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没落貴族の召喚獣  作者: 灰色のクリスタル
最初の命令は死刑宣告
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死刑宣告

「嫌だ〜。放せよ、このヤロー」


レイジの絶叫が大空に轟いていく。というのもレイジが部屋から逃げ出し建物から飛び出したときのことだ。レイジの体が大きな影に包まれると上空からの飛来物、わしの上半身に獅子の体を持つ幻獣グリフォンに鷲掴みにされたのである。優美なたたずまいで大空を駆けるグリフォンも捕まえられたレイジが暴れることで一瞬にして台無しになってしまう。グリフォンに捕まえれてまだ数秒しか経っていなかったがグリフォンの高度は既に周りにあるどの建物よりも遥か高くに達していた。


「あっ……。やっぱり今は放さないでくだしゃい。お願いしましゅ。」


レイジは今自分が置かれている状況を把握すると威勢をなくし震えながらグリフォンに懇願し始めた。その声にとり合わず大空を旋回するグリフォンは、何かを探しているようで首をしきりに動かしながら地上に視線を送っていた。

その頃、クロノリティアとアイリスの二人は会話をしながら広場を目指していた。召喚の儀式を行ったところだ。クロノリティアは大空を旋回するグリフォンを見つけるなりアイリスに問いただした。


「あいつは一体何をしているのかしら。ねぇ、アイリス?」

「いやー。レイジくんてば部屋から逃げ出しちゃってね。私のグリフォンに捕まえに行ってもらってたの」

「私は見・て・い・て・って言ったはずなんだけど」

「ちゃんと捕まえたんだから大目に見てよ」


広場に着き小さくため息をつくとクロノリティアはアイリスにレイジを下ろすように頼んだ。既にアイリスを見つけ指示を待っていたグリフォンはアイリスの呼びかけにいななきをあげると急降下で向かっていった。グリフォンは地表スレスレで急ブレーキをかけレイジを放すとその巨体に見合わず音も立てずに地表に降り立った。


「ふぅ〜。助かったぁ」

「こんなんじゃなくてあれぐらい有能な子を召喚できてればよかったんだけどね」


クロノリティアは地面に大の字で寝そべるレイジとアイリスに撫でられて目を細めているグリフォンを見比べて悪態を吐きながらレイジの前に立った。レイジはそれに気付き、体を起こしてクロノリティアに目をやる。


「あんたに命令よ」

「何だよ」

「明日、エディの召喚獣と戦って死になさい!」

・・・・っ!?」


レイジはそれ以上口にすることはできなかった。大蛇バジリスクに睨まれたあの時とはまた違って自分自身がそれ以上口にすることを拒んだかのようだった。


「口答えなんてできるわけないでしょ。だって私とあんたはご主人様と召喚獣の関係何だから。わかったら明日まで大人しくしていなさい」


その言葉の強制力にレイジはただただ従うしかなかった。うなだれているレイジにアイリスは「ごめんね」と声をかけるとグリフォンに運ばせるのであった。

誤字等修正しました。

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