春さんに山菜の進捗状況を聞いた。
「小春さん。どのくらい取れましたか?」
「お兄ちゃん。夏ね、こんなに取れたんだよ!!」
そう言って、袋いっぱいの山菜を見せてくれた。
「キノコも結構取れました。」
「ありがとう。これから、キノコの判別をしよう。」
5分の1くらいは毒キノコだった。
「結構取れたね。これだけあればいいよ。帰りの支度してて。」
「はい。」「はーい!」
2時間くらい経ってイノシシの解体を始めた。解体が終わる頃には薄暗くなっていた。
「そろそろ下山しようか。」
「はい。」
途中で、小夏ちゃんが疲れて眠そうにしていたから、僕がおんぶしておりた。下山し終えた頃にはもうあたりは暗くなっていた。 山菜は小春さんたちの方へ、肉は、僕らの方に乗せて、帰りも僕と小春さんで漕いで帰った。家についた頃には、蓮も寝ていた。小春さんと二人で荷物を冷蔵庫の中に入れて、蓮たちのお風呂と、着替えを済ましてベットまで運んだ。僕達も寝る支度をして、寝た。
4日目
今日は、料理の用意と、いつもの仕事をした。
5日目
今日はいよいよ避難民が来る日だ。待ち合わせ場所には、僕だけで朝から向かった。お昼ころに人影が見えた。幼稚園とかで使うようなお散歩カートを引いているのも見えた。
「あなた方が照真さんからお話のあった方々ですか?」
「ああ。君が爽くんか?」
そう、リーダーのような人が答えた。
「ええ。では、これから僕達の家へご案内します。」