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第十七話

 ラインハルザ様は、手紙でわたくしがお義兄様と入れ替わっていたことを知ったと教えてくれました。

 ですが、鎧の中身をお見せしたことが無いにも関わらず、今のわたくしと鎧の中身を結び付けたことにわたくしは納得がいっておりませんでした。

 

 

「ラインハルザ様?わたくしとお義兄様が入れ替わっていたことをご存じだったことは納得いたしました。ですが、何故今のわたくしと鎧の中身が結びついたのか、到底納得できませんわ」


 そう言って、ラインハルザ様の腕の中でさらに、身を寄せると、なぜかラインハルザ様は抱擁を解いて距離をとって言い訳をしたの。

 

「そ、それは……。気配と言うかいろいろだ!!」


「気配?それこそ、気配など術の効果でお義兄様と感じるはずですわ」


 そう言って、ラインハルザ様に近づくと、何故か更に距離を取られてしまっていた。 

 ちょっとだけ傷ついたと言いますか、正直に言いますと、そんなラインハルザ様にわたくしはむっとしてしまいました。

 

 なので、距離をとったラインハルザ様を後方のベッドに押し倒してしまったのは仕方ないですわよね?

 

 目を丸くして驚いているラインハルザ様を可愛いと思いながらも、上から覆いかぶさって、逃がさないように顔の両脇に両手を突いて腕の中に閉じ込めてから、綺麗なブルーの瞳を見つめながら口を開いたの。

 

「ラインハルザ様?どうして鎧の中身を知っておられたのですか?正直にお話しいただけないのでしたら、強引にその唇をうば……、じゃなくて、強引に聞き出すしかございませんわ。わたくしに、唇をうばわれ……、じゃなくて……、いえ、違いませんわ」


 わたくしは、積もり積もった恋情をもう堪えることが出来ませんでした。

 だけど、無理やりラインハルザ様の唇を奪うのはいかがなものかと、多少の理性は残っていたので、ラインハルザ様に馬乗りになった態勢で、体を倒して、彼の耳元に唇を寄せて甘く囁いていたの。

 

「ラインハルザ様……、わたくし、ずっと前から、ラインハルザ様のことをお慕いしておりました。正直に申しますと、お義兄様として、一緒に暮らした中で、何度も何度も、ラインハルザ様の貞操を狙っておりました。ですが、何とか耐えておりました。でも、ラインハルザ様がわたくしのことを女として見てくださるというのでしたら、もう遠慮は致しませんわ」


 そう言った後に、可愛らしい耳朶に口付けをした。

 

 そして、そのままラインハルザ様の形のいい唇にわたくしの唇を……。

 


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