洞窟の子供
洞窟の暗闇からミッシェルたちの前に姿を表したのは、薄汚れたボロボロの布切れを纏った1人の子供だった。華奢な肢体に身なりはボロボロの布切れのみで靴も履いていなかった。第一印象はスラムの孤児そのものだったが、その割には、肌にはハリがあり、目元を隠すほどまでに乱雑に伸ばされた髪は鮮やかな赤色に染まっていてとても綺麗だった。
異様な違和感に襲われるミッシェルをよそに、後方に控えていたウィークが子供の存在に気づいて駆け寄る。ウィークは子供の目線にまで腰を落とすと爽やかな笑顔で語りかける。
「怪我はないかい?もう大丈夫だからね」
「うん、ないよ」
「君一人かい?」
「ううん、お友達がいっぱいいるよ」
子供は声からして女の子だとわかった。ウィークが少女に質問を続ける中、ミッシェルは違和感の原因を探っていた。
「それは良かった。それでそのお友達はどこにいるんだい。ここは危険だからお友達と一緒に外にいこう」
「おじさんは私とお友達になってくれる?お友達はお友達にしか会わせたくないの」
「お、おじさん……。あぁ、もちろんだとも」
ウィークはおじさんと言う言葉に眉間をピクリと動かしながらも少女の願いに応じた。少女はウィークの言葉に対し、顔を満面の笑みに変えて応じた。
そこでミッシェルは違和感の正体に気づいた。
おかしいではないか。年端のいかない少女が灯りも持たず平気な訳が無い。たとえ友達が一緒に居たとしてもその友達と言うのも同じぐらいの歳であろう。そんな子供たちが魔物が巣食うダンジョンの中で灯りもなく過ごして居たのだ。そんな境遇の子供が大人にあってまずする反応は決まっている。
泣くに決まっているじゃないか。暗闇の不安から解放されて、死の恐怖から解放されて泣き噦るに決まって言うじゃないか。
それなのに少女はウィークの問いにハキハキと答えた。
もっと早くに違和感の正体に気づくべきだった。そう、もうすでに遅かった。
「それじゃあ、おじさんに私のお友達を紹介するね。みんなと仲良くしてね」
少女の可愛らしい声とは裏腹に、少女の背後でぞわりと何かが膨れ上がる。それは殺気を纏ってウィークの前に現れた。
更新が1ヶ月空いてしまい申し訳ありません。
仕事も落ち着きましたのでまた更新を継続していけるように頑張ります。




