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彼女が帝国最強の闇術士と結ばれた理由  作者: 滝川朗
第2部───第六章:隊長が失恋した時、どうなるかなんて、誰にも分かりませんよ
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「じゃあ、いくら聞いても、理由を教えてくれなかったら……?」

 うーん……エリスはまた考え込む。

「どうでもいいヤツだったら、ほっとくね。めんどくさい。でも、ほんとに好きなヤツだったら、……殴るかな」

「な、殴る……?」

「だって腹立つじゃん。理由も教えてくれずに、シカトされるとか……」

 そりゃ、確かにそうだ。

「はははは……殴る、か。いいな、それ」

 コールは思わず笑っていた。

「お前、虐げられて育った割には、いいヤツだな……」

 コールは笑ったまま言った。

「いいヤツ……?何言っちゃってんのコール、やっぱりあんた、落ち込んでるでしょう?」

「うるさいな。俺のどこが落ち込んでるって?お前はクソガキのくせに、いちいち生意気なんだよ」

 コールはエリスの頭を小突いて言った。

「いてーな、何すんだ、おっさん…… !そんなことするんなら、闇術、教えてやんないぞ…… !」

 エリスも遠慮なくコールの肩を小突いた。

 親と子ほども離れた二人の、仲の良い小突き合いが続く。

…… 分かったよ、ほんとに好きなヤツなら、殴れ、だな。

とことん、向き合えってことだろう。

 何も難しい話じゃない。むしろ、俺の得意分野だ。

「エリスよ、お前に感謝するぞ。お陰で目が覚めた」

 エリスという十二歳の少年のおかげで、俄然、やる気を取り戻したコールであった。


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