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「外での公務、大変お疲れ様でございます。お疲れのところ申し訳ございませんが、晩餐会へ着ていかれるドレスはどうされますか?」


「ありがとう、レイラ。そうね、晩餐会と言っても国王陛下とレオンハルト皇太子殿下、私だけのようだからこちらのドレスにするわ。派手なものよりも、落ち着いたものにしたいから」


「かしこまりました、それでは湯浴みの準備をしてまいります。失礼いたします」


天使のように愛らしい双子のおかげで少し、元気が出た。それでも普段人前では絶対にしない座り方で椅子に座り、ぼけっとする。思い出すのは双子を見たときにダブった映像と、もう一つ気がかりな違和感だ。


 その違和感は双子に関係するものではないので、私もさっきまですっかりと忘れていた。でも、双子の近衛を見てハッとしたのだ。私が公務から帰ってきたときに、エスコートしてくれた近衛の顔、どうもどこかで見たことのある顔。


「うーん……、あの顔、どこで……?」


そう、どこかで見た覚えがある。と言っても、近衛騎士全員の顔を覚えているわけじゃないし、私たち王族の護衛に就く近衛は限られている。ローテーションしながら決まった人間で護衛をするので、ある程度は護衛の近衛ならわかる。でも、そういう意味では、あの顔は見たことあるけど、知らない。普段、私の護衛を担う近衛じゃないことは確か。



「アイリーン様、湯浴みの支度が整いました」


「っあ、ありがとう。すぐ行きます」


 考え事をしすぎたせいで返答が遅れてしまう。後のスケジュールも入っているので、そこで私は考えるのをやめてお風呂に入った。



「アイリーン様、御髪を洗い流しますね」


「ええ」


世話をされるのも最初は慣れなかったけど、数年もすればさすがに慣れる。髪の毛を現れて、パンパンに浮腫んだ足をマッサージしてもらい、外回りの疲れを落とす。程よい湯加減に気持ちのいいマッサージで寝てしまいそうだ。


「アイリーン様、お身体を拭かれましたこちらに下着類を置いてありますので」


「ありがとう」


 レイラはお風呂を洗うと言って離れたので、私は身体をしっかりと拭き、髪の毛も水気をタオルで取る。ごしごしと髪の毛をタオルでこすると怒られるのでギュッギュとタオルで包み込んで水気は取るようにしている。すぐにレイラも戻ってきたので、そこからは髪の毛を乾かして晩餐会のためにまた着飾る。


「アイリーン様、コルセットを絞めます」


「お願いするわ」


夢で見た大人な私はコルセットから脂肪がはみ出るという、姿を晒していたけど、痩せた私はそれなりに細い。コルセットを無理に絞めなくても十分な細さだ。


「御髪を乾かしますね」


「ええ。あ、髪飾り、やっぱりこっちがいいわ」


「はい。お預かりいたします」


 薄く、年相応にメイクを施してもらい、髪の毛を結い上げて飾りをつける。姿見で自身の姿を確認すればそこにいるのはアイリーン・レインヴェルク。私はそれを見て、レイラにお礼を言ってから心の中で気合を入れた。


いざゆかん、戦場(気まずい晩餐会)へ!!

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