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第七話

 騎士学校に入学して数ヶ月が経っていた。

 わたくしとラインハルザ様は、常に行動を共にし、今では親友以上と呼べるような距離にまで近づいていたとわたくしは自負します。

 ラインハルザ様が、わたくしを信頼してくれているのが分かるし、わたくしもラインハルザ様を心から信頼しているわ。

 

 ラインハルザ様は、笑顔の素敵な方で、わたくしといるとよく笑顔を見せてくれた。

 

「ヴィー、さっきの授業のあれ、面白かったな」


「ああ、そうだな」


「もう、お前も面白かったら、もっと声を出して笑ってもいいと思うぞ?ってか、騎士学校に入学してから、ヴィーの性格変わったよな?大人しくなったというか、大人になったというか?」


「そうか?」


 わたくしは、ほんとうはもっと長文をしゃべりたいところでしたが、ぼろが出ると困るので単語でしゃべる癖がついてしまっていたのよ。

 だけど、ラインハルザ様は、わたくしの意思をちゃんと理解してくれて、なにも言わなくても通じていた。

 

 そんなわたくしたちをクラスメイト達は、からかってこう言ったのだ。

 

「リンドブルムとリムドールは本当に仲いいよな?お前ら、卒業後はそのまま結婚しろよ!!」


「だな、お前らのその阿吽の呼吸。まさに夫婦!」


「式には呼んでくれな?」


 そう言って、わたくしとラインハルザ様を囃し立てたのだ。

 わたくしは内心嬉しくて、ガッツポーズをしていたけど、ラインハルザ様は、違ったみたいで、焦ったようにそれを否定したわ。

 

「お、お前ら!!ヴィーが困るだろうが!!」


「おやおや?その言い方だとリンドブルムは困らないみたいだな?」


「そっ、そんなことない!」


 赤くなって慌てるラインハルザ様が可愛すぎて傍観していたけど、これ以上わたくしのラインハルザ様をからかうのはちょっとイラっとしてきたのでやめていただきたわ。

 そう思ったわたくしは、クラスメイトたちに優しく言ったわ。

 ええ、とっても優しくね?

 

「黙れ」


「ひっ!!」


「悪い!!」


 そう言って、蜘蛛の子を散らすように散って行ったクラスメイト達を見送ったわたくしは、ラインハルザ様につい聞いていたわ。

 

「ハルザは、わた……、僕と結婚することになったらどうする?」


「えっ?」


 わたくしの言葉に、鳩が豆鉄砲を食ったような可愛らしいお顔を見せてくれたわ。

 ああ、本当に可愛いんだから!!



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