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堕ちた勇者の英雄伝  作者: 学聖生
異世界チュートリアル編
6/26

町へ行こう

知らない町って、ドキドキしますよね

「そろっと立てますか?」

「あ、ごめん」


 僕は癒しの時間を十分堪能した。

 上半身を起こし、立ち上がる。


「ぅっ」


 まだ傷が痛む。


「大丈夫ですか?」

「うん、だいじょぶ」


 的確な処置をしてもらったからか、痛みは大分和らいだ。

 体が重くて少し動きづらいが、歩けない程ではない。


「肩を貸しましょうか?」

「いや、一人で歩けるよ。ありがとう」

「それはよかったです。それで、サイトさんははこれからどうするのですか?」

「えっと…」


 そういえば、ここはどこだろうか。

 日本の田舎の山奥?それとも、別の辺境の地?

 いやいや、川から流れてそんなに遠くまで来るものか?

 まったくわからない。どうやってここまで来たかもわからないのに、どこへ向かえばいいかわかるはずもない。


「どうしましょうか」


 僕は笑って誤魔化した。


「それなら、この先に小さな町があります。そこで怪我の療養をしましょう」

「うん、わかった」


 アリスさんはここら辺に詳しそうだ。

 ここは彼女に着いていったよさそうだ。

 助けてもらった恩もあるし、何かできることがあれば手伝いたい所だ。


「では向かいましょう」

「はい!」


 歩き出したアリスさんに着く。

 なんだかどこぞのRPGっぽい。これでさっきみたいのにエンカウントしないように祈っておこう。フラグっぽいけど。


「サイトさんはどこから来たんですか?この辺だと、アウツ村が近いですけど」

「うーん、それがよくわからないんだよね。川に流されて気が付いたらこの辺にいたから……ここもどこかわからないしね」


 アウツ村ってどこだろ。聞いたこともない。

 地元ですらそんなに地理詳しくないのに、知らない土地のことを知るはずもない。

 だからと言って知らなすぎるのも……。

 ここは恥を忍んで訊いてみるしかないか。

 訊くは一時の恥、訊かぬは一生の恥だ!


「そうなのですね…」

「うん。だからその、アリスさんはこの辺に詳しいみたいだから、周辺のこと教えてほしいだけど」

「はい、もちろんいいですよ」


 町には小一時間すると着いた。

 古そうな洋風の家々が建ち並び、よくマンガやゲームにある中世のデザインにありそうな服装を着ている人々が出歩く。

 まるでドラマの撮影現場の様な……。


「ここ、日本だよね?」

「ニホン?ですか??聞いたことありませんね……どこの大陸にあるんですか?」

「え、嘘でしょ?」


 僧侶と自称する痛い子だとは思ったけど、見たことも聞いたこともない大きな獣や町名、そして知らない場所に気付けば居たこと……それに、この町の風景。

 ここはまさか、日本ではない?

 外国で秘境だとしても、ちゃんと言葉は通じてるし、服装は洋服でコスプレっぽくはあるがちゃんとした服だ。

 でも見たこともないし、ここはもしかして……。


「どうかしましたか?」

「あ、いや、僕が知ってる世界じゃないみたいだなって」

「ふふ、サイトさんはおかしい人ですね」

「そうかな。あ、はは…」


 夢を見ているのかと自分を誤魔化しながら、僕とアリスさんは町に入った。

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