表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
堕ちた勇者の英雄伝  作者: 学聖生
異世界チュートリアル編
10/26

噂と剣

噂は噂で終わる事って多いですよね。

 初クエストをこなし、そこから採取クエストをこなして資金も貯まり、武器や防具を揃えてからはモンスター討伐の依頼も受けるようになった。

 僕がアタッカーで、天使、もといアリスさんが回復や支援魔法。

 アリスさんがモンスターを拘束、その間に僕が攻撃して倒す。それを繰り返して、モンスター討伐のクエストをクリアしていく。

 最初は装備の使い方に戸惑い苦戦したが、毎日やれば慣れもする。

 段々とアリスさんとの連携も取れ、楽に狩れるようになって楽しくもなった。


「ここら辺のモンスターはあらかた倒したかな」

「そうですね。そろっと町に戻りましょうか」


 ギルドでクエスト達成報告をして報酬を受け取る。これももう慣れたものだ。


「そろっとワンランク上のモンスター討伐もいいかも知れませんね」

「ワンランク上?ってことは、強いモンスターが?」

「はい。町周辺はレベルの低いモンスターばかりですが、少し先にある洞窟には、大型のモンスターが潜んでいまして、その子分と思われるモンスターがうろついているという情報がありました。そのモンスターは初心者でも通用するとのことです」

「なら、そこに行ってみようかな…」

「わたしは構いませんよ」

「うん、じゃあそれをお願いします」

「わかりました。少々お待ちください」


 大型のモンスターの討伐は今はできないかもしれないが、その子分ならいけると思う。

 武器は剣、初めて使ってみたけど悪くなかった。何度も振って、使い方も覚えた。

 でも新調した方がいいかな?そろっと刃が零れてきた。

 武器屋にでも寄ってみようかな。


「なあ、盗まれたってよ」

「ああ?またかよ」

「ここ最近多いよな」


 ギルド内にある酒場で他の冒険者が話すのが聞こえてきた。


「なんでも、その盗まれた物ってのは、一番高い物のみなんだよ」

「あ?どういうことだよ」

「宿屋で泊まってる客の身に着けていた高い物だけ盗んだり、忍び込んだ家から一番売れる美術品とかを盗むんだってさ」

「なんだそりゃ。まるで、何が高いかわかってるみてぇじゃねーか」

「だと思うぜ。目利きの盗人でしかも捕まえる証拠もない。こりゃあお手上げだな」

「「あっはっは!」」


 そんな話が聞こえた。

 盗みか……怖いな。

 どの世界もやはりあるんだな。

 僕も気をつけないと。


「クエスト受注完了しました。では、お気を付けていってらっしゃいませ」


 ギルドを出て、アリスさんと話して武器屋に寄る。


「予算はあるけど、やっぱりもう少し貯めてからにしようかな…」

「でも、もしものことがありますから。新しくした方がいいかもしれませんよ」

「だよね。悩むなあ」


 刃零れは危険だけど、まだ使えないわけではない。貧乏性が祟って命の危険ってことにもなりかねないけど、それでも貯めた方が後にもいいかもしれない。


「これなら打ち直した方が安いぞ」

「え、ほんとですか?」

「剣なら貸せるし、そっちの方が安くなる」


 武器屋のおっちゃんがそうアドバイスくれる。


「そういうことなら、そうします!」

「おうよ。剣は三日もあれば直る。貸し出し用は安いやつだが、そこら辺の剣よりも使いやすいはずだ。好きなのを選べ」


 気前のいいおっちゃんだ。

 スキルに不穏な名前があったが、そんなの気のせいで、本当は運がいいのでは?

 いい人ばかりで僕は泣きそうになる。

 目頭が熱くなるのを呼吸をして抑える。


「サイトさん、どの剣にします?」

「んー、そうだなあ……」


 簡素な物からゴツい物まで、割とそろっている。

 その中でも取り分け空気が輝いているものがあった。


「じゃあ、これで」


 選んだのは、柄に玉の装飾が施され、それ以外はシンプルだけどかっこいいやつにした。


「ほほお…」


 おっちゃんがニヒルに笑う。

 よくわからないけど、いい物っぽい。


「毎度ありー」


 剣を腰に差し、僕とアリスさんは村外れの洞窟に向かった。


■ステータス■

名前サイト=サエギリ

レベル 6

打撃 25

防御 13

魔力 0

俊敏 10

打撃耐性 15

魔法耐性 0

運 0


◆特殊スキル◆

不運の悪夢

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ