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「もっと、もっとうまくやれただろうに……っ!!だけど……、今はそれを考えるのは優先度が低い。私がやるべきなのは双子たちをどう守るかを考えること」


とりあえず、報告書をまとめるのが優先だ。証拠は多いに越したことはないけれど、ただの侍女と近衛騎士二名の証言だけをまとめた報告書を提出するわけにはいかない。嘘だと思われるのがオチだ。


「私にできるのは……、あの子たちと触れ合う時間を作ることね」


 現在、この王宮の派閥は大きく二つに分かれていると私は見ている。まずはセルフォンス派閥、アレックスの家を筆頭とする派閥だ。もう一つは王妃の実家、メイブル侯爵家を筆頭とするメイブル派閥。この二つが王宮内では多い人数を要する派閥のようだ。


双子の教師を務めている人は、そのメイブル派閥から選出された教師のようで私は伝手がない。さらに言えばメイブル派閥に、私はよく思われていないので、こちらの情報を渡すようなことは避けたい。


「あの子たちの教師がこちら側についてくれれば……、もう少しやりようはあるのだけれど……。私一人で探るのにも限界があるわね……。もっと時間をかけなければ……。事を急いては仕損じる……」


 私は第一王女、王位継承権はもちろん一位。次いでルドルフが王位継承権第二位、アンジェリーナが第三位になる。メイブル派閥にとって、いや、特にメイブル侯爵家からすれば次代の王を選出できるかもしれない機会だ。私がいなくなれば、その栄誉が得られる。


「考えすぎ、だといいけれど……」



 もう夜からレイラはいないらしいので、より一層慎重に動かなくてはならない。誰にも、知られてはならない。この件も、私の未来視があるかもしれない秘密も、何もかも。


「そして誰も来ない……」


夕方、食事の時間になっても誰も来ないので、仕方なしに呼び鈴を鳴らす。レイラから一か月間とはいえ、引継ぎはされているはずだ。それなのに来ないなんて、おかしい。


「お呼びでしょうか、アイリーン王女殿下」


「食事の用意をお願いできますか」


「かしこまりました」



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