4/24(木) 義兄が置いて行ったオナホールをどうにかしよう(もちろん全年齢)
嵐の如き義兄上が帰ってから三日経った。彼が残していったもので最大の問題は、朱色と銀色の横縞のパッケージのあれである。
使う予定が無い吸血鬼は「あれお前が使えば?」と狩人に言ったはいいものの、それきりどちらが使うことも話でそれに触れることもなかった。
そしてこの三日目の夜、ようやく事態が動き出そうとしていた。
「……これ、どうやって使うの?」
風呂上がりの狩人がそれとベッドの上で向き合っていた。
「パッケージに書いてある名前を目の前の便利な機械で検索してみろよ。俺は風呂に入る」
吸血鬼は非情に言い放ち、寝室の襖を閉じた。吸血鬼の入浴など烏の行水だったから、どんな時間稼ぎにもならない。なんなら聞き耳を立ててやろう、と下種なことすら考えていた。
しかしながら吸血鬼が風呂から出たころには横縞ボトルは箪笥に仕舞い直されており、狩人は居間で膝を抱えて牛乳を飲んでいた。
「なんだ、使わなかったんだ」
「……ねえ」
狩人は深刻なことを相談するような重い声色で言った。
「あれ、どうしたらいいんだろう……」
「どうもしないだろ。好きにすれば?」
結局それは寝室の襖を閉じた狩人が使うことになった。
初心な男が使ったそれが、いずれプラ容器ゴミ袋の中に抛られることになるだろう。