表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
堕ちた勇者の英雄伝  作者: 学聖生
異世界チュートリアル編
4/26

prolog2ー悲惨な現実

prologの原因となった一つです。

 家族を失ったのは、小学生の頃だった。

 5年生に上がり高学年となって責任感が生まれ、家にも小さな妹や優秀な兄がいるから学校でいいところ見せなければと意気込む。

 桜が舞い散るのをやめた5月半ば、友達と和気あいあいと帰り、家の鍵を差した時にはわからなかった。中がどうなっているのか。

 兄は振り替え休日で大学は休みだから家にこもって論文を書くと言っていたし、妹はまだ幼稚園児でこの日はもう母が迎えに行っているはずで、母は仕事柄家にいることが多い。

 だから違和感に気付くのにはそう遅くなかった。

 家に入ると、静かだった。

 静かすぎた。

 変だと思いながらも家に上がり、母は居ないのかと静寂から思い、兄の邪魔しないように自分の部屋でランドセルを下ろしてからリビングへと向かった。

 そこで衝撃を襲う。

 母が…妹が……ーー血まみれになって倒れていた。

 あまりのことでしばらく立ち尽くし、イヤな予感がして兄の部屋に向かった。


(お兄ちゃんっ、お兄ちゃん……!)


 ドンドンと強く扉を叩き、兄を呼ぶ。


「兄ちゃん!いるかっ!?」


 返事はなく、血の気がどんどん下がるのを感じながら扉を勢いよく開く。


「ーーーーーー」


 もう言葉も出なかった。

 そこには兄はいなかった。

 血にまみれる肉の塊と化した物がそこにあるだけだった。

 ぼくは家族三人、一気に失った。

 父親だけは仕事でその日家に居なかったことが幸いした。

 父が帰宅した頃には、僕はずっとその場に立ち尽くしていたそうだ。その時の記憶はないが、そのあと父に抱き締められていたことと、警察が押し寄せてきたことは覚えている。

 その日からぼくは二人家族となった。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ